22-212「ＮＯＰＥ ノープ」（アメリカ）

半年間同じ雲を見ている
　田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。
　ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。
　兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。（「作品資料」より）


　「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督の最新作。

　田舎町で広大な牧場を経営するヘイウッド家。

　ある日、空からの落下物によって父親が死去する。

　息子のＯＪはその際に何かを空に見た気がする。

　妹のエメラルドと共に、その映像を撮影し、大金を手にしようと考える二人であったが、それは二人の想像を超える程の脅威であった。

　牧場の空、雲の中に潜んでいる何か。

　ただ撮影して有名になって、傾きかけている牧場経営を立て直そうと考えていたＯＪとエメラルドであったが、それは想定以上に恐ろしいもの。

　あり得ない、最悪の奇跡を描いた話であるが、この空に潜むものの話に対し、途中、９８年に起こったチンパンジーの事件が描かれたりする。
　これが何を意味していたのか、ちょっと判らなかったな。

　しかし、徐々に空に潜むものの脅威が明らかとなる中で、ＯＪとエメラルドは、カメラマンのホルストや電気店の店員、エンジェルの協力を得ながら、最悪の奇跡の映像を撮ろうとする。

　クライマックスは命を賭けた展開となり、緊迫感も上がっていく。

　なかなか見応えあるＳＦスリラーであった。

/５

監督：ジョーダン・ピール
出演：ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、ブランドン・ペレア、マイケル・ウィンコット、キース・デビッド
於：新宿ピカデリー