古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

日本人間ドック学会と健保連のメガスタディ

2014-04-17 15:00:16 | 日記
こんにちは。
古森病院@福岡市博多区です。

今日は患者さんにも関心の高い
日本人間ドック学会と健保連による健康診断の基準値がずれるかもしれないという
話題について 触れたいと思います。

新たな健診の基本検査の基準範囲
日本人間ドック学会と健保連による150 万人のメガスタディー

http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%94%A8PDF%EF%BC%88140409%E5%B7%AE%E3%81%97%E6%9B%BF%E3%81%88%EF%BC%89.pdf

健診に行くと、結果及び判定の紙をもらいますが(生活習慣病の方ほど
あまり読んでおられません)いわゆる基準値と言われる値(正常と思われる人の
集団で血圧や血液検査項目など各々の項目がだいたい納まる範囲の数値)を
参考に、値の基準値からのはみ出し具合に応じて、A判定(正常)からB,C,D,E,・・・など
様々な判定が下り、それを参考に未治療の方は治療に入ったり、経過を観察したり、ということになります。

今回はその基準値がもしかして、従来言われているものより
緩和されるかもしれない ということで(異常者が従来より少なくなる)
大きな話題を呼んでいます。

ちなみに上記資料は中間報告書のような位置づけのようで、従来のガイドラインの見解を崩すものではない、
また数年様子をみるものである という記載がなされています。

例を挙げると 従来血圧は129/84までが基準値だったものが
147/94まで許容する。
BMI(体重(kg)/身長の二乗(m2))については
従来 25までが基準値だったのが 男性は27.7まで許容する。

などなど です。

血圧などをどこで正常と異常の線引きの値とするか というのは
いろいろ統計的に解析をしてみても 万人に当てはまるものではありません。

個体差があるため(のか運がいいのか不明ですが)、高血圧を放置していても
何も起こらずに平均余命を超える方は珍しくありませんし、(もっとも平均余命を超えた後に
何かが起こることももちろんあります)
その逆として脳卒中や心筋梗塞を起こし、
救急車に乗ってやって来られる方たちの中には 生活習慣病の既往を持つ人が多いことも事実です。

いろいろ物議を醸し出している今回の報告書ですが、今後の追跡調査の
展開を楽しみにしている管理人です。年配の方に「これをしても、あれをしてもダメ」と
いうのは心苦しいので・・・。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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療養病床でリハビリが出来にくい理由

2014-04-07 23:05:08 | 日記
今晩は。
古森病院@博多区対馬小路です。

今日は、当院の入院打診時面談で患者様御家族様から 質問断然トップの
「当院入院後のリハビリテーション」について いつも私が
御家族様に説明している内容をUPします。

当院に転院の打診で紹介されてこられる方は、在宅介護や在宅医療が
難しい方ばかりです。歩ける方は当然ながら、殆ど居られません。
歩ける認知症の方は グループホーム入居がよい適応で
療養病床には不向きです。
在宅からの直接入院は稀にありますが、当院外来通院中の方が
一時的に肺炎になったり(肺炎が治れば退院)、博多区のクリニックの先生から、
高齢で介護が必要になったが、急性期病院や回復期リハビリテーション病棟の
入院を御家族様が希望されていないので、そちらに入院をさせてほしいと直接
リクエストがあるケースです。大半の方は急性期病院に入院後、
回復期リハビリテーション病棟に移られ、その後あちこちの病院を転々とされた後か、
医療行為が必要で、あちこちの老健や特別養護老人ホームに断られ、医師や看護師の
常駐している長期療養病床適応ということで紹介されてこられる方です。

厚労省は在宅医療を推進しているので、在宅に繋げるために
急性期病院や回復期リハビリテーション病棟、今度の診療報酬改定で
名前の変わった地域包括ケア病棟(旧亜急性期病棟)にはリハビリテーションの
報酬を手厚く配分しています。また在宅強化型老人保健施設という在宅への移行率が
高い老人保健施設については、リハビリテーションの点数を手厚くするというよりも
介護報酬そのものの点数が高く、医師も常駐しなくてよいので
人件費の面から リハビリテーションスタッフを手厚く配置できる
ことが出来ます。

それに比して、当院のようなロングステイ病棟については、リハビリテーションの
報酬は微々たるものです。当院は死亡退院あるいは御家族様希望の方は急性期病院への搬送退院が
退院の殆どを占めます。在宅に繋がらないため、厚労省はリハビリテーションの
点数を長期療養病床にはあまりつけません。昔はもう少しリハ報酬を出していたのですが、
国の財政が悪化しているので削ってきています。

こういう事情は、当然ながら、患者様の御家族様にはわかりません。
わからないことは仕方ないのですが、入院後にリハの回数で揉めることが少なくありません。
何しろ今までいた回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟ではリハビリを手厚くして頂いて
いたのに、急にリハビリの回数が少なくなる(というか激減する)とは何事か、ここまで回復したのに
手抜きではないかと、お叱りを受ける羽目になります。

仕方が無いので、転院打診面談で毎回「国におカネがないので、厚労省は在宅に戻られる方にしか
手厚いリハビリテーション報酬を出しません。うちのような病院はリハ報酬をあまり頂けないのです」と
患者様の御家族様に、ご説明申し上げる羽目になる管理人です。
胃の痛いことです。




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ハッピーそよかぜ

2014-04-06 15:29:38 | 日記
こんにちは。

古森病院@博多区対馬小路です。

新しい人事スタートの時期になりました。
当院も4月1日付で医師構成ががらっと変わっております。

病院管理者(私)と皮膚科の非常勤医師(九大皮膚科からの派遣)以外は
ほぼ変わり、常勤医師に新たに古森正宏医師が着任しました。

古森医師の経歴は後日、ホームページ上にアップしますが
九大放射線科に入局、専門は消化管です。

当院の内科非常勤医師は、従来、九大神経内科から
週一回水曜日の午後に派遣して頂いておりましたが、さらに
新たに週二回、九大呼吸器科から火曜日午前中と
金曜日午後に医師が派遣されることになりました。
偶然ですが、新しく派遣される内科医師は神経内科派遣医師を含め、全員女性です。

男性医師は日勤帯は古森医師と、皮膚科の非常勤医師のみになりました。

内科の開業医で女性は珍しいらしく、たまに「女性だと聞いたので
来院した。」と外来患者さんに言われることもあります。よく 「竹を割ったような性格だ」と
評される管理人が、女性医師に一般的に求められる
ニーズにあっているかどうか良くわからないのですが、他の女性医師の
女子力に期待したく思っております。

さて、本題に戻ります。
消費税増税直前の3月末に、当院は
ハッピーそよかぜ(高反発マット、褥瘡に効果ありとされる)を導入しました。
直接のきっかけは、当院の病棟の電動ベッドが何台か
老朽化により壊れたことでした。これを機に、低床ベッドであるフランスベッドを新たに
導入し、同じ台数分、現在外部レンタルしている褥瘡エアーマットをハッピーそよかぜに
してみました。ハッピーそよかぜは、広島県呉市のハッピーおがわさんで制作されたもので
管理人は福岡市の有名な 宅老所よりあい 下村代表の本で知りました。

ハッピーおがわ
http://www.happy-ogawa.com/

宅老所よりあい
http://yoriainomori.com/

うちの病棟は、自称「皮膚科病棟」でもあり、転院時、ボロボロと皮が剥けていた
患者さんの皮膚が綺麗になったりすることがあります。
また、褥瘡を持っておられる患者さんも少ないようです。
「ようです。」というのは、他院からうちに転職されてきた
看護師、あるいは保健所や福岡市の立入検査時に役所の方に(役所の方は
非公式に)そういわれることがあるからです。
現在、九大皮膚科からこられておられる医師は九大の褥瘡外来の医師で
非常に熱心です。患者さんの全身状態が良ければ、他院からの持ち込み褥瘡が当院で治ることも
珍しくありません。それでもどうにも軽度の皮膚剥離や発赤を繰り返される方がおられ、
数枚ではありますが、ハッピーそよかぜの導入で、今後どうなっていくのか非常に興味があります。

ハッピーそよかぜですが、
個人的には洗えて、蒸れないというのがよいと思っています。
介護施設で導入しているところはありますが
病院で導入しているところは珍しいです。

またいつか、経過を載せたいと思います。

ハッピーそよかぜ
http://www.happy-ogawa.com/?pid=31637491


古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/



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