伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

この世の果ての殺人

2023-08-29 22:15:20 | 小説
 2023年3月7日に直径7.7kmの小惑星「テロス」が熊本県阿蘇郡に衝突し衝撃波とその影響で30億人以上が死亡し、生き残った者も粉塵による気象・環境への影響(寒冷化等)により餓死か凍死するという予測が後に「不幸な水曜日」と呼ばれることになった2022年9月7日に発表され、大半の人が避難し少なからぬ人が絶望から自殺し、ゴーストタウンと化した福岡県太宰府市で、なぜか自動車教習を受ける23歳の小春と、教習を続ける元警察官の自動車学校教官イサガワが、教習所の車のトランクから他殺死体を発見し、正義感に駆られて捜査を始めるイサガワに引きずられて警察を訪ねるうちに類似した殺人事件が続いて起こっていることを知って…というミステリー小説。
 人類が滅びることがほぼ決まっている状態で、人はそれまでどうやって過ごすか、何を大事にするのかというテーマで、実際にはそれまでとさほど変わらぬ生活を送り、降りかかる運命・できごとに翻弄されながらそれに対処していくのだろうという思いを持ちました。
 20XX年とかいう書き方にもあまりいい印象は持たないのですが、2023年3月7日と特定されてしまうと、それ以後に読む身にはちょっと白けてしまいます。「ノストラダムスの大予言」とかの騒ぎを今思い出すような…難しいところですが。


荒木あかね 講談社 2022年8月22日発行
2022年江戸川乱歩賞受賞作


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人体と病気まるわかり大全 | トップ | 倒産続きの彼女 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事