セランは港町にいた。
新型の天体望遠鏡が着くと聞いて、都で待ってなどいられなかったのだ。
ついでに海辺で歌ってみたいと、愛用のリュートも担いで来た。
夕日の照らされスキップしながら、海に向かう小路を抜けようとすると、通りの向こうから鈍い音が聞こえてきた。
赤い炎が舞っている。
真っ赤な癖毛をなびかせながら、女が争っているのだ。
素手で、三人の男を相手にしている。
足下に転がっているのも三人。
彼らは皆、異国の装束だ。
ー戦の女神は炎を散らしー
詩の一文を思い出し、我に帰った。
助けを呼ぼうと捻った首に、冷たい感触。
後ろから抱えられるのと、同時だ。
「動くな!」
耳元でしゃがれた声がした。
「こいつの命が惜しかったら、両手を頭の後ろで組め!」
東の港の訛りが滲む。
争いが一時止む。
「生憎と、その男とは初対面だ」
良く通る声で女が返す。
「俺達もそうだ。だから躊躇わずに殺せる。でも、お前はどうだ」
首に短く熱が走った。
続いて痛みと、僅かに濡れていく感覚。
「私のことは放っておけ!」
セランが叫ぶより早く、女は男に従った。
近くにいた男の当て身を受け、女がくずおれる。
それを素早く担いで、男達が走り出した。
解放されたセランがそれを追う。
セランを押さえていた男が、ぎょっとして振り向いた。
「お前達カナライのなりをしているが、ジャナの浜の出だろう!!帯が逆だし、訛りが出まくりだ!通報されたくなかったら、私も連れて行け!」
近くの家の中にも届くよう、大声で叫ぶ。
鳩尾に、鈍い痛み。
…………………………………………………………………………
カナライの上衣をイメージして
新型の天体望遠鏡が着くと聞いて、都で待ってなどいられなかったのだ。
ついでに海辺で歌ってみたいと、愛用のリュートも担いで来た。
夕日の照らされスキップしながら、海に向かう小路を抜けようとすると、通りの向こうから鈍い音が聞こえてきた。
赤い炎が舞っている。
真っ赤な癖毛をなびかせながら、女が争っているのだ。
素手で、三人の男を相手にしている。
足下に転がっているのも三人。
彼らは皆、異国の装束だ。
ー戦の女神は炎を散らしー
詩の一文を思い出し、我に帰った。
助けを呼ぼうと捻った首に、冷たい感触。
後ろから抱えられるのと、同時だ。
「動くな!」
耳元でしゃがれた声がした。
「こいつの命が惜しかったら、両手を頭の後ろで組め!」
東の港の訛りが滲む。
争いが一時止む。
「生憎と、その男とは初対面だ」
良く通る声で女が返す。
「俺達もそうだ。だから躊躇わずに殺せる。でも、お前はどうだ」
首に短く熱が走った。
続いて痛みと、僅かに濡れていく感覚。
「私のことは放っておけ!」
セランが叫ぶより早く、女は男に従った。
近くにいた男の当て身を受け、女がくずおれる。
それを素早く担いで、男達が走り出した。
解放されたセランがそれを追う。
セランを押さえていた男が、ぎょっとして振り向いた。
「お前達カナライのなりをしているが、ジャナの浜の出だろう!!帯が逆だし、訛りが出まくりだ!通報されたくなかったら、私も連れて行け!」
近くの家の中にも届くよう、大声で叫ぶ。
鳩尾に、鈍い痛み。
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カナライの上衣をイメージして
材料
布 幅160cm×約130cm
ベルト用の布 幅14cm×156cm
糸
ヘアピン (ダイソー)
道具
裁縫道具一式
ミシン
1 布を裁つ
2 身ごろの脇部分と肩部分にジグザグミシンをかける。
3 Aとa、Bとbを、縫い代2cmで中表に縫い合わせる。
3 eを1cm幅で裏側に2回折り、ミシンで押さえる。
4 Cとc、Dとdを、縫い代2cmで中表に縫い合わせる。
5 fを1cm幅で裏側に2回折り、ミシンで押さえる。
6 裾を1cm幅、次に2cm幅で裏側に折り、ミシンで押さえる。
7 ベルトを細長く中表に折り、縫い代1cmで返し口を残してミシンで縫う。
8 ベルトを表に返し、返し口をまつり縫いする。
9 ベルトの端から2㎜のところを、一周縫う。
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