CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

18-053「羊の木」(日本)

2018年02月24日 11時36分14秒 | 日本映画
人が肌で感じることは、たいてい真実です
 過疎化が進む港町・魚深市の市役所に勤める月末は、上司から新たな移住者6人の受け入れ手配を任される。性別も年齢もバラバラな6人だったが、やがて月末は彼らがみな仮釈放された元殺人犯であることを知る。
 彼らの転入は、犯罪者の更生と過疎化対策の一環として、この町に10年間住み続けることを条件に刑期を大幅に短縮して釈放させる政府の極秘プロジェクトによるものだった。
 もちろん、そんな新住民の過去は一般市民には一切知らされることはなかったのだが。(「allcinema」より)


 国家プロジェクトとして、仮釈放された元殺人犯の転入を受け入れることになった魚深町とその担当である月末一。

 男女6人の元殺人犯を受け入れることになるのだが、果たしてどのようなことが起こるのか。

 元殺人犯ということは伏せて、町に受け入れ、働き暮らすことになるが、やはりどこか言動におかしなところを匂わせる。

 個人的には、そんな元殺人犯たちが事件を引き起こして、町全体が危険に晒されるようなサスペンスかと思っていたのだが。


 元殺人犯はそれぞれ抱えているものがあり、何かしら恐怖に怯えていたりもする。

 そんな中、杉山という元殺人犯は、退屈な町で10年も暮らすことに嫌気を感じ、同じ元殺人犯に声をかけ、何かを起こそうと目論んでいる。

 逆に宮腰は、人当たりもよく、月末とも親しくなり、一緒に楽器を奏でるような仲となる。
 しかし、月末がずっと恋している石田文と宮腰が付き合うようになり、月末の心境は複雑なものになる。

 そんな中、町で死体が見つかり、月末は元殺人犯である彼らを多少は疑ってしまう。


 元殺人犯に、死体の発見などサスペンス的要素はあるが、どちらかと言うとヒューマン・ドラマとしての要素が強い作品だった。

 後半からクライマックスは事件が発生し、月末と文が巻き込まれていくような展開にはなる。

 一番ヤバそうな人物と一番そうではなさそうな人物に何かが起こるという展開。

 元殺人犯であるそれぞれのキャラと辿り着く場所、そして引き起こされる展開が興味深い作品であった。


 〝羊の木〟というのは西洋に伝わる伝説の植物らしく、元殺人犯の栗本清美が拾った缶のふたに、その絵が描かれている。
 
 死から芽生えるものもある、そして再び希望はあるということが、そのふたと最後のシーンに表されていたのかな。

/5

監督:吉田大八
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平
    中村有志、安藤玉恵、細田善彦、北見敏之、松尾諭、山口美也子、鈴木晋介、深水三章
於:池袋HUMAX CINEMAS

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 18-052「殺人者の記憶法」(... | トップ | 18-054「スター・ウォーズ ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本映画」カテゴリの最新記事