野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

早春の花2

2010-02-20 | 散歩
 一旦緩みかけた気温も先だっての雪を機に、再び元の厳しい寒さに戻ってしまった。早めに咲いた梅も、路地にいち早く花を咲かせたホトケノザ、オオイヌフグリ等の野の花も雪の中で凍えている。こうして一進一退を繰り返しながら春に移り変わっていくのだと、今までもそうだったじゃないかと、分ってはいてもなかなか来ない春の到来がもどかしく待ち遠しい。

 久しぶりにカラッと晴れた午後、出勤前近くの公園に寄り道してみた。



 河原のネコヤナギはもう花穂をふくらませている。






 これはナニワズ、黄色い沈丁花といったところか。




 木道の縁にちょこんと座っているのはジョウビタキのようだ。こちらをうかがっている。



 降り積もった枯れ葉の中で、咲きだしたばかりのフクジュソウが祝福の陽を浴びている。

 其処だけ先に春が来たようでほっこりとしている。



 頭上でコツコツと枝をたたく音がする。コゲラだ。

 真下に行って樹肌に耳を寄せると結構大きな振動が伝わってくる。耳をくすぐる春の鼓動だ。


 藪の下にセリバオウレンが咲いているのを見つけた。早春の山地に咲くキンポウゲ科の花だ。薄暗い林床を舞台に3人の小妖精が踊っている。







 実を落とし葉脈だけになったホオズキが風にゆらゆら揺れている。



 池ではコサギが餌を夢中で探している。前足を小刻みに震わせながら小魚を追い出そうとしている仕草がおかしい。



 よく見るとこの時期でも花はまだまだ見ることができる。これはウグイスカグラ、小さな赤い星状の花を枝先に咲かすスイカズラ科の花だ。








 セツブンソウはもうこの時期では終わりかけだ。植生されたものなので野に自生するものと比べて勢いが見られない。



 傍らの高い木の枝際に止まったモズが高鳴きを繰り返している。






 これは久しぶりに珍しいものを見つけた。ツチグリ、ツチガキともいいキノコの仲間。普通は夏から秋にかけて発生するので春に見られるのは珍しい。晴れて空気が乾燥すると星状の外皮が閉じて球状になり、風に吹かれてころころと転がるさまから、別名に「晴天の旅行者」や訳名として「星形の湿度計」といったロマンチックな名を持っている。




 思わず見上げたら、マンサクが空に満開だった。そろそろ野に遊ぶのを切り上げて仕事にいく時間が来たようだ。