古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

どちらが障害者か

2016-07-27 05:11:21 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

神奈川県相模原市の障害者施設で
痛ましい事件が起きました。

ご遺族や施設関係者の方々の心情を
考えるといたたまれない気持ちです。

加害者は、報道によればその施設の
元職員で、在職中におかしな言動が
目立つようになり、一時措置入院に
なったとのことですが(一部報道では
麻薬使用の既往症もあると)

大量殺人を行い、世間の耳目を集める
ことが目的の方は 日頃 自身が虐げられた
思いを卑劣なやり方で晴らすことが
多いように思いますが、今回の事件は
その場所が無抵抗の人々が過ごす
入所施設であったというところが
施設内虐待の最たるものであり
報道を見たときは
施設管理者の立場として、絶句して
しまいました。


障害者は死んでしまえ、と
同じく障害を背負っているであろう
加害者が発言しているところに
深い闇を感じます。

亡くなられた方々のご冥福を
お祈り申し上げます。

http://komori-hp.cloud-line.com

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医療と介護の連携 その2

2016-07-18 09:13:29 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先日のことですが、
立て続けに 在宅推進関係の方(正確に書けますが、ブログなので詳細を控えます)
別の日に某包括のケアマネの方とお話する機会がありました。

昨今の在宅関係の方との連携を聞かれ

「介護職や社会福祉士の方にもっと病気のことを知ってほしいんですよね・・・」

たとえば精神疾患のこと。

例を挙げると、抑うつの人にデイを勧めるのとか 本当にやめてほしいです。
「気晴らしに行きましょうよ」ってそういう問題ではないのです。
抑うつの人は疾病の特殊性から 人と話をするのがおっくうなので、デイとか本当に向いてないです。
それでも抑うつの人って 結構「き」真面目だったり、逆らう元気がなかったりするので 
迎合して「はいはい」と返事をしてしまうため デイに無理やり連れていかれ
結局ぐったり疲れて 早ければその日のうち あるいは数日後~数か月後にリバウンドが来たりするんですよね。
そうなるとてこでも動けなくなるので、ようやく関係者もあきらめるのですが
デイに行かずに済んで 静養して すこし本人の状況が良くなったら
またしつこく 勧誘が始まるんです。そしてぐるぐるぐるぐる・・・(振り出しに戻る)
どこがケアマネがサービスを調整する役割を果たしているのか、国に問いたいです。

これは介護保険制度設計にも問題があるかもしれません。
デイを入れたほうが お・か・ね になるようになっているんです。
いいじゃないですか、訪問で。デイはデイが向いてる人だけがいけばいいんですから。

どうかすると医者でも精神疾患に理解のない人がいるのが恐ろしいのですが(さすがに管理人世代以下の人には
少ないと思います。昔は医学教育体系上も精神科分野はなっていなかったので)
皆さん、認知症も含め 精神疾患について もっとお勉強しましょう。
役に立たない現行ケアマネの更新講習のメニューに精神疾患についての講義をぜひ入れてほしいと切に願っています。
精神保健福祉センターの所長さん(精神科医)とか 喜んで講義してくださると思いますよ!

管理人も機会があったら行政にも働き掛けていきたいです。
ケアマネの端くれとして。

ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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最近読んだ本 その6くらい

2016-07-06 12:22:42 | 
古森病院@福岡市博多区です。

本好きを公言する管理人ですが
今日は働き方についての本をご紹介いたします。

ちょっと前の本ですが、

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ずんずん (管理人は ちょっと「ちきりん」さんに似ているように思います。女性です。)

エリートに負けない仕事術 ~超ブラック企業の元OLが、世界一の外資系企業で活躍するまで大切にしてきた「仕事のキホン」~

外資系OLは見た! 世界一タフな職場を行き抜く人たちの仕事の習慣

商社マンは今日も踊る

外資系はつらいよ OLずんずんが見た資本主義帝国♪の全貌 単行本(ソフトカバー) – 2012/12/1

ずんずんさんの東洋経済オンライン上での連載
http://toyokeizai.net/search/author?category%5B%5D=TK%3E%E8%A8%98%E4%BA%8B&category%5B%5D=TK%3E%E5%A4%96%E5%A0%B1&author_name=%E3%81%9A%E3%82%93%E3%81%9A%E3%82%93

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みうらじゅん

ない仕事の作り方

上記本の紹介文
http://clockworkapple.me/?p=23900

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就職で福岡に出てきて、慣れない「都会」暮らし(福岡は「都会」ではないと思いますですが・・)に
疲れて 5~6月に体調を崩す若者の受診が後を絶ちません。

この方たちの本を読んで、発想を転換しましょう。
そういう問題でない方もいますから、一概には言えませんが、
働き方を考える一つの視点でもあります。

悩んでいる方々の参考になれば幸いです。

病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/




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フルミスト2016-2017 について

2016-07-03 12:32:32 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

昨年 当院で初めて導入したフルミスト(インフルエンザ経鼻生ワクチン)ですが
CDC(アメリカ疾病予防管理センター  Centers for Disease Control and Prevention 日本の
国立感染症研究所みたいなところです。)が
先月22日付で 2013-2014 and 2014-2015におけるアメリカでの小児の成績が 
不活化ワクチンに比べてフルミストが良くなかったことを
理由に 今年のフルミスト接種に関して「勧奨しない」という声明を出しました。
http://www.cdc.gov/media/releases/2016/s0622-laiv-flu.html

ちょうど6月20日に フルミストの輸入申し込みをしていた当院でしたが
薬剤師さんに「勧告が出ています」とのことで、うーーん困った
キャンセルできないみたいだし・・・と思っていたところ、輸入業者さんから
CDCの声明が出たので、キャンセルしても構わない旨の連絡があり
ろくろくCDCの勧告を見ていなかったのですが、一旦キャンセルいたしました。

アメリカの成績が日本で当てはまるか
わからないのですが、何分 日本では認可されていないので
成績の出しようがありません・・・。

去年は一昨年同様
少なくとも福岡市ではかなりの大流行でしたので
不活化ワクチンもいまいちの感じでした。

まあ、わからないものは わかるまで
様子をみるというのが、この手の話題のセオリーですので
(ヒトパピローマウイルスワクチンの如く)
今年は見送るか・・・・

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昨年度シーズンの日本におけるインフルエンザウイルス流行株の内訳
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/iasr/Byogentai/Pdf/data95j.pdf

昨年度はA型が前半はやって、B型が立ちあがって だらだら流行しました。
A型は Influenza virus A H1pdm09   2009年に大流行した新型インフルエンザウイルスがまた昨年度流行したようですね。
B型は Influenza virus B/Victoria
Influenza virus B/Yamagata   が流行したようですね。

昨年購入したフルミスト2015-2016のワクチン株は
A/Bolivia/559/2013 (H1N1) (an A/California/7/2009 (H1N1)pdm09-like virus),
A/Switzerland/9715293/2013 (H3N2)
B/Phuket/3073/2013 (B/Yamagata/16/88 lineage)
B/Brisbane/60/2008 (B/Victoria/2/87 lineage)

http://www.azpicentral.com/flumistquadrivalent/flumistquadrivalent.pdf#page=1

一方で昨年度の国内不活化ワクチン株
    A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
  B型株
    B/プーケット/3073/2013(山形系統)
    B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2319-related-articles/related-articles-429/6071-dj4298.html

これを見ると、生ワクチン、不活化ワクチン共に
ワクチン株と流行株はまあまあ当たっているように
見えますが、系統が一致してもサブグレードまで一致しないと
インフルエンザワクチンはあたらないとよくいいますね。Bの流行株の詳細はいつも発表されませんが
(ビクトリアと山形までしか発表なし)何か詳細が発表できない理由があるのでしょう。

少し前から卵馴化という ワクチン効果が乏しくなる現象が知られるようになり
インフルエンザワクチンウイルスが鶏卵を用いて培養されることから トピックスとなっています。
http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-151111.pdf#search=%27%E5%8D%B5%E9%A6%B4%E5%8C%96%27


肝心のCDCが成績の参考にした、一昨年度とその前の年度の
ワクチン株と流行株の違いがどれくらいあったのかについては 見つけられませんでした。

一方 第一三共株式会社はフルミストの日本での独占販売権を フルミストを製造している会社の親会社である
アストラゼネカ社と締結したようです。

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http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/2015

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インフルワクチン、鼻にスプレー 第一三共が申請へ

2016/2/19 23:23
日本経済新聞 電子版

 第一三共は鼻にスプレーして使うインフルエンザワクチンを今春に承認申請する方針だ。英製薬大手のアストラゼネカから導入したワクチンで、主に子供向けの接種を想定している。欧米では注射のような痛みを感じなくて済むスプレー式のインフルエンザワクチンが普及している。承認されれば日本で初めてとなるスプレー式のワクチンとして広く使われそうだ。

 承認申請を予定しているのは米国で「フルミスト」という製品名で使われて… (以下電子版のため なし)

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日本での成績は 認可後にはっきりわかるものと思われます。
うーーん、やっぱり 輸入どうしようかな・・・。
結構 キャンセルしているクリニックも多いし、逆らって輸入するという
手も・・・などと悩んでおります。

病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

追記  その後、カナダからフルミストがインフルエンザ発症予防に効果があったという論文も出まして(3価ですが)
    フルミストを結局 発注することといたしました。

Annals of internal medicine.Aug 16.2016
No difference between Flu Shot and Nasal splay in study of hutterite children.

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