意識が戻っても暗闇だった。
おまけに体があちこち痛い。
散っていきそうな夢を繋ぎ止めつつ、後ろで縛られた手で床を探ると、粘土質の冷たい感触があった。
「目が覚めましたか?」
夢の中でも聞いた、輝きのある声だ。
「彼らはもう、遠くに行ったと思いますが、念のため、大きな声は出さないで下さいね」
声と足音が近付いて、人がしゃがみこむ気配がした。
「失礼します」
手首の縄が解かれる。
猿ぐつわを外すのももどかしく、セランが聞いた。
「怪我はありませんか?」
「全くありません。貴方はどうですか?」
「あ、ああ、そうですね」
答えながら首を触った。軟膏を塗って布で押さえてあるようだ。身体を軽く揺すってみる。まあ大したことはない。
「大丈夫です」
「良かった」
女の声が改まった。
「巻き込んでしまって申し訳ありませんでした」
「とんでもない。こちらこそ、私のせいで捕まってしまって」
「それで責任を感じられて、付いて来られたんですか?」
「いいえ」
セランは、きっぱりと言った。
「貴女と離れたくなかっただけです」
「まずはここから出ましょう」
セランは、はっきりとスルーされた。
扉の方から、細長く差し込む月の光の中、細いシルエットが遠ざかる。
セランが慌てて後を追う。
女は膝立ちになって、扉の隙間に何かを差し込んだ。光が小さく反射している。
「それは何ですか?」
「髪飾りです」
「珍しいですね」
「遥か東方の品だそうです。出入りの宝石商が、珍しい櫛を集めた時に、頂きました」
「ところでここは、何処なんでしょう」
「港の西隣の村にある、貯蔵庫でしょう」
「どうして分かるんですか。いや、それより・・・ああ、何から聞けばいいのか」
「村に協力者がいるようなので、私は夜通し歩いて、港に戻るつもりです。一緒に行きたいのですが、構いませんか?」
「勿論です!」
女が苦笑する気配がした。
「どの順でも聞いて下さい。道中は長いです」
ガチャ、ガラガラと、鎖の落ちる音がした。
…………………………………………………………………………
女が携帯しているポーチをイメージして。
ただし、私の実用性の為、フラップ+ボタンを、ファスナーにしてあります。
材料
紺色の布 39×50cm (18×23cm 2枚 A) (18×18cm 1枚 B) (5×7cm 2枚 C) (3×50cm 1枚 D)
グレーの布 8×50cm (3×50cm 1枚 E) (5×18cm 1枚 F)
裏地用の綿の布 54×23cm (18×23cm 2枚 G) (18×18cm 1枚 H)
ファスナー 18cm 1本
ボタン 2個
ミシン糸 表地との組み合わせで
手縫い糸 裏地に合わせた色
道具
裁縫道具一式
ミシン一式
1 Cを細長く中表に折り、縫い代5㎜で片方の短辺を残して縫い合わせる。
2 Fを細長く中表に折り、縫い代5㎜で長辺を縫い合わせる。
3 EとDを中表に合わせ、両先端は^の形にして、返し口を残して縫い代5㎜で縫い合わせる。
4 1と2と3を表に返し、周囲の端から2㎜の所をミシンで縫う。
5 BとHを中表に合わせ、縫い代1cmで上辺を縫い合わせ、表に返す。
6 Aの上辺にファスナーを中表に合わせ、縫い代7㎜で縫い付ける。
7 Gの上辺を中表で6に重ね、縫い代1cmで縫い合わせる。
8 G同士を中表に合わせ、返し口を残して縫い合わせる。
9 1と2と5を間に挟み、Aを中表に合わせ、縫い合わせて、表に返す。
10 2の端から4cmの所をAと一緒に、夫々縫う。
11 8を表に返し、返し口をまつり縫いする。
12 Cの先端に、夫々ボタンを付ける。
13 3の先端から2cmの所に、夫々ボタンホールを付ける。
14 13を10の間に通して、ボタンをかける。
本体上部にボタンを2つ付けると、ウエストポーチになります。
女はバッグを持つ時はそれに下げ、持たない時は、上着の中で、ウエストに付けていました。
おまけに体があちこち痛い。
散っていきそうな夢を繋ぎ止めつつ、後ろで縛られた手で床を探ると、粘土質の冷たい感触があった。
「目が覚めましたか?」
夢の中でも聞いた、輝きのある声だ。
「彼らはもう、遠くに行ったと思いますが、念のため、大きな声は出さないで下さいね」
声と足音が近付いて、人がしゃがみこむ気配がした。
「失礼します」
手首の縄が解かれる。
猿ぐつわを外すのももどかしく、セランが聞いた。
「怪我はありませんか?」
「全くありません。貴方はどうですか?」
「あ、ああ、そうですね」
答えながら首を触った。軟膏を塗って布で押さえてあるようだ。身体を軽く揺すってみる。まあ大したことはない。
「大丈夫です」
「良かった」
女の声が改まった。
「巻き込んでしまって申し訳ありませんでした」
「とんでもない。こちらこそ、私のせいで捕まってしまって」
「それで責任を感じられて、付いて来られたんですか?」
「いいえ」
セランは、きっぱりと言った。
「貴女と離れたくなかっただけです」
「まずはここから出ましょう」
セランは、はっきりとスルーされた。
扉の方から、細長く差し込む月の光の中、細いシルエットが遠ざかる。
セランが慌てて後を追う。
女は膝立ちになって、扉の隙間に何かを差し込んだ。光が小さく反射している。
「それは何ですか?」
「髪飾りです」
「珍しいですね」
「遥か東方の品だそうです。出入りの宝石商が、珍しい櫛を集めた時に、頂きました」
「ところでここは、何処なんでしょう」
「港の西隣の村にある、貯蔵庫でしょう」
「どうして分かるんですか。いや、それより・・・ああ、何から聞けばいいのか」
「村に協力者がいるようなので、私は夜通し歩いて、港に戻るつもりです。一緒に行きたいのですが、構いませんか?」
「勿論です!」
女が苦笑する気配がした。
「どの順でも聞いて下さい。道中は長いです」
ガチャ、ガラガラと、鎖の落ちる音がした。
…………………………………………………………………………
女が携帯しているポーチをイメージして。
ただし、私の実用性の為、フラップ+ボタンを、ファスナーにしてあります。
材料
紺色の布 39×50cm (18×23cm 2枚 A) (18×18cm 1枚 B) (5×7cm 2枚 C) (3×50cm 1枚 D)
グレーの布 8×50cm (3×50cm 1枚 E) (5×18cm 1枚 F)
裏地用の綿の布 54×23cm (18×23cm 2枚 G) (18×18cm 1枚 H)
ファスナー 18cm 1本
ボタン 2個
ミシン糸 表地との組み合わせで
手縫い糸 裏地に合わせた色
道具
裁縫道具一式
ミシン一式
1 Cを細長く中表に折り、縫い代5㎜で片方の短辺を残して縫い合わせる。
2 Fを細長く中表に折り、縫い代5㎜で長辺を縫い合わせる。
3 EとDを中表に合わせ、両先端は^の形にして、返し口を残して縫い代5㎜で縫い合わせる。
4 1と2と3を表に返し、周囲の端から2㎜の所をミシンで縫う。
5 BとHを中表に合わせ、縫い代1cmで上辺を縫い合わせ、表に返す。
6 Aの上辺にファスナーを中表に合わせ、縫い代7㎜で縫い付ける。
7 Gの上辺を中表で6に重ね、縫い代1cmで縫い合わせる。
8 G同士を中表に合わせ、返し口を残して縫い合わせる。
9 1と2と5を間に挟み、Aを中表に合わせ、縫い合わせて、表に返す。
10 2の端から4cmの所をAと一緒に、夫々縫う。
11 8を表に返し、返し口をまつり縫いする。
12 Cの先端に、夫々ボタンを付ける。
13 3の先端から2cmの所に、夫々ボタンホールを付ける。
14 13を10の間に通して、ボタンをかける。
本体上部にボタンを2つ付けると、ウエストポーチになります。
女はバッグを持つ時はそれに下げ、持たない時は、上着の中で、ウエストに付けていました。
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