自民党石破幹事長がブログで暴言を吐いたことは、新聞でもあつかわれたりしたので、ご存知の方も多いと思います。
市民運動を「テロと同様」呼ばわり。秘密保護法の成立を見通して、本音が先走ったような発言です。一般の人々は逮捕の対象にならないと言っているようですが、正当な国民の権利行使をテロ呼ばわりするようでは、やはりいつ何を理由に逮捕されるかわからない状況というのはうそではないでしょう。
そもそも、この国の主権者は誰でしょう?
憲法にキチンと明記されていると思いますが、主権者は国民です。憲法の前文には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と書かれてあります。
国政は、国民から権力を委託されて行われているもの。いわば、国民が主人公、主人であり、彼らは使用人に過ぎません。権力の行使を託された代表者が、主人である国民に秘密を持つ。このこと自体、有り得ない話ではありませんか?
権力を行使する一部の者が主権者に秘密を持つ。こういう場合、サプライズパーティなどやらないでしょうから、あまり良いことを企んでるとは思えません。
現在でも、福島第一原発事故による、SPEEDIの放射能の拡散予測地図を、アメリカ軍には数時間後に開示したのに、国内で開示したのは2ヶ月後。「安全」を売りにしてきた原発の神話が崩れたことをひた隠そうとした結果、せずにすんだかもしれない被曝に苦しむ人をうみだしました。
石破幹事長が「デモ≒テロ」と言ったのは、秘密保護法を背景に国民の口を塞ぎ、国政に異を唱える者の脚を鈍らせるため。しかし、この国の主人公は私たち国民です。主人を相手に、平気でこんな発言をする「代表者」は、もはや「代表者」にふさわしくありません。
私たちは、国政に不満を言う権利があります。デモ行動は、その要求を国政にも国民にもアピールし、賛同を呼びかける行為です。これをテロと称して取り締まるような考え方は、国民の権利を侵害することになります。
こういう考えの人が、秘密保護法を通そうとしているんです。国の主に秘密を作り、主の知らぬ間に国のかたちを変えてしまおうとする、それを許す法案に、今私たち国民が声を上げ、態度で「 NO!」の意思を示すとき。ますます元気にやろうじゃありませんか。
主に秘密を作るのがどんなことなのか、ある映画を思い出します。ロビン・ウィリアムズ主演の「トイズ」という映画です。興味の湧いた方は、是非一度ご覧下さい。面白いですよ。