10月中旬、間もなくシーズンを終えようとする尾瀬を訪ねた。鳩待峠に降り立ったのは11時半過ぎ。天気は予報が良い方に外れ、夏を思わせる陽気だった。
人の少ない鳩待峠
さっそく山の鼻へ向かう。山道の両側を色づき始めた木々が迎えてくれる。
小至仏山のあたり
錦秋の木漏れ日は目も眩むほど美しい
一時間足らずで山の鼻へ到着。ここだけはこのシーズンでも大勢の人が憩っている。
少し先に行った閑静な尾瀬ロッジのベンチを借りて昼食。
賑やかな中学生の遠足の一団をやり過ごしてから、そっと尾瀬ケ原へ歩みいる。
季節外れのリュウキンカが咲いていた。
ウメモドキに似た赤い実
枯れてなお凛として……やがて土に還る
暑かった夏のせいか周囲の山々は緑を落とし切れず紅葉はもう少しといったところ
澄み切った青い空の下、草紅葉の中をゆっくりと歩く。時間に余裕があるせいか、ゆったりと景色を体の中に取り込むことができる。
一人ぼっちのマガモ
さざ波が立ち、暫く待ったが逆さ燧は見られず
水面を白い雲が滑るように流れていく
マガモの番いは近くによっても怖じ気なかった
逆光に浮かぶ至仏山
どこまでも続く木道。牛首の分岐を過ぎるとだんだんと人気が少なくなってきた。
水のほとりに白い樹肌の木が一本立っている。まるで日光小田代ヶ原の貴婦人のようだ。
東電小屋のあたりをヘリコプターが頻りに飛んでいる。
池塘の水草はすっかり紅葉している。
まだ紫色を残したリンドウ
木道脇に設けられたクマよけの鈴。私も控えめにだが一つ鳴らした。
ちょっとだけ逆さ燧
浮島も紅葉
ワレモコウ
工事中の東電小屋
小屋を過ぎたあたりは尾瀬ヶ原の拠水林。色とりどりに染まり始めている。
トリカブトの花
只見川
橋を渡って下田代へ
どうやら先ほどのヘリコプターは木道整備のため、木材を運んでいたようだ。
ぐっと近くなった燧ケ岳
鳩待峠から3時間半、やっと今夜のねぐら弥四郎小屋が見えてきた。
この辺で。