ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Rの物語ー懸念ー

2020-01-17 07:00:00 | 大人の童話
「父上、乳を搾りに行っていいですか?」
子爵は飲み込んだ筈の食前酒で、危うくむせるところだった。
咳払い一つで気を取り直し、問い返す。
「乳を、搾りたいのかね?」
「はい。カイルの実家に牛がいて、搾らせてくれるそうなんです」
ー馴染み過ぎだー
子爵は思った。
自分の時は、最初から経営者の補助として職場に入ったので、現場を把握するのに時間がかかった。
だから敢えて、ルージュサンを見習いにしたのだ。
ルージュサン一月足らずで「ルー」と呼ばれるようになり、三ヶ月たった今では、すっかり現場に溶け込んでいる。
けれど、適当な距離というのは、あるものなのだ。
「二人で行くのか?」
「いえ、倉庫係が五、六人、他の部署から四、五人の予定です」
特定の相手ばかりなら問題だが、全体とならまあいいだろう。
職場の輪を作るにも、悪くはないのかも知れない。
「そうか。では酒とハムでも、みつくろっておこう」
「よろしくお願いします」
ルージュサンは嬉しそうに、茸のキッシュを頬張った。
「皆で乳を搾るのかね?」
「はい。経験のない者は教わってから、乳搾り競争をして、次の日飴を持って来る者を決めます」
「ならば、飴の用意もしておこうか?」
真顔の子爵に、ルージュサンが不思議顔で答えた。
「願掛けですか?。私に勝ち目は無いです。諦めて下さい」
今度は子爵が意外そうに尋ねた。
「勝った方が奢るのかね?」
「そうです。それから藁を運んだり、お手伝いをさせてもらいます」
「カイルの親御さんは、具合でも悪いのかね」
「お父上が先日、腰を痛めたそうです」
「では、早い方がいいね」
「はい。次の休みに行ってきます」
ルージュサンの無邪気な笑顔に、子爵は一抹の不安を覚えた。

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昔、この地方は他国に侵略され、服従の証として、300頭の牛の首を、差し出すように言われました。
同時の名主が一計を案じ、張りぼての牛の首を差し出したことを記念して、毎年牛祭りが開かれるようになりました。

牛祭り参加記念の張り子の牛









材料
粘土 一握り
サランラップ 20cm四方
セロハンテープ 少量
デンプンのり 一絞り

新聞紙 1枚
半紙 2枚
折り紙 1枚
他の折り紙 お好みで

道具
張り子を乗せる板
糊を塗る筆
糊を溶く器

1ー外し方を計算しつつ、粘土で型を作る。
2ー新聞紙と半紙を、繊維の方向に沿って約1cm幅に割き、2cm位の長さに千切る。
3ー型が乾いたらラップで包みセロハンテープで止める。
4ー糊に等量の水を少しずつ入れ、溶かす。
5ー3に2の新聞紙を、4を筆で塗りながら貼る。
6ー5に2の半紙を、4を筆で塗りながら貼る。
7ー乾いた6の紙部分をカッターで切り、型から外す。
8ー7の切れ目に2の半紙を4で貼り、全体を折り紙で包んで4で貼る。
9ー好みで目、耳等に、違う折り紙を貼る。

干支飾りにする場合は、目鼻に色紙を貼らず、服を着せても良いと思います。












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