春近い冬の寒い日、公爵は画家の部屋にいた。
アトリエを兼ねた寝室と、簡単な水事場があるだけの質素なアパートだった。
絵は納期の四日前に納められていた。
けれども内輪で行う誕生祝いの前日に、風邪で出られないとの、手紙が届いたのだ。
「寝てるところを済まない。床に戻ってくれ」
見舞いの食料と、薬草茶をテーブルに置こうとし、その上のスケッチに、公爵は目を見開いた。
立ち姿、座る姿、歩く姿、前から横から斜め右から………………。
何十もの公爵夫人がそこにいた。
捲り始めた手が止まらない。
事態に気付いた画家は、息を詰めてその様子を見守っている。
公爵の強張った顔は、青ざめ、やがて赤く膨らんだ。
握った右手を震わせて、激情を逃がす。
「家には、来ないでくれ。もう二度と」
画家は口を開け、直ぐに閉じて、目を瞑った。
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画家がウェイトにしていた小物入れ。
中の花は紙を切り抜いて丸めたものです。
ダイソーで購入、そして折り紙で自作したものです。
材料
石灰粘土
卵の殻 (鶏、うずら、烏骨鶏 膜を剥がし、乾かして、荒く砕いたもの)
木工用ボンド
道具
ピンセット
ハケ
ヘラ
台
1ー台の上で粘土を浅い小鉢状にする。
丁度良い型があれば、それに張り付けると楽で綺麗に出来ると思います。
2ー1にヘラで柄を描く。
3ー2にハケでボンドを少しずつ塗り、殻を貼っていく。
4ーよく乾かす。
5ーハケでニスを塗る。
ニスを塗ると殻は剥がれにくくなりますが、風合いは損なわれます。
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