古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

認知症サポーター養成講習

2015-09-30 10:54:02 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先日、ある職員の認知症に関する外部講習の感想レポートを読んでいて
「ん?」と思いました。

当院入院患者さんの大半は大なり小なり認知症を抱えておられます。
毎日接しているのだから、当院職員たちはだいたい疾患について理解しているのだろう・・と
管理人は勝手に思っておりました。

しかし、、、レポートを読んでいて それが独りよがりの考えということを感じました。
人の資質や今までの職場経験などで、認知症に対する理解度が病院職員(医療職)であっても
人それぞれバラバラということに 改めて気づきました。

管理人個人も、精神科でも神経内科医でもないのでとくに認知症のタイプについて
正確に診断することはありません。治療はいろいろノウハウがありますので
及第点かどうかはわかりませんが
そこそこやっています(もっとも入院患者さんのみの治療です)。
対応も、自然に覚えたという感じです。職員の中には講習を受けてなくても
対応が非常に上手な人が少なくありません。

それでもやはり自分を含め、教育が必要だと感じました。
福岡市に連絡し、今年中に認知症サポーター養成講習を病院ぐるみで受けることに致しました。

担当行政の方には「療養病床からの申し込みを待っていた」と言われました。
病院で、認知症サポーター養成講習を受けるところなど少ないのでしょう。
しかしうちはロングステイ病院ですので、患者さんと接する時間がご家族様なみに長いです。

介護保険施設なので、じきじきに行政医療職の方がみっちりご指導くださるそうです。
もっとも養成講座受講だけですべてが解決できるほど、認知症は甘くありませんが・・・。
オレンジリングがもらえる日を楽しみにしています。

  認知症サポーター養成講座 企業向けチラシ
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/46601/1/syokuiki24.5.18.pdf

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認知症のお客様、ようこそ スーパー・銀行、広がるサポーター育成

朝日新聞 (本紙記事より)
2015年2月17日
【久永隆一】 いま、スーパーや銀行で「認知症サポーター」の研修を受けた従業員が増えています。認知症の人に合わせた接客方法を学んだ人を育て、企業は超高齢社会に対応しようとしています。


写真
イオン幕張新都心店には、認知症サポーターがいることを知らせる掲示板がある=千葉市美浜区


 イオン幕張新都心店(千葉市)。店員のネームバッジに、オレンジ色のロバのシールがはってある。認知症サポーターの目印だ。「連日、パジャマを買いに来る」「店内で一緒に来た家族とはぐれ、迷子のようになってしまう」。イオンの各店では、認知症の症状をうかがわせる買い物客が増えているという。07年からサポーター養成をはじめ、パートやアルバイトを含め約4万8千人が受講した(昨年2月)。

 サポーターになった幕張新都心店の女性店員は「お客様と接していて認知症である可能性を感じたら、ゆっくりと話し、内容も簡潔にするように心がけている。落ち着いて対応できるようになったと思います」と話す。

 サポーターの研修はおおむね1時間半かけて、記憶力や判断力の低下といった特有の症状などを学ぶ。自治体が住民向けに開くほか、企業が社員向けに開くことも。企業では、具体的な場面を想定して、適切な接客方法を探るグループワークに取り組む例もある。


■困った経験67%

 金融機関でも近年、サポーター養成の動きが広がる。三井住友銀行が本格的に取り組んだのは、2014年10月から。課長級以上の約600人に研修をした。受講者へのアンケートでは、67%が認知症とみられる顧客の対応に困った経験があったと回答した。

 「通帳がなくなったと繰り返し来店する」「残高がおかしい。銀行が不正操作したんだろうという、事実ではないクレームを受けた」といった声があったという。支店独自の養成も含め、サポーターは計約1400人になる。

 みずほ銀行は2012年5月から取り組む。担当者は「若いお客様はインターネットでの振り込みを使う傾向にある。来店客に占める高齢者の割合は高まっており、認知症への対応は欠かせない時代だ」と話す。15年3月末には、支店のロビー担当者ら計3千人以上をサポーターにする計画だという。

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2015 ケアマネージャー試験

2015-09-20 13:47:11 | 
古森病院@福岡市博多区です。

当院ケアマネ受験生に受験勉強の指南を行うことになり、
効率的な勉強方法を求め、本屋さんに行ってみました。

管理人は受験勉強マシーンの過去があり
(笑、そのわりには大した大学には合格しませんでした・・)
参考書にはうるさいです。

そこの本屋さんのケアマネ参考書コーナーにて

①介護支援専門員基本テキスト 長寿社会開発センター
(6000円台 何しろ、これが教科書なので)
②U-CANのケアマネージャー これだけ!一問一答&要点まとめ 2015 1500円プラス税金
③ケアマネージャー試験 らくらく暗記マスター2015 中央法規 1400円プラス税金

②③を軸に暗記し、全貌はところどころ①をみて、予想問題集を解けばばっちりかと。
余裕があれば2冊するといいと思いますが、1冊でもオッケー。

受験勉強の常として(東大合格者も言っています)
①基礎的なことが網羅された 同じ問題集を5往復はする。
②その後、発展的な問題集を何往復か。
もちろん理解している問題を、またする必要はありません。

わからないところは考えても無駄なので、先に回答を見たほうがよいです。
(ケアマネ試験では当然)次からは解けるようにすること。

今回から範囲が全範囲ですね。
つくづく去年合格していてよかったです。

受験生の皆様のご健闘をお祈りしております。
とくにうちの病院の受験生たちは受かってもらわないと困るのですが・・(笑)

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高齢者虐待について

2015-09-15 12:39:53 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、痛ましい高齢者虐待のニュースが報道されています。

誤解を恐れずに言えば
虐待については、当院含め、どの施設でも発生し「う」ると思っています。

管理人個人的には

①人目に触れずに介護をし得る環境は、
職員から入居者への虐待に関して敷居が低くなる。(管理人は虐待防止の観点だけで言えば 
厚労省が誘導中のユニット型個室には懐疑的です。)
②トップのモラルが低いと 虐待が起きやすくなる。
③職場が恒常的に人手不足(少人数)で、いらいらしていると拍車がかかりやすくなる。
④職場の風通しが悪いと 虐待が起きやすくなる。
⑤抑制を安易に行う環境では 虐待が起きやすくなる。
⑥精神的に不安定(気質、余裕のないプライベート環境など)な状況の職員は 
虐待者となりやすい。
⑦患者さんに意識障害があると、被虐待の対象になりやすい(訴えることができないので)。
⑧患者さんに認知症があると、被虐待の対象になりやすい(手がかかるので)。
⑨職員にセンス(認知症研修を受けていなくても、その人を理解しようと思う気持ちがあれば
ある程度 上手に対応できる)がないと虐待への敷居が低くなる。


がリスク要因と思って居ます。

全介助の患者さんが多いので、介助や移乗や入浴の時に椅子やストレッチャーに
当たってしまい、打撲痕ができることもありますので、打撲痕=虐待とは言えないのですが・・
副腎皮質ステロイドホルモンを飲んでいる方、血液サラサラの薬を飲んでおられる方は
どこも打撲していなくても容易に出血する傾向があります。
点滴や採血などで皮下に青あざができることもあります。

当院では、
①夜勤人数を手厚くし、人目があるようにする。
②抑制をできるだけ回避し、人権を尊重する風潮を作る。
③監視カメラの部屋を作っており(10人分)、被虐待の可能性がある方は
その部屋に入れて録画撮影し、監視下に置くこととする。(幸いまだ対象者はいません)
④原因不明のあざが続く場合、予めご家族にお話し、病院が把握していることを
職員にも周知させる。
⑤役職者同士でコミュニケーションを密にとる風潮の養成。
⑥就業規則に 虐待を起こした場合について、対象職員が懲戒処分となる旨を
規定として書き込んでいる。
⑦年に一回は、人権擁護の講習を外部講師にお願いして行っている。
⑧打撲させた場合は、罰則を伴わないことを周知した上で、報告するよう
義務付けている。

ご家族の方が不審に思われるなら、施設側にお問い合わせいただければと思います。
良心的な施設であれば、真摯なお問い合わせにはきちんと対応すると思います。

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「りょーよーがた」でお願いします。

2015-09-02 19:37:47 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、当院に入院を決められた方に
入院理由をお伺いしています。

断トツトップは「アクセス」
その次は「りょーよーがたで、長く入れるから」とのことでした。

当院はアクセスは非常によく、天神からは
目抜き通りが混んでなければ、バスで5分ほどです。

患者さんの居住区も拡大傾向にあり、福岡市内ならば天神までの
アクセス手段が豊富なので、特に車を運転されないご家庭の方に喜ばれています。

続いて「りょーよーがた(療養型)だから」ということですが・・

最近 国の予算がないため、患者さんはとにかく在宅の方向へと向かわされ
(国が診療報酬を操作し、そのように誘導)当院のような療養型病院は、
地域医療連携室から自動的に御紹介されることは少ないです。

******************************************

   現行システム
(高齢者の方が加齢、脳卒中、整形外科的疾患,認知症、進行性難病疾患などに罹患し、
寝たきりになられた時)

                  急性期病院        
               
               診療報酬(入院費用)は高いが 
               せいぜい一か月しか入院できない。
       (高い報酬は一定期間が過ぎると激減)
       
               ↓
  
    
                  地域包括ケア病棟     
                  回復期リハ病棟

              診療報酬は上記の急性期よりやや少ないが、
              地域包括ケア病棟は2カ月
              回復期リハ病棟は6カ月くらいしか入院できない。
        (同上の理由で)
      
                     ↓

                  在宅強化型老人保健施設 
                  医療型療養病床(在宅復帰機能強化型病棟)  

              報酬は比較的高め
             (ただし限度あり)。
           リハビリを行い、
     3か月ほどで在宅に返すことを目標としている。
                          
                     ↓
 
  在宅(自宅、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅 その他)

******************************************

  この順番で進むことが一番、いろいろな施設側に報酬が取れるシステムとなっています。
  逆にいえばこの順番でないと特に高齢者の方は家に帰れない人が多いから、そうなっている
ともいえます。

  この仕組みに、当院のような療養型病床
 (うちは「在宅復帰機能強化型病棟」ではありません)は入っていません。
  理由は「在宅に繋がらないから」
  しかも、昨年度から診療報酬が改定され、当院のような施設に急性期病院などから
  ダイレクトに来られる患者さんがある一定レベルを超えると、
  紹介元に診療報酬減というペナルティが来ます。

  この仕組みは事情を知らない人には非常に複雑で、難解なシステムです。
  診療報酬がかかっているので、患者さん側から「療養型にしか行かない」と言わないと、
入院元の地域医療連携室も自動的には紹介しません。
勢い、患者さんはよくわからないまま あちこち動かれることになります。

  最近は、要介護状態の高齢者の方が増えて 勢い、当事者になるご家族も急増しています。
  いろいろな事情で在宅に帰れないご家庭は、複雑な国の仕組みはご存じなくても、息子さん世
代がネット世代でインターネットで長期に入院できる施設を調べたり、
  当事者ご家族も増えておられるので、口コミで「りょーよーがたに行くって言わないと、
家で見ないといけなくなるわよ」
  と言われ「療養型」の意味はご理解いただけなくても、言われた通り、地域医療連携室の
ソーシャルワーカーに「りょーよーがたでお願いします」と言われる方も
増えてこられました。さらに「りょーよーがたの中にもずっといれるところと
そうじゃないところがあるから、しっかり聞かないとだめよ!」のアドバイスも
受けておられます。
  (本当にお詳しいです・・)

  最近になって、認知度が上がってきた「療養型病床」。
  厚労省は当院のような在宅に繋がらない(在宅をブロックしているわけではありません。
ニーズがないからですが。)
  療養型病床を出来るだけ少なくしたいという強い意向があり、
今後どうなっていくかよくわかりませんが
  在宅が難しいご家庭のアシストが出来るように、やって参りたく思っています。

  病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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