大きな風車(プロペラ)の下にも畑。
千葉県の北東部、銚子市や旭市などの東総地域には、東総台地という標高40~50mの台地が広がっています。
関東平野から太平洋へと突き出しているこの地域は、東南北の三方を海に囲まれており、1年を通して風速6m/s前後の強い風が吹いていることから、旭市から銚子市にかけての東西約10kmの範囲に、過去10年以上にわたって累計40基もの風車が建設されました。
車で成田空港方面から国道296号線を東進し、さらに匝瑳市で国道126号線に入って旭市へと向かうと、まず左手の台地の上に飯岡風力発電所(850kW×5基)が見えてきます。そこから更に銚子方面へと走ると、銚子市内に入ってまもなく、
丘の向こうに八木風力発電所(1,500kW×6基)が見え、海側には銚子小浜風力発電所(1,500kW×1基)と
銚子屏風ヶ浦風力発電所(1,500kW×1基)も見えてきます。
そして126号線を外れて東総広域農道へ入ると、右も左も風車だらけの風景になります。
この広域農道を東進した終点付近に、域内最大の風力発電所である銚子風力発電所(1,500kW×9基)が道路を囲むように建っています。
さらにこの風力発電所群の北にも、椎柴風力発電所(1,990kW×5基)や銚子ウィンドファーム(1,500kW×7基)があり、一大風力発電所群となっているのです。国道が走り、車も人も行き交う農道や生活道路が何本も走る中に建っています。
国道を走っていると突如として現れる風車の群れという景色は、初めて訪れる人を驚かせるものでしょう。
風車の近くに行ってみると、本当に畑の一部の区画が切り取られてフェンスで囲われ、風車と付帯設備がこぢんまりと建てられています。
風力発電機はこんなに小さなスペースで建てられるのかという驚きと、こんな場所に建てることができてしまうのだという二つの驚きが得られます。
畑の中に風力発電機が立ち並ぶ景色というのは、ヨーロッパを思い起こさせる風景ではあります。・・・
(この項、「TOPIC 東総台地風力発電所群」より)
キャベツ畑。
ダイコン畑。
キャベツ畑。
群馬、愛知に次いで、国内第3位のキャベツの産地は、千葉県です。
千葉県は、11月から1月、3月から5月にかけて旬を迎える冬キャベツ、春キャベツの生産が盛んに行われています。特に有名なのは、銚子市、旭市、野田市などです。
冬でも温暖な海洋性気候が特徴の千葉県。そのため、柔らかくて甘いキャベツが育つといわれています。
※キャベツの語源は、フランス語のカボッシュ(頭でっかち)から来ています。
おいしいキャベツの選び方
- 切り口が小さく、持ってみて重量感があり、緑色で新鮮なもの
- 春キャベツは、主に春から6月頃に出荷され、形が丸くて、巻き方が緩く、葉は柔らかくてみずみずしいもの
- 冬(寒玉)キャベツは、主に秋から初春に出荷され、形が楕円で葉の間には隙間がなく、葉は硬くて厚いもの
ダイコン畑。
生産量1位の千葉県では、生産体制の整備とトンネル栽培などの栽培方法が普及したことで、高い反収を誇っています。
主産地の銚子市をはじめとした千葉県の大根は、自家漬物用として昭和初期に栽培が始まったといわれています。1955年には秋系品種の栽培が始まり、商用として売られ始めたとされています。
その後、1966年に「秋冬大根」の産地指定を受けたため、栽培面積が拡大しました。これに伴い用水施設や農道が整備され、機械や資材の運搬体制が整備されていきました。
こうした動きも支えとなり、トンネル栽培が普及したことで、1986年に「春大根」の指定産地を受けることになりました。
また、トンネル栽培普及のおかげで、6~9月の高温期以外の出荷が可能になりました。無被覆栽培よりも労力がかかるため、1人が担当できる栽培面積は30aほどが限界ですが、気温が低い環境でも栽培ができます。
※「トンネル栽培」防寒用シートを畝(うね)にトンネル状にかけて冷気を遮る栽培法。シート越しに日光が当たるとトンネル内の温度が上がり、発芽や生育に必要な温度を保つことができるので、真冬でもおいしい野菜を作ることができます。
旭市から銚子市に入ります。