CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-309「ゴーストマスター」(日本)

2019年12月11日 00時53分14秒 | 日本映画
早く映画になりたいだろ
 とある廃校で行われていたのは、流行っていて低予算で作れるからという安直な理由で製作されていた“壁ドン”映画の撮影。ところが主演俳優がクライマックスの壁ドンシーンを前に、いきなり演技の壁にぶち当たり、とつぜん撮影がストップしてしまう。
 怒った監督をはじめスタッフたちが次々と現場を放棄する中、事態の収拾に奔走する助監督の黒沢明。必ず監督デビューさせるというプロデューサーの言葉を支えに我慢してきた黒沢だったが、ついにその夢が打ち砕かれ、絶望と怒りで悪霊を呼び寄せてしまう。
 するとその悪霊が、黒沢の脚本“ゴーストマスター”に憑依し、いつしかキラキラ壁ドン映画の撮影現場は、阿鼻叫喚の地獄絵図と化していくのだったが。(「allcinema」より)


 最初はコミック原作の青春映画を撮影しているシーンから始まるが、主演男優の勇也が演技に行き詰まり、撮影放棄したことから事態は変わり、やがて思わぬ恐怖に陥るというホラー作品。

 引き金になるのは、助監督の黒沢明が暖めていた脚本。
 日の目を見ないと黒沢が悟った時、それは主演男優にとり憑き、悪霊となってキャストやスタッフたちに襲い掛かるという展開。

 いきなり頭を叩き潰したり、頭をめり込ませたりと、スプラッタな要素が満載であったが、コミカルな要素はそれ以上。

 映画製作に関わるもので笑いを取っていたり、今の映画製作に関する揶揄などもある。

 それ以上に映画愛もいっぱいだったかな。

 脚本に憑かれてしまった主演男優の勇也が、〝か~んとく、お~け~ですか~!?〟と連呼しながら襲い来る中、黒沢や女優の真菜たちは、何とか逃れようと様々な対応に出る。

 カメラのレンズに合わせて動く勇也を誘ったり、おもちゃの刀でもカメラの前では本物になると言い放ち斬りつけようとする俳優。

 監督をしたくて脚本まで書きながら、その望みも絶えてしまいそうな黒沢が、究極の状況になり、どのような行動を取るのか気になるところ。

 ホラーとロマンスが混ざり合い、それを打ち倒すアクションと、様々なジャンルを入り混じらせ、ついに解決と思わせたところで、もう一段。
 そこにはSF要素も入ってくる。

 映画撮影のスタッフが廃ビルで右往左往しながら、それでもカメラを向けようとする様子は、どうしても「カメラを止めるな!」を思い出してしまう。
 こちらの方が脚本は先に出来上がっていたということらしいが。

 スプラッタな要素の強いホラー・テイストではあったが、どちらかと言えば、笑いの方が強かった印象。
 そして映画愛も盛り込んだ作品だったな。

/5

監督:ヤング・ポール
出演:三浦貴大、成海璃子、板垣瑞生、永尾まりや、原嶋元久、寺中寿之
   篠原信一、川瀬陽太、柴本幸、森下能幸、手塚とおる、麿赤兒
於:新宿シネマカリテ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 19-308「セイビング・レニン... | トップ | 19-310「エンド・オブ・ステ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本映画」カテゴリの最新記事