CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-116「ザ・プレイス 運命の交差点」(イタリア)

2019年05月04日 22時18分30秒 | イタリア映画
怪物にエサをやる
 ローマにあるカフェ“ザ・プレイス”。そこに分厚い手帳を手にした謎の男が居座り続けていた。
 男のもとには、入れ代わり立ち代わり訪問者がやって来る。男はどんな願いでも叶えることができるという。ただし、そのためには男が与える課題を遂行しなければならなかった。
 ところがその課題は、息子を癌の病気から救いたいと願う父親には見ず知らずの少女を殺せ、アルツハイマーの夫を助けたいという老婦人には人が集まる場所に爆弾を仕掛けろ、視力を取り戻したいという盲目の男には女を犯せ、といったあまりにも支離滅裂で非情な無理難題ばかりだったのだが。(「allcinema」より)


 〝ザ・プレイス〟というカフェに居座り続ける男。

 彼の元には入れ代わり立ち代り男女が訪れ、願いを伝える。
 そして男は、その願いを叶えるための課題を彼らに与えていくが、それは支離滅裂で、犯罪行為や倫理観にもとるものばかり。

 果たして男は何者なのか。そして願いを叶えたい者たちは、男に与えられた課題を遂行するのか。

 
 ザ・プレイスというカフェの奥の席に座り続ける男。
 物語は、そこに訪れる者たちとの会話だけで綴られる、ワンシチュエーションの話となっている。

 男は分厚い手帳を持ち、願いを告げる者たちに対し、その手帳を見てから何をすべきかを伝える。

 息子との関係を修復したい刑事には、誰かをしたたかに殴れ。
 美人になりたいという女性には、強盗をしろ。
 アルツハイマーの夫を治したいという老婦人には、爆弾を作り、それを仕掛けろ。
 神の存在を再び感じたいという修道女には、妊娠しろ。

 物語は、男と願いを叶えたい者たちとの会話だけで展開されるが、その中で、願望について、自分の中の悪について、そして課題の経過に関して口にされる。

 そんな中、与えられた課題が訪れる者によって相反するものになったり、課題の相手として選んだ人物が、それぞれ男の元を訪れた者同士であったりと、男が課題を与えた者たちの人生が交錯していく。

 果たして、課題を与えられた者たちの運命はどうなっていくのか。

 
 謎の男はカフェに居座り続け、閉店になっても出て行こうとしない。

 そんな男に興味を惹かれるのが、カフェの店員のアンジェラ。

 それにしても、男は夜中もずっとカフェにいたのかな。


 謎多き男と、彼の課題を遂行しようとする者たち。
 彼らがその全てを遂行すれば、どんなことが起こるのか。果たして課題自体を遂行するのか。

 ただ、話をするだけの展開の作品であったが、先行き興味深い作品であった。

 ラストは、ハッピーともアンハッピーとも、どちらとも言い難い結末だったな。

/5

監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ヴァレリオ・マスタンドレア、マルコ・ジャリーニ
   アルバ・ロルヴァケル、サブリーナ・フェリッリ、ヴィットリア・プッチーニ
   ロッコ・パパレオ、シルヴィオ・ムッチーノ、シルヴィア・ダミーコ
   ヴィニーチョ・マルキオーニ、アレッサンドロ・ボルギ、ジュリア・ラッツァリーニ
於:新宿武蔵野館

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