一月後、子爵が営む貿易商社の倉庫には、使用人達が呼び集められていた。
はにかみをそうになるのを打ち消すように、子爵が声を張った。
「私の養女ルージュサンだ。仕事を一通り学ばせたいので、手間が増えて申し訳ないが、面倒をみて欲しい」
子爵の橫に立っているのは、使い走りの少年と同じ身なりをした、細身の子供だった。
髪は後ろで三つ編みにし、顔は日に焼けて小麦色だ。
「えっ、お嬢様?!」
思わず口にしたのは、新入りのサンだった。
顔を強ばらせる者、笑いを圧し殺す者。
子爵は一瞬の間の後、豪快に笑った。
「この格好がよく似合うだろう。ずっと船乗りだったのだ。けれどもドレスはもっと似合うぞ。ああそれと、見習いの間は呼び捨てでいい。『ルージュサン』だ」
「『ルージュサン』です。宜しくお願いします」
煌めくような声が、倉庫に響いた。
…………………………………………………………………………
サンは5才の頃から、親戚宅で育てられました。
そして、長兄から貰った帽子だけを持って、
その家を出ました。
母が長兄に作った帽子をイメージして。
はにかみをそうになるのを打ち消すように、子爵が声を張った。
「私の養女ルージュサンだ。仕事を一通り学ばせたいので、手間が増えて申し訳ないが、面倒をみて欲しい」
子爵の橫に立っているのは、使い走りの少年と同じ身なりをした、細身の子供だった。
髪は後ろで三つ編みにし、顔は日に焼けて小麦色だ。
「えっ、お嬢様?!」
思わず口にしたのは、新入りのサンだった。
顔を強ばらせる者、笑いを圧し殺す者。
子爵は一瞬の間の後、豪快に笑った。
「この格好がよく似合うだろう。ずっと船乗りだったのだ。けれどもドレスはもっと似合うぞ。ああそれと、見習いの間は呼び捨てでいい。『ルージュサン』だ」
「『ルージュサン』です。宜しくお願いします」
煌めくような声が、倉庫に響いた。
…………………………………………………………………………
サンは5才の頃から、親戚宅で育てられました。
そして、長兄から貰った帽子だけを持って、
その家を出ました。
母が長兄に作った帽子をイメージして。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/32/93d81c7d6cfa651d1f7df083a30aee6e.jpg?1577874104)
モデル 大猫ちゃん。
型紙
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/6f/3f141155def1e3523f792af9f01b7dad.jpg?1577874162)
Cは広告で作ってしまいました(^-^;。
材料
表布 約70×100cm
フェルト 約70×100cm
サイズテープ 1本
糸
型紙 A(頭頂部) B(側面からツバにかけて) C(ツバの内側)
道具
裁縫道具一式
ミシン一式
1ーAを1枚、Bを6枚、Cを2枚、表布とフェルトで裁つ。縫い代はフェルトのCの曲線部分を除いて1cm。
2ーBを中表にして橫に縫い繋げ、ドーナッツ状にする。縫い代を開き、縫い目から5㎜の所にミシンをかけ、縫い代を落ち着かせる。
3ーCを橫に縫い繋げ、ドーナッツ状にする。
縫い代は2と同様に処理する。
4ーAと2を中表にして、縫い合わせる。フェルトの方のみ、縫い代をA側に倒し、縫い目から3㎜の所を縫い、縫い代を落ち着かせる。
5ー4の表布の方の縫い代をA側に倒し、縫い代を押さえるように、仮縫いする。
6ーフェルトの方の3と4を中表にし、端を合わせて、端から3㎜の所を縫う。
7ー4と5を中表にし、2と4で出来た縫い目を合わせ、Aの周囲の縫い目の5㎜内側を縫う。
8ー7に、表布の3を中表に合わせ、表に返して縁から1cmの所を縫う。
9ーCの内側の縁は、フェルトを表布でくるみ、サイズテープを5㎜重ねて、縫い合わせ、ジグザグミシンをかける。サイズテープは始まりと終わりを15㎜重ねて縫う。
10ーサイズテープとB同士の縫い代部分を、手縫いで繋ぐ。
実は、サイズテープが無かったので、誤魔化して作りました(^-^;(^-^;。