CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-168「Pearl パール」(アメリカ)

2023年07月12日 00時13分42秒 | アメリカ映画
もう欲しがらないことにした、今持っているものを大切にする
 スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。
 ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。
 そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。(「作品資料」より)


 「X エックス」に続くシリーズの第二作。

 前作で、殺人鬼の老婆として登場したパールの若かりし頃、そしてどのようにして殺人鬼となったのかが描かれる。

 田舎にある実家の農場で働くパールは、ダンサーとなって華やかな世界へ出ることに憧れる。

 しかし、厳格な母親はパールに農場で働き、病気で身動きできない父親の世話をするよう強いる。

 町へ出た時に映画館で映画を観たパールは、ますます華やかな世界へ憧れるが、それを知った母親は、そんな考えを持つのは無駄だと言い放ち、抑圧されていたパールの心が狂気となって爆発する。

 パールの気性を表すように、冒頭でガチョウを串刺しにし、近くの池に生息するワニに食べさせる。

 前半は、パールが置かれた状況と、そこから脱しようとする彼女の気持ちが描かれていき、特に母親の厳格すぎる言動は、これは反発してもおかしくないと思わされる。

 母親の言うことも納得できるところもあるのだが、娘に対する言動自体は行きすぎかなと思わざるを得ない。

 ついには暴発して、殺戮を重ねるようになるパール。

 果たして、パールは全てを切り捨て、憧れのダンサーとなれるのか。

 凶暴な殺人鬼となっていくパールの姿を描いているが、殺人を犯す時の狂気と、それでもどこか純粋さを見せるパールの姿に、違う意味で狂気を感じる。

 パールの狂気に惹き込まれていくホラーである。

 舞台は1918年、スペイン風邪が大流行していた頃ということで、街に出る際は、必ずマスクをするように、また病気を持っていないことが確認できるまで納屋にいるようになど、コロナ禍を思わせるような話もあり。

 シリーズ三部作になるということで、三作目は「X エックス」のその後になるのだろうか。

/5

監督:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット、タンディ・ライト、マシュー・サンダーランド、エマ・ジェンキンス=プーロ
於:TOHOシネマズ日比谷

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