古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

コロナ対策振り返り その2

2021-05-25 08:54:59 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先月末に当院職員が新型コロナウイルス抗原検査で
陽性となり、その後 職員一斉検査にて 院内クラスターは
否定され、通常業務に戻ったわけですが、先般の院内感染対策委員会にて
振り返りを行いましたので、情報共有いたします。

・物品が意外に足らなかった。また予め購入していた物品も置くところがなかったので
屋上の倉庫に置いていたため、いざという時にスムーズに取り出せなかった。

・連絡網が一斉メールと一斉ラインになったので、正確な情報共有が
出来て良かったが、みてない人もいた。(一斉検査の電話で知った人もいた)

・全患者さんと全職員のPCR結果通知が限られた場所に大量に来たので
出力段階で当該機械の紙詰まりやインク切れを起こした。

・動線が交差しないように内線電話でやり取りしていたが
限界があり、業務用PHSを別途 活用したほうがいい。できれば連絡係を
一人つけたいところ。

・マニュアルを作成していたが、新型コロナウイルス関連のファイルに
綴じこんでいたので、大量の情報に埋もれてしまい、すぐに出すことができなかった。

・感染廃棄ボックスも思っていたよりも足らなかった。
また防護服をそのままゴミ箱に入れるので、中表にして小さく丸めて
捨ててほしい。(すぐに満杯になってしまう)

・入院患者様の御家族様への説明内容の文面があったので、御家族様の連絡がスムーズに
対応できた。

・今回の職員について、受診した時点での連絡がなかったが、熱発の職員の時に
いちいち連絡しておらず、プライバシーの問題もあり、どこまで情報を出すかが難しい。

・フェイスシールドの規格がいまいちで、顔からずり落ちる。
防護服作業がかなり暑かった。

・今回職員発症のため、ゾーニングせず、検査結果が出るまで 全員でのPPE着用となったが
どこで防護服を脱いだらよいのか(例えば職員自身のトイレや飲食、職員冷蔵庫使用など)
よくわからなかった。

・食事時に病棟別の食事になっていないので、常日頃の動線が病棟間で交差している。

・出勤・退勤時の動線を画一したほうがいい。

・ガウンがすぐにやぶけた。

・クリーニング業者と取り決めで 院内感染発生時に
外注洗濯物にアルコール噴霧を行うことになっているが、
噴霧器が足らなかった。

・全員のPCR検査を行うのにあたり、名簿作成に手間暇かかった。

・給食部門では マスク、フェイスシールドと防護服で皿洗浄をしていたが、
心情的に手袋がほしいと思った。居残りシフト人数の柔軟な変更があると良い。
また感染病棟は立ち入らないが、非感染病棟とされる病棟の立ち入りをどうしたらよいか迷った。

・各部署の防護服の在庫数の確認が必要。

・レセ締めの期間であったので、事務職員が感染病棟にどうやって
情報を取りに行くかを 閉鎖期間によっては考える必要がある。(当院が紙カルテ仕様のため)

・外来担当の医師によって、当日受診した外来患者さんへの対応の仕方に
温度差があった。

物品については補充、購入し、またシステムについては
各部署と話し合って、随時決めていく予定です。

今回2回目の対応ですが、クラスターに発展してはいないものの
毎回課題が残るなあ と思いました。

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苦い思い出

2021-05-21 23:56:56 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

大規模接種会場へのアルバイト出動の
アンケートを今日も紙ごみに投げ込み
(当院には医者は二人しか居ません故)
ふと見たニュースに目が釘付けになりました。

大規模接種会場で針刺し事故のニュースです。
他の県ですが、一度患者さんに刺したワクチン接種後の
注射器をルールに則ってきちんと処分しなかったため
他の人に誤って 使用済み注射器で刺してしまったとの
ことでした。

思い起こせば 管理人が当院に着任して数年経った時
外来のインフルエンザ接種で全く同じことを
経験しました。
誤って接種したのは外来看護師でしたが
(現在は退職しています)
システムを構築していなかった管理人にも
責任がありました。患者さんには謝罪し
感染検査を2回行って 幸いなことに針刺しによる
感染はありませんでしたが、今でもその方の血液を
保存しています。。。

現在は足踏み感染ボックスを設置し
針を使用する場所には必ず置いています。
針刺し事故を防ぐには 使用済み注射器を
速やかに視界から消し去るのが一番です。
(則ち使ったら即 ゴミ箱行き)
お針箱カートも導入しており
ベッドサイドの処置も同様に出来る態勢にしています。

参考までに申し上げますと
間違って大事なものを感染ボックスに
うっかり捨てることもあるので

感染ボックスには火バサミが必須です。
(針山に手を突っ込むのは 危険です)
当院では、すべての感染ボックスに火バサミを
付けています。

大規模接種会場で、そこまでマネージメントして
くれているのかな。。
人の注意力には限界がありますので、その事を見越して
環境構築するのが一番で、医療安全では必須の
考え方です。

医師会と自治体の担当者の理解をお願いしたいところです。

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院外医療従事者への接種 

2021-05-17 13:18:06 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先週水曜日 寝耳に水の手紙が
福岡県と福岡県医師会の連名でやってきました。

******************************************
話は1か月ほど前に遡ります。

当院は連携型医療機関と言って、当院以外の医療従事者に
新型コロナウイルスワクチンの接種を行う医療機関に手を挙げていて

3月末に 区の医師会から連携型のweb会議をするので 参加するようにと言われ
参加しました。
そこでリストが配られ、そのリストには各連携型医療機関に紐づいた 
院外医療従事者の所属機関(当院は23でした)と
人数が書かれていました。

その会議では「院外医療従事者のワクチン接種の調整は、委託事業者(コールセンター)が行うので
連携型はそのリストに則って、ワクチン接種を行えばいい」ということを言われました。

そんなこと、コールセンターに出来るのかなあ。。と思いましたが
まあコールセンターがやると言わないと、連携型に手を挙げないだろうなあ。

と思っていた管理人でしたが。。。

その後 何の音さたもなく、4月下旬ごろにいきなり
「そちらの院外と院内の医療従事者の接種に必要なワクチン数を発注せよ」
という話がきて、
「院外の人間のスケジュールも聞いてないのに、わかるわけない」
と言ったのですが 何が何でも発注せよ と滅茶苦茶なことを言うので

「じゃあ院外3バイヤル(15人分)」と申し上げ
院外がキャンセルになったら 当院の職員に打つという方針を職員に説明しておりました。

すると・・・
いつの間にか、当院の発注分は 当院内の職員に打つ分になってしまっており
急きょ院内職員のスケジュールを組んで どたばたと接種が始まりました。

その際も「院外の人はどうするのですか?」と事務職の方が聞いていたのですが
全無視の状態であったところ・・・

******************************************

先週の水曜日「着」の手紙に 院外医療従事者のコールセンターによる手配が
破たんしたので、連携型に調整を行ってもらい、水曜日中に発注せよ。そして
ワクチン1回目を今月中に医療従事者に打て。

えええええええ?
何言ってんの?

慌てて数えてみると 120名近くいます。
事務の人は 年配者のワクチン対応に忙しいので、
外来のない管理人が 23医療機関に電話をかけまくり、
忙しいところ、無理を言って できるだけ6人一組のグループを
作ってもらって、何とか翌日にワクチンを発注。

本日から接種を開始しました。
何とか今月中に1回目のワクチンを打ち終わる予定です。。。

最近って、本当にめちゃくちゃですよね。
せめて1週間くらい猶予をくれませんか?
どこもぎりぎりでやってるんですよ。

そもそも期間を決めて、この期間内でお願いしますって
コールセンターのマニュアルに書いておけば、他の施設も協力すると思うんだけど
そんなこともちっともしないで 丸投げだから失敗するんですよ。

何でもすみませんって言えばいいってもんじゃありませんよ。
やり方が雑すぎるんです。
水曜日に手紙を寄こして 水曜日中の発注を要求する県医師会にも
福岡県にもさんざん文句をいいました。

あとワクチンが余った場合、当院の入院患者さんに打ちたいって
言っても 県(医療従事者)と市(高齢者 地域住民)の管轄が違うのでダメって
ワクチン代をどれだけ無駄にしたいんでしょう。

さすがに今回のことで しぶしぶ認めたというか
仕方ないという風でしたので、余ったワクチンは入院患者さんに打たせてもらいます。
これもこまかい調整が必要で、結構大変なんですけど・・・。
外来だけでは難しく 入院施設があって良かったです。

本日 西日本新聞にこの件が載っていましたので、
引用させていただきます。
方針を決める方々には、きちんとやれば もっとうまく行ったはずで
少しは頭を使ってもらいたいです!!!!!

怒りの治まらない管理人です。

*****************************************************
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/739309/

西日本新聞
2021年5月17日(月)

福岡


西日本新聞ニュース
九州ニュース
福岡
“放置”された医療者ワクチン 配送手配役の業者さばけず

福岡
社会
政治
医療・健康
“放置”された医療者ワクチン 配送手配役の業者さばけず
2021/5/16 6:00 (2021/5/16 11:44 更新)

下崎 千加

医療従事者向け新型コロナウイルスワクチンの移送の流れ
拡大

約7000回分の新型コロナウイルスワクチンを保管している超低温冷凍庫
拡大

医療従事者向け新型コロナウイルスワクチンの移送の流れ
拡大

約7000回分の新型コロナウイルスワクチンを保管している超低温冷凍庫

 新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が福岡県で滞っている。超低温冷凍庫のある拠点病院(基本型接種施設)から、医療従事者が接種を受ける中小規模の病院(連携型接種施設)への移送などを手配する県の委託業者がパンクしたためだ。拠点病院では大量のワクチンが眠ったままになっている。感染が拡大する中、医療従事者の4分の3が打てていない状況に、関係者から「接種計画が甘かったのではないか」との声も上がっている。

 医療従事者の接種は2月17日に全国でスタートした。ファイザー製は零下75度前後で保管し、2~8度の通常の冷蔵庫に移してから5日以内に接種しなくてはならないため、周到な段取りが求められる。

 福岡県は56病院を基本型に、618病院などを連携型に指定。県が業務委託した福岡市の広告代理店が地域の医療従事者の接種希望をまとめ、連携型と接種日程を調整し、基本型からの移送を手配する段取りだった。ところが2回目まで終えたのは7日現在、約5万2千人で、希望者約21万人の25%にすぎない。県によると、委託を受けた広告代理店の情報集約、手配業務が追い付かずワクチンの行き場が決まらないままになっているのが原因という。

 「みんな首を長くして待っているのに、大量のワクチンが放置されたまま『第4波』に入ってしまった。歯がゆく、情けない」。コロナ患者を受け入れている福岡市の拠点病院の医師が本紙「あなたの特命取材班」に訴えた。

 自身や同僚の接種は終えた。地元の中小病院やクリニックの医師や看護師、薬局の薬剤師、消防署の救急隊員用のワクチン約4千回分は、4月中旬から冷凍庫に保管されたまま。委託業者から一向に連絡がないため業を煮やし、電話をかけてもつながらないという。

 同市の別の拠点病院でも、4月上旬から中小病院向けの約7千回分を保管。連絡待ちの状態という。「医療機関のクラスター(感染者集団)を防ぐためにも一刻も早く打つ必要があるのだが」

 こうした状況を受けて県は10日、急きょ段取りを変更。委託業者ではなく連携型施設が、それぞれ地元の医療従事者の接種希望をまとめ、必要なワクチン量や接種日を委託業者にファクスで連絡し、移送してもらう手順に変えた。

 対応に追われているのは連携型施設だ。同県久留米市の中規模病院は13日、クリニックや薬局など約80カ所に片っ端から電話して希望を聞き取り、週末の22、23日に約400人に接種することに決めた。「ぎりぎりになって丸投げされた印象だ」と院長は憤る。

 平田泰彦福岡市医師会長は、高齢者の集団接種に携わるのに自身の接種ができていない医師もいるとして「今打っても抗体ができるのは5週間先。接種開始から3カ月たつのに今まで何をやっていたのか、県は検証してほしい」と求める。

 県の担当者は「接種希望の把握に想定以上に手間取り、業務が滞ったと業者から聞いている。こちらの事前準備が不足していたと言われても仕方がない。何とか5月末までに1回目を打てるようにしたい」と釈明している。 (下崎千加)

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残念なこと・・

2021-05-13 19:13:02 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

当院は今、非常に手薄な体制で、
事務職の方が一生懸命 新型コロナウイルスワクチンの
予約を取って、名簿を作成しています。

当院は高齢の入院患者様も多数おられ、また当院以外の医療従事者の先行接種も
来週から開始し、てんやわんやな日々を送っています。

年配の方はネット予約はできないので、
手作業でやっているのですが、受付時に
「キャンセルは出来ません。その条件で了解される方のみ
ご予約します。」とお話しし、了解された方のみ受付をしています。

それなのに 本日 堂々とキャンセルの電話をかけて来られた年配の方が
おられ、管理人が対応。

「キャンセルは出来かねます」
「その条件でのみお受けしています」

とお話ししたところ、

「病院のくせに 思いやりがない」
「自分のことばかり それでも医療従事者か」

という趣旨のことを言われ、

当方は全く悪くないのにも関わらず、腹に据えかねられたのか
2回も電話して来られました。

2回目は

「事情があるんです」
「深刻な病気だ」
「かかりつけがやってくれるんだ」
「子供達が心配して 予約したら重なってしまった」

あの〜〜
私たちが どんな思いで スケジュールをやりくりしているのか
全くわからないみたいですね。ジクソーパズル作業なんですよ。

と申し上げたら

「わかってるわよ!!」
「組み合わせしないといけないんでしょ?!!」
「他の人入れたらいいじゃないの!!!」

いやいや わかっている人は こんなことしませんから・・
2回目もあるんですし、みなさんにこんなことされたら
貴重なワクチンが余ってしまうんですよ。

「じゃあ最初からかかりつけでやって貰えばいいじゃないですか」
「どうしてうちにやってくるんです?」
「お子さんたちと よく話し合って、断られてから
きたらいいでしょ?」

と申し上げたら 「わかりましたよ!!」と言われ
電話を切られました・・・。

当院はかかりつけのいない人のことも考え
かかりつけじゃない人も受け付けていますが、
こういう態度は本当に萎えます・・

ただでさえ大変なのに
「自分のことだけ考えて」 複数の医療機関に何股もかけるのは
やめてください。

心からの叫びです。

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新型コロナウイルスワクチンについての現状

2021-05-06 14:27:47 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

マスコミ報道が先行し、実務スケジュールは
押しまくりのワクチン接種ですが、当院でも先月下旬にようやく
職員接種第1弾が始まりました。これも昏迷を極めた末のスタートです。
(説明会や通知が何回も来るのですが、内容が二転三転していました)

そしてそうこうするうちに 今度は地域住民(高齢者)への接種開始です。
噂によると、7月末までには終わらせるとか・・

いや~無理でしょう。

ワクチン接種の公設会場で 
接種のアルバイトしませんか?の応募用紙も回ってきますが、
どこの医療機関だって 自分のところが最優先に決まっています。
そもそも平日にどうやって参加するんですか・・?

年配の方にネット予約は無理なので、今日は電話がばんばんかかってきて
午前中は外線がパンク状態になっていました。

今回のワクチンの面倒なところは 1バイヤルが5人ないし6人分ということ、
3週間後に2回目を打たないといけないところ の2点です。

そしてワクチンは 人数が決まったところで ワクチンセンターに発注しないと来ないのです。
来たら5日以内 室温に戻したら6時間ほどで使い切らないといけないのです。

そのようなジクソーパズルみたいなことを 医療機関に丸投げされても
数が捌けず、対応が進まないのは当然です。ネット予約はジクソーパズル向きですが
年配の方には そういうことは出来ないのですから。。

市の方から「思ったより 医療機関の予約枠が少ないので 出来ればもっと増やして」と言われても
能力的に無理があります。ワクチンと関係ない患者さんもおられますし・・。今後ワクチンの
副反応のことでの問い合わせや受診も増えることでしょう。

政治家の方は、思い付き(としか思えない)で発言するのをやめていただきたいです。
管理人は 報道のことを言われる患者さんには
「あれは多分 願望を仰っているだけでは・・」と 申し上げています。

出来るだけのことは致しますが、
地域住民の皆様には 何卒 ご理解のほどお願いいたします。

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