花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

バレンタインデーの思い出

2023-02-13 | 思い出
これは、walk-seasonさんから発掘してもらった10年前の過去ログです。

       
    A Valentine Surprise
 
 平成20年2月14日の一年生の授業でのことです。
 二限目のチャイムが鳴って教室に入ると、生徒は相変わらずストーブの周りでガヤガヤしている。
 「騒々しいぞ。早く席に着け!」と言って、教卓に行くと、大きなハートマークのケーキが置いてあるではないか。
 「おお、この手作りのチョコは誰の作品?」と聞くと、女子生徒が全員手を挙げて、「ハーイ。わたし、わたし、わたし」と競い合っている。
 振り返ると、男子生徒が黒板にメッセージを書いていた。
「この世でたった一人だけ。出会って、オレがオレらしく変われて、嬉しくて。かけがえのないOnly one. We Love Mr. ゆ~」

 素敵な贈物だった。照れくさくて、ろくにお礼も言わずに授業に入ってしまったけど。素敵な生徒たちだったなあ。あれから15年以上も経ってしまったけれど、皆どうしているだろうか。30歳になった彼ら彼女ら、全員がそれぞれ幸せになっていて欲しいなあ。
 みんなの幸せを願って、幸福を呼ぶ黄色い福寿草を贈ります。
今日は令和5年2月13日

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初恋、一声、戸隠の山

2023-01-06 | 思い出
sakurako62(さこ)さんが発掘してくれた読者0人だった過去ログです。

初恋、一声、戸隠の山

 今から70年近く前のお話です。
 高校2年生の夏、学校登山で信州の戸隠山に登った。男女共学になってまだ三年目の我が高校は(ちなみに、このときの校長先生は、雅子皇后さまの尊祖父、小和田毅夫おわだたけお氏である)、2年生300名のうち女子はたった25名だった。
 私は同級生の和枝に淡い恋心を抱いていたが、当時は異性と話すことなど皆無(ご法度)だった。

 戸隠山の最難所『蟻の塔渡り』に出る『胸突き岩』の岩壁を、4~5名ずつのパーティーで鎖を頼りに登っていく。
 女子のパーティーの最後尾に和枝がいた。彼女は岩場の真下にいる私の10メートルほど上をのろのろ登っていた。
 「お~い、早く登れよ!」思いとは逆に、乱暴な口調になった。
 「ゆ~くんこそ、ぐずぐず言ってないで、早くおいでよ~」
  ・・・確かに和枝の声だった。
 嬉しかった。僕の名前を知っていてくれたこと。声をかけてくれたこと。
  ・・・しかも、あの甲高い声。
 ただそれだけだった。そんな時代だった。
そして、次に彼女と声を交わしたのは、30年後の同期会の席だった。

コメント (10)
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