生きるならマシな場所で
イタリア移民の労働問題が叫ばれていた1920年代のボストン。靴職人のニコラ・サッコと魚行商人のバルトメオ・バンゼッティはともに護身用のピストルを携帯しており、それを見とがめた警察は彼らがイタリア人だと知るや、即座に逮捕。
2人はまるで身に覚えがない製靴会社の現金強盗殺人犯とされ、次々と提示される証言や証拠によって有罪の判決が下されてしまう。(「作品資料」より)
1971年製作、日本初公開は1972年。
今回〝エンニオ・モリコーネ特選上映〟の1本としてリバイバル上映されたもので初鑑賞。
もちろん4Kリマスター版であると共に英語版での上映。
舞台がアメリカ、ボストンということで、英語で話していることに違和感なかったし、イタリア移民のサットとヴァンゼッティたちはイタリア語を話すシーンも多々あった。
イタリア製作ということで、英語の部分がイタリア語吹替されていたものが、オリジナルになっていたのかな。
社会主義者やアナーキストたちへの弾圧が強かった1920年代のアメリカ。
そんな中、イタリア移民のサッコとヴァンゼッティは拳銃の不法所持で捕まってしまう。
そして、ある靴工場で起こった強盗殺人の犯人として告発されてしまう。
差別と偏見に満ちた裁判が繰り広げられる様が描かれる。
演出も入ってるだろうが、こんな裁判ありなのかと思うような酷い裁判が繰り広げられる。
果たして、この裁判の行方はどうなるのか。
途中、実際のニュース映像らしきものが流れ、もしかして実際の裁判かと思い、調べてみたら、アメリカ合衆国の歴史上の汚点と言われる冤罪事件であったんだな。
結末は言わずと知れるものとなり、やるせない気分にさせられる話であった。
音楽に関しては、ジョーン・バエズの歌う挿入歌や主題歌が印象的だったな。
ちなみに、本作製作6年後の1977年に行政は冤罪を確定したが、司法は冤罪を認めていないらしい。
/5
監督:ジュリアーノ・モンタルド
出演:ジャン・マリア・ヴォロンテ、リカルド・クッチョーラ、ミロ・オーシャ、シリル・キューザック、ロザンナ・フラテッロ、ジェフリー・キーン、ウィリアム・プリンス、クロード・マン
於:新宿武蔵野館
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