プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

里見進

2024-05-18 17:04:22 | 日記
1980年
キチンとネクタイを締めた背広姿がよく似合う夏目(旧姓里見)進さんの新しい職場は東京・九段にある静かな画廊だ。「これが七百万円。こちらは三百万円。これは、エーッと…」日本ハムのバッテリー担当コーチだったわずか数ヶ月前がウソのような変わりようで、夏目さんはいまルーキー画商として勉強の真っ最中だ。結婚した裕子夫人の父親・夏目四郎さん(55)が画商だったことから「いずれは家業を継ぐように」といわれていた。絵を描いたのは小・中学校の美術の時間だけ。商売と名のつく環境には全くなじんだことがない「野球バカ」にとっては勇気のいる転進だった。専門は日本画。まずは画家の名前を覚えるのが仕事だ。業界では作者の名前をフルネームで呼ばないのが常識だ。たとえば「夏目進」なら「進」だけで話が展開する。名前がわかるようになったら、最も大切な眼力を養う本当の作業が始まる。ピンからキリまで、十万円を切る作品から数千万円まで見分ける力が必要になる。「ブルペンで投手の球を見極めた観察力と通じるかもしれない」年が明けると早速、交換会という商取引の会場に義父に連れられて出かける。こうした会は毎月十五回ほど開かれ二百~三百点もの絵が展示され、数億円の商いが行われるそうだ。信用や顔がものをいう世界だけに、とにかく歩き回らないといけない。「いずれは銀座あたりにボク自身の画廊を出したい。絵画とは縁がうすいプロ野球の関係者が気軽に出入りできる店にしたいなあ」

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