花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

緩和ケアは『メリーゴーラウンド』で

2022-08-29 | 雑記帳
「奇跡を生む病院」(2)
昨年の夏、腸ねん転で入院した時のエピソードです。

私の向かいのベッドに尿管結石らしい年配の患者が運ばれてきた。
3~4人の看護師が付き添っているらしく、カーテン越しに彼女たちの会話と病人の呻き声が途切れ途切れに聞こえてきた。
「体温は?」
「39度9分です」
「処置を急がないと・・・」
突然、看護師たちの声のトーンだ上がって、アニメ動画の森の妖精のような声色になった。

  ~♪ドレミ~、♬ミミミ~
「ミヤモトさ~ん、聞こえていますか?」
「針を入れますよ~、我慢してね~」
森の妖精になった看護師たちは、『回転木馬』のメロディーで合唱を始めた。

ぐるぐる回る回転木馬、ぐるぐる回る王子様。幼い王子は木馬に乗って森の中を駆けていた。ピョンと兎が跳び出した。ヒヒーン、木馬は前足跳ね上げた。
ビューンと小石が飛んできて、王子の脇腹貫いた。
「痛い!」

森のニンフが、駆けつけた。
「治療は任せてください、王子様」
「処置をしますよ、王子様」
「あらら、血管が見えないわ」
「右がダメなら、左でどう?」
「やっぱりダメだわ」
「どれれ、わたしがやってみる」
「痛いですよ、我慢しててね、王子様」
「泣いてもいいけど、王子様、絶対に動かないでね」
「イタイッ!」
 
どすの効いたソプラノが、「ダメ!動かないで‼ さあみんな、しっかり押さえていてちょうだい」

「うまくいったわ。これでOKよ」
「もうすぐ楽になりますからね、ミヤモトさん」
 
「いもり池」と山頂雲隠れの「妙高山」

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認知機能検査

2022-08-21 | 雑記帳
県公安委員会から「認知機能検査のお知らせ」が届きました。

高齢者運転免許更新の『認知症検査』を受けるのはこれが3回目です。
一週間後の8月27日(土)に、最寄りの自動車学校で講習・実技・筆記検査を受けます。
筆記検査のメインは、「イラスト記憶テスト」です。
(予め過去問などを勉強しておかないと、高齢者には中々答えられない)
講師が説明する動植物など16種類の『物』を頭に入れて置いて、10分後くらいにその名前を(ラジオ、ライオン、ぶどう、にわとり、ばら・・・などと)書くのです。  

この16種類ひと組のセットがA,B,C,Dの4パターンがあって、当日はどのパターンが出るか分かりませんが、16種類×4で64種類の『物』の名前を完璧に記憶していれば満点がとれるはずです。                         (一つも答えられないと、多分免許更新は無理か)
そこで私は、認知症の予防(リハビリ)を兼ねて、全てを暗記し、万全を期して検査に臨むことにしました。

本日、これから高校時代の定期考査直前のような猛勉強を開始します。
                       がんばるぞ~っ!
悲しいかな、10分前の記憶は花火のように消えてしまいます。


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奇跡を生む病院

2022-08-15 | 日記
ちょうど1年と一か月前、腸ねん転で近くの県立病院に入院した。その時の体験談です。

   奇跡を生む病院
 カーテンで仕切られた隣のベッドの患者は、ベッドに横たわったままで殆ど言葉を発しなかった。看護師が大声で話しかけても、耳が遠すぎるのか、活舌が麻痺しているのか、「阿(あ)とか「吽(うん)」とか言うだけだった。

 夜の9時に、見回りの看護師さんが来て、「タナベさ~ん、お星さまがいっぱい出ていますよ。お山とお空がとっても美しいわ。」と言ったが、田辺さんは、「うん」とも「すん」とも応えなかった。

 病室の東窓からは、袴岳(はかまだけ)と斑尾山(まだらおやま)が手の届きそうな所に見えていた。

 翌朝6時に、看護師さんが、窓のカーテンをサッと開けて、「今日は快晴ですよ、タナベさん」と言うと、奇跡がおきた。

 田辺さんがしっかりした声で応じたのだ。
 「ああ、お山とお空がとっても美しい。」
 看護師、「今日は17日よ、関山の火祭りだわ。」
 田辺さん、「わしが演舞を舞った日も、奉納相撲を取った日も、お空は
今日のように美しかったなあ。」
              妙高山
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私は脊椎美人?

2022-08-08 | 日記

 今日(8月3日火曜日)に、ブログ『愛は線香花火』を書き終えて立ち上がろうとしたら、腰に痛みが走った。
すぐに治るだろうと思って、マッサージチェアに身体を埋めて、大谷の活躍を見ようとBSチャンネルを入れたが、女子トライアスロン世界大会だった。

 腰痛が我慢できないほどひどくなってきたので、ついにギックリ腰の前兆がやって来たと心配になって、車で5分ほどの県立病院へ行った。

 先ずはレントゲン室で、足や腰を曲げたり伸ばしたり、いろいろのポーズをとらされての撮影。
 「ハーイ、足の角度はそのままで上体をもう少し左に倒して、息を止めて。パチッ。」
 女性の撮影技師に「まるでグラビアの撮影みたいですね」と言おうとしたが、不謹慎な爺さんだと思われたくないので、笑いをこらえて沈黙していた。

 火曜日担当の整形外科の医師は、私よりも10歳ほど年下で70歳代の
先生だった。
 私の脊椎のレントゲン映像を指しながら、「これは立派な脊椎骨ですねえ。
ほう、83歳ですか、80歳を越えてこれほど整然とした脊椎を持っているのは、初めて見ましたよ。特に、この腰椎の辺りはまるで若者と同じですね」

 なるほど、確かに私の5本の腰椎は、くっきりと等間隔で、整然と美しい白色で並んでいた。
 きっと、あのレントゲン技師の優れた撮影技術のお蔭だと思う。

 結局、私の腰痛の原因は、庭と畑の草取りや草刈りで蓄積された腰の疲労
ということだった。(治療は、軟膏と2週間分の飲み薬だった)

 そして、徐々に痛みがとれて、1週間たった今日、8月8日(月)は、
「よいしょ!」と言わずに立ち上がれるようになりました。


 

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愛は線香花火

2022-08-02 | 学校教育
平成時代の高校生
愛は線香花火

 There used to be a tall pine tree here when I was a boy.
(わしが子供の頃、ここには大きな松の木があったんだよ。)

「used toは、過去の状態を現在と対比させて言い表す技法で、
『以前は~があったものだが、今はもうない』という気持ちで訳します。
あの松の大木でさえ、今は無くなってしまった。
考えてみれば、永遠なものなんて存在しないのかな。Never foreverなんだなあ」
と言ったら、瞳が、
「せんせい、愛は永遠です」と言う。
「そうかな。愛だって線香花火のようなものだよ。
闇夜にぽっと、微かに燃えて、火花がはじけて、すぐに散ってしまう。
大切にしていたものだって、いつかはなくなってしまう時がくる。
儚いなあ、無常だなあ」

「今日の先生は、ちょっと変ですよ。どうしたの?奥さんと喧嘩ですか?」と瞳。
「えっ?う~ん。というよりも、あの3.11以来オレの価値観が崩れちゃってさ。人間不信っていうより、自分不信状態なんだよ。
でも、線香花火って、好きだなあ。ぱっと美しく火花を散らせて、もう少し待っていてくれ、と思っている間に消えてしまう。愛も人生も線香花火なんだよなあ」

「わたしはスターマインがいいです。やっぱ、花火はスターマインです」と、
いつも、いつも前向きな瞳さんでした。



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