古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

最近読んだ本 その8

2016-08-28 16:07:16 | 
古森病院@福岡市博多区です。

ホワイトハンズという団体をご存知でしょうか?
主として男性重度障害者の性欲処理(正確に言えば射精介助)を行っている団体です。
女性重度障碍者の性欲処理介助は行っていないそうですが
その理由は 当事者からのニーズがないこと(女性は性交渉に精神的な結びつきを求めることが多く
即興的な関係へのニーズが少ないから)とのことでした。
一般的に行われている男性向け性風俗サービスとは介助方法が異なるようですが、
その詳細は今回の記事の趣旨とは異なるので割愛します。
きちんとした理念で運営されており、キワモノ団体というわけではありません。
射精介助は男性の尊厳の維持のために行われているそうです。

ホワイトハンズホームページ(トップページだけ見てもキワモノ団体との区別が
よくわかりませんので あちこち見てあげてください。)

http://www.whitehands.jp/menu.html

代表理事の坂爪真吾さんは東京大学のご出身のようですが 元もやい代表で、貧困家庭支援を行っておられる湯浅誠さんも東京大学ご出身で
たまたまなんでしょうけど、世の中で本当に困っている人たちに光をあてて活動されている貴重な人たちだと思います。

その坂爪真吾さんの本
「男子の貞操」という本を読む機会がありました。

この本は 男性が男性の性についてお話されている至って珍しい本です。
同種の本に 森岡正博さんの「感じない男」という本もあり、この本も興味深かったです。
ただ「感じない男」のお話は森岡先生個人のお話がおおかったのですが、「男子の貞操」については
男性全般のお話が含まれているという点で 管理人的にはこちらの本に軍配が上がります。

男性は画像の女性を記号(年齢や恰好、スタイルとか
。。女子高生とか 後は言いたくありません。。。)で分類することが多いが

その記号の発生源は
お上の規制によるもの(生物学的な理由で近親婚を禁止、
児童保護のために18歳未満との性交渉やそれに関するあれこれを規制、
婚姻関係の責任感を持たせるために、不倫当事者が離婚裁判上 非常に不利に扱われるなど)が
原因となっていることが多く

それに伴い、商業ベースで大量のタブー破りの記号メディアが溢れ、
(思春期)男性は生身の女性に触れる前に メディアばかりに触れる→
その結果 男性が女性を中身より記号で選ぶ方向に誘導される→
しかし当然ながら 生身の女性は一人の考えを持つ個人であるので
男性の独善的なイメージとはずいぶん異なる→
関係性を深められず 女性を一人の人間として尊重して付き合うことが難しい傾向となる

これでは将来的に何かとまずいよね、、ということで お話が続いていきます。

対照的に 女性が女性の性について語っている本というのも
ないわけではなく 例えば 
女性AVレーベル代表 牧野江里さんの「女子の保健体育」という本もあります。
この本も結構面白く 男性からの間違った女性観を押し付けられている当事者女性はもちろん
男性にもぜひ読んでほしいと思う本でした。
女性の性については口にするとはしたないというイメージも多く、また
女性は自分の性について他人に語ったりしないことが多いので、なかなか一般化して本にすることも難しいと思います。

こういう本がもっと増えて、男女間というか男性が一般的に女性に抱いている考え違いも甚だしく妄想とでもいうべきイメージが
少しでも本来の方向に向かうといいなあ と思います。本来の方向に向かうと婚姻率が下がるのかもしれませんが
現状でもすでに別の意味で婚姻率が下がっているので。。

管理人は女性ですが、(日本の)男性の発言の中に女性をモノ扱い(具体的には女性を中身は問わず、容貌や年齢、雰囲気だけで判断)している
内容が含まれていたり、女性の性について訳知り顔に語る男性がいることに違和感を覚えていました。多数派というわけではないのですが
一般的に社会的地位が高いと言われている男性にそういう人の割合が多いような気がします。
女性の性について訳知り顔に語る男性は 医者にも結構います。医学的知識があるという根拠?のせいか 自信満々ですが
しばしば的外れで(男性は女性ではないのでわかるわけがないのですが)聞いていて吹き出しそうになることもよくあります。
誰か訂正してやってほしいと思いますが(自分でいうのは面倒くさいのと変な突っ込みが返ってきそうで嫌です・・・)、
自己陶酔して延々自慢気に語っている姿を見ると、訂正する気も失せますし
自分に関係なければ このまま永遠に勘違いさせておいた方が何かと都合がいいのかもしれません。
もっとも、こういう管理人のような考え方を持つ女性が多いことも 男女間の溝を深くしている理由なんでしょうけど・・・。

納得の二冊でした。

ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/


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知られざる攻防

2016-08-15 13:51:30 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先日の神奈川県の県立障碍者施設事件の報道が
いまだ 断続的に続く中、先だってお役所からの
お達しが参りました。

(通達がすみません。
見つかりません・・ 要するに 夜間の防犯をしっかりしてくれという
旨のお知らせです)


さて、みなさんはご存じないでしょうが
医療機関含め、床面積が一定以上で、公共性の高い建物には
消防の定期的な監査が入ります。

http://www.city.sapporo.jp/shobo/yobo/setsubi/setsubi/tenken_seido.html

この監査が毎回 喧嘩のもとになるのですが

昨年言われたこと

①当院の鍵が 外側からはともかく、
内部からもカギを使わないと開かないようになっているのは
けしからん。内側からは簡単に開けれるようにしなさい。

②当院の中庭への避難経路上の扉も建物内側から簡単に
開かない仕組みにしているのはなぜじゃ。庭への通路なのだから開け放しにしておきなさい。
災害でパニックの時は 簡単に開錠できないと大変なのじゃ。


あの~

夜間、患者さんが勝手に院外に出ていかれたら その方の身(や健康)の安全を保障しかねます。
(過去 認知症ではない患者さんが逃走し、強制退院としたことあり)

うっかり施錠し忘れて 不審者に侵入されても困るので、そのような運用にしておりますが
いけないんでしょうか。

防犯対策と防火対策は相入れないんです。

消火器と消火栓を買え、感知器をつけろ、防火扉は感知器と連動しているかチェックしろ(これは行政の縦割りのせいで(建築基準法と消防法のどちらにも書かれていないチェック項目でした)
先日の福岡の整形外科の火災発生前まではノーチェックだったんです。信じられません。)
簡単に消防に通報できる器械をつけろ、挙句の果てにスプリンクラーをつけろだの何だのそこまで言っておいて、カギまで開け放つんですか?

「事情はわかるんですけど・・」と言われつつ 毎回 改善策を提出させられます。

まあ、カギを夜勤職員が複数持つとか そんな話ですけどね。

次回監査時は不毛なやり取りが減ることを祈ります。

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最近読んだ本 其の7

2016-08-09 12:22:20 | 
古森病院@福岡市博多区です。

皆さんもご存知かもしれませんが
医者業界というのは 男性の方が比率は多いです。

最近でこそ、女性の比率が上昇してきましたが
それでも新卒者の4割あるかないかでしょう。

管理人も卒業時は女性は学年で2割前後でした。
3割行くと 女子医科大と揶揄されたものです。

長い前置きはこれくらいにして

男性の多い中で仕事をしていると
男女の考え方の差に戸惑うことがよくありました。

例えば

管理人は気弱な方ではありません(笑)。
昔から 気が強い(ついでにお酒も強いと思われていますが、
まったく飲めません(笑))というか
「しっかりしてるね」と他の方から言われる場面の多い子供ではありました。
本人はそういう自覚はあまりなく、うっかりしていて
他の人にフォローしていただく場面も多いのですが。

気弱でないせいか、管理人の周りには 管理人には何を言っても構わないと思っている
男性同僚や上司が少なくありませんでした。

管理人は平和主義者であり、何もされていないのに自分から
人に嫌味をいったり罵倒したりすることはありません。

しかし、男性医師の中には 管理人が何もしていないのに 喧嘩を売ってくるような
発言をしてくる人が少なからずいました。
さすがに多数派ということはなく、職場に一人か二人くらいですが・・。

どうして、この人は私に嫌がらせみたいなことばかり言うのだろう。
私が何かしたのだろうか。。?

振り返っても思い当たることはなく、適当にその場をお茶を濁して(向かっていくことはほとんど
ありません。平和主義者なので)過ごしていました。

不思議なのは、意味もなく絡んでくる方の中に
管理人に悪意を持っている人もいたのですが
(いわゆる虫が好かないということだと思います)
そうでない人も結構いたことです。そうでないというのは
好きだとか告白されるとか(笑)そういうことではないけれど、
嫌いではないという程度のことですが。

先日、管理人は

「ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術」 阪急コミュニケーションズ バルバラ・ベルクハン

という本を何気なく買いました。(すごい題名です・・が、ただのノウハウ本ではなく、結構面白い本でした。)


何とそこに 長年の謎を解明する文章がありました。


男性と話すとき――――女性に

だれかがあなたを挑発し、つまらないことを言ったり、からかったりしたとします。(中略)相手は男性でしたか?
(中略)あなたがそれを好まないことは知っています。(中略)でも男性というのは、時にはこれをやりたいものなのです。
(中略)男性というのは、力比べをして、どちらが強いか知りたい生き物なのです。これは単に面白いだけでなく、
ある種の安心感を与えるからです。掴み合いをし、じゃれあい、どちらが強いかチェックし、ボスは誰かをたしかめることは、
男性にとっては、女性にとってよりはるかに重要な関心事なのです。(以下略)


えええ?

管理人はこの文章を読んだ時に、子犬とか子ライオン、子ザルなどがじゃれあっている風景を思い浮かべました。
年長から思春期くらいまでの男の子もよくやってます。

そうだったのか・・・
大人になっても ちっともやっていることが変わらないじゃん!

不惑を軽く超え、天命を知る年に近くなって 
ようやく知りました。←← 遅いんだよ!と言われそうですが...

男性同士でそういうことをやっているのはよく見かけますが 深く考えたことがなかったことや
またやっているというくらいの認識で 個人の性格(性格がねじ曲がった人といいましょうか)の
問題と思っていました。
個人の性格の問題にしては、妙に割合が高いのですが、、、。

ジャンルを問わず、本を読んでいると何才になっても発見がありますね。
墓場まで謎を引きずらずに済んで(笑)よかったです。
もっとも、前述の本には「男性全員がこういう傾向というわけではなく、こういったことを
嫌う男性もいます。」とも書かれてあり、管理人の実感から言ってもその通りだと思います。

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ありがとう!医療通訳サービス(アジア医療サポートセンター)

2016-08-02 15:22:44 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先日、当院にアジア外国籍の旅行者の方が来られました。
単独で来られており(ツアーなどではなく)急病のため
ホテルから診療可能か 問い合わせが来ました。

英語は片言だけ会話可能とのこと。

博多港に近い当院はたまたま2年前に福岡アジア医療サポートセンターに
利用登録をしておりました。本当は医療ツーリズムのお客さんを当て込んで発足したようです。

旅行者の母国語が英語ではないので、初めてでしたが電話通訳をお願いいたしました。

結果、どうにかこうにか主訴を聞きだし、してほしいことをお伺いして対応できました。

日本のイメージがかかっていたので(大袈裟ですね)必死です(笑)。

当院は幸い 院内調剤ですので、薬の説明も院内でスムーズに行えました。
一包化とし、日付と内服時間を記入。レギュラーの薬と有症状時のスポットの薬を分けて袋に入れ、
記載いたしまして、なんとか喜んで帰っていただけた・・・ように見えました。

以前に、医療通訳サービスのアンケートが来ていたのですが
その時は利用したことがなかったので、アンケートに書くことがありませんでした。

本当に助かりました。
ipadの英語翻訳にも助けられました。

有難うございました。いいサービスだと思います。もっと時間を拡大していただければ
救急の人も助かるかと思います。

病院ホームページ
http://komori-hp.cloud-line.com/

アジア医療サポートセンター
http://webtv.pref.fukuoka.lg.jp/ja/movies/detail/2888

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