地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

岩手乗物縦断 (14) JRバス白樺号

2020-03-28 00:20:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 渋民と沼宮内の間で奥州街道を歩いていますと、地元の各集落から丹念に客を拾う岩手県北バスとは別に、美しい青白塗装のJR東北バスが駆け抜けて行きます。その名は、盛岡と久慈を結ぶ「白樺号」! 全く有料道路に入らず、全て下道を行くバスとしては、日本有数の長距離路線として知られています。もちろん、距離面でも所要時間面でも、大御所の奈良交通・十津川特急バスには全く及びませんが、とりわけ沼宮内から葛巻を経由して久慈に抜けるまでの間は、白樺の森が広がる人煙稀な高原をひた走るという点で、十津川特急とはまた違った興趣があると思われます(乗っておらずスミマセン ^^;)。



 とはいえ、近年は車社会化の影響が大きいだけでなく、東北新幹線の八戸開業以来、北福岡改め二戸と久慈をダイレクトで結ぶ路線があるため、所要時間と東京へのアクセスの両面で、白樺号は不利な状況となっています。沼宮内乗換は二戸乗換と比べて美味しくないですから……。そこで、見たところ客の数も少なく……伝統ある路線が減便を重ねて行くとしたら寂しいことです。
 なお白樺号は、何だかんだで下道を走りますので、例えば文学好きな方が盛岡から渋民宿の石川啄木記念館を訪れるような場合には、非常にラクで便利です(IGRの渋民駅から石川啄木記念館までは徒歩で25〜30分ほどかかりますので、白樺号でなければ岩手県北バスがオススメ)。私も、渋民宿から一旦盛岡に戻って一泊し、翌朝渋民宿に来る際には、白樺号が一番速くて便利だなぁ〜と思い、時刻を調べました。ただ、如何せん本数が少ないため、行動予定とはうまくかみ合わず残念でした。

岩手乗物縦断 (13) 岩手県北バス沼宮内線

2020-03-24 21:50:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 IGRいわて銀河鉄道は発足以来、盛岡=滝沢=好摩=いわて沼宮内間の列車をなるべく手厚くすることによって、盛岡都市圏北部の旅客需要を取り込み、滝沢〜沼宮内間の田園地帯に住む客にもサービスに努めています。その一端は、たとえば活発な駅の改装、そして利用客の動向に合わせてなるべく窓口を営業することなどに表れています (その結果、何と小繋・斗米・目時駅を除いた全駅に硬券入場券があり、券売機のない駅では常備硬券発売!)。
 しかし、如何せん東北本線を継承しているだけに、盛岡近郊を除けば新駅を設置して沿線客を何としてでも取り込むというほどではなく、駅間が非常に (?) 開いている方が常です。そこで、鉄道駅まで遠く離れた所に住む奥州街道沿線住民のために、岩手県北バスの盛岡=沼宮内線が走っています。



 この路線、盛岡バスセンターから、沼宮内市街の北端にある沼宮内営業所まで、概ね1、2時間間隔で運行されており、予め時刻を調べておきさえすれば、そこそこ便利です。そして、奥州街道を歩いた初日の夕方、下渋民から盛岡駅前まで利用してみたところ、盛岡市街においては基本的に急行運転ですので(滝沢駅にほど近い盛岡大学から北においては全てのバス停で客扱い)、下道を走る結構な距離の路線の割には、そこそこ速く感じられます。
 車種ですが……岩手県北バスも岩手県交通と同様にボロバスで来ないものかと期待していたものの、この盛岡=沼宮内線は見た限り、必ずキレイなエルガで来ますので少々ガッカリ ^^;)。もっとも、今や古いエルガが大量に地方のバス会社に流入する時代ですので、これもまた時代の流れというものでしょうか。
 ちなみに1枚目は、南から奥州街道を歩いて岩手川口の街に入るところ、2枚目は、岩手川口の街を抜けて姫神山を振り返ったところで撮っています。岩手川口は静かな宿場町の面影を残し好印象でしたが、IGR新駅舎の外観がなかなか奇抜で度肝を抜かれました (中は非常に快適で、これまたびっくり仰天)。



岩手乗物縦断 (6) 岩手県交通@盛岡

2020-01-10 19:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 岩手山をバックに国道4号線をキュービックが行く。



 盛岡の中心・岩手銀行赤レンガ館前を行く8E。



 岩手銀行赤レンガ館すぐ北の古い商家をかすめるエルガミオ。



 松園発バスセンター行のキュービック、旧街道を行く。

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 昨年初夏の奥州街道歩き鉄・撮りバスは、水沢の南の陸中折居で701系を撮って以来、開店休業状態のまま歩き続けて紫波中央駅に達し、一旦撤収しました。踏切や陸橋を通っても列車が来る時間には当たらず、途中で泊まった北上では疲れ果ててホテルから駅まで出歩かず、北上・花巻界隈でも雨に降られてまともな撮りバスの機会もなし…… (苦笑)。
 しかし、昨年秋に再び岩手県を訪れ、紫波中央を振り出しに北へと向かい、盛岡市内を歩いてみますと、さすがに県都ということで中心街と近郊を結ぶバスがそれなりに多数走っています。そのうち岩手県交通は、盛岡北部の滝沢・松園界隈から南で路線網を展開しており、ほとんどのバスは彩度の高い国際興業現行色でやって来ます。エルガ・エルガミオが増えているのはご多分に漏れませんが、二段窓キュービックもまだまだ来るのが良い! とりわけ、松園営業所管轄路線はキュービックの比率が高いように思われますし、彩度の低い旧塗装車もそれなりに現役で頑張っています。しかしいずれは、キュービック天国(?)・松園営業所管轄路線にも大きな変化があることでしょう。それがエルガ中心で進むのか、それとも散見された神奈中エアロスター (今回は撮影出来ず残念!)中心で進むのか、今は「神のみぞ知る」でしょうが……。

 ちなみに今回、盛岡バスセンターを楽しみに訪れたところ、再開発で影も形もなく更地となっており、バスセンター前の道路に置かれたバス停がバスセンターを名乗っていました。嗚呼……。

岩手乗物縦断 (4) 中尊寺前の虹

2019-12-18 09:06:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 主要路線の車両は二段窓キュービックが未だに主力の感がある岩手県交通・一関地区ですが、もちろん他の車種も走っています。ご多分に漏れず、エルガやエルガミオが増殖を始めているのは否めないところですが、一方では単発で (?) 移籍して来たと思われる車種が神出鬼没でやって来ることもあり、なかなか濃厚な世界であると思います。
 というわけで、奥州街道をトボトボ歩いて、全800km超の中でも最大の見どころと言っても良い平泉界隈の名所旧跡をめぐり、最後に中尊寺金色堂を見物して再び門前に戻ってくると、前沢イオンモール行きの日野レインボー来たぁぁっ!



 一関地区の二段窓キュービックは、最早近い将来の廃車が前提で、彩度の低い旧塗装に加えて錆が浮きまくる満身創痍の姿ですが、このレインボーはやはり二段窓であるというのに、彩度の高い新塗装もピカピカで、何やら中尊寺の宝物と比べても宝物としての輝きがビンビンに感じられます (笑)。後日ググってみたところ、みちのくに流れて来る前は、千葉県内で活躍しいていたとか。ちょうど信号待ちモードでしたので、とにかく速攻でシャッタースピードと絞りをいじり (常にマニュアルで撮ってます)、動き出したところで怒濤のズーミング連写! 充実した平泉観光の最後の最後に、なかなか濃いぃ撮りバスを楽しんだ充実感とともに、間もなく「衣川の合戦」で知られる一帯を歩き、高台にある今宵の宿で岩手の名産に舌鼓を打ちつつビールを傾けたのでした。
 このあと、前沢・水沢・北上・花巻でももちろん岩手県交通のバスを見かけていますが、ちょうど良い場所とタイミングを得られなかったため、撮りバスは盛岡近郊に着くまで省略です (^^;

岩手乗物縦断 (3) 一関キュービック晴天

2019-12-09 20:40:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 淡い芽吹きに包まれた岩手県交通一関営業所にて、ゴロゴロ居並ぶ二段窓キュービックに感激してから約1ヶ月半後の初夏、再び新幹線で一ノ関駅に降り立ちまして、平泉・水沢・北上・花巻を経て紫波中央まで100km超を歩いたのですが、その初日は良い天気に恵まれたことから、ほど良い順光でキュービックを激写することが出来ました♪ 満身創痍なのがモロ分かりで、先は長くなさそうですが……それだけに良いタイミングで撮影出来て本当に良かったです☆



 一関から平泉までの区間は、松尾芭蕉『奥の細道』の最北端区間ですが、その足跡をたどってちょうど平泉町に突入する際にもキュービック様がやって来て気分は最高! このあと、平泉の町の中では、駅を振り出しに主な観光スポットを巡回するバス「るんるん」が運行されていますが (一日乗車券を買うとかなりお得)、さすがに東北きっての大観光地だけにオンボロ・キュービックは運行されておらず、年式の新しい中古車が運行されていますが、そのうちの一台は神奈中エアロスターで感激しました♪ このあと盛岡市内でも神奈中エアロスターを見かけましたので、今後岩手県交通において元神奈中は重要な戦力となって行くのかも知れません。


柳之御所跡(奥州藤原氏政庁)の脇にて。
ドアがある左サイドを撮りたかったですけど、またいずれ。
(今後増えそうですし)