今日は金井久男市議と一緒に訪問。訪問先は、プラスチック部品成形の会社と碓氷製糸工場です。
プラスチック成形会社の社長さんとお会いして、お話をうかがいました。長年のお得意さんがいるので、簡単に事業をたたむわけにもいかないけれど、決して安泰な状態ではないとのこと。中小業者のみなさんの苦しみは、町工場に務めていた私もよく分かるつもりです。
私が直接経営に携わったわけではありませんが、小さな工場だと経営の良し悪しって、伝わるもんです。発注元、取引先の言いなりにならなければ仕事ももらえず、ようやく仕事を受けられても、すぐに「コストダウン」=単価切り下げが行われ、極端に短い納期でも受けざるを得ず、納期を守ると、また単価切り下げ。
日本の技術や生産を支えてきた町工場。言葉ではいろいろ激励もされますが、経営などは、とどのつまりが「自助努力」と「自己責任」です。こういう部分だけは大企業と横並びで評価される。結局大事にはされていないんです。
中小だろうと大企業だろうと、仕事のやりとりをやる以上は対等に話し合いができるようにならなければ、中小業者の努力にも限界があります。
この工場を後にして、次に訪れたのは碓氷製糸工場。群馬県の誇るべき伝統的な工業、絹の生糸を作ってきている工場へお邪魔
して、見学もさせていただきました。
「原料がない」と、組合長さん。原料となる繭をつくるための養蚕を行う農家がどんどん減っていて、「いつまで続けられるだろうか」という状態だそうです。
現在養蚕を行っている農家は全国で600軒程度だそうです。高齢化もあり、当然後継者の問題も深刻。原料がなければ作りようがありません。
工場を案内していただきながら、見学をさせていただきました。
細く、繊細な繭から糸をとりだす光景はとても素敵。「メカ好き」の私のハートを一撃で射抜きました。
とにかく人の手がかかる作業。そして繊細な作業です。絹の高価さを思い知ります。
品種のまったく違う繭から糸を取り出す人たち。ここには人がつきっきりです。
「バブルの時代、繭の値段だけが下がっていった。農家のみなさんは、もうからないからやらなくなる。ここがターニングポイントだった」と組合長。なんだか「もしTPPに参加したらこうなる」話を先取りにしたような話です。
桑畑もすっかり減り、養蚕をしている農家も周辺では1軒だけになったのだそうで。これを「文化遺産」にするのか、産業として位置づけ、復興させるのか...。