刑法他関連法を勉強する気がなくなるような小説

2019年07月18日 | 社労士
刑事事件の専門誌などを読むと、刑事弁護を専門とする弁護士さんたちの熱い思いが伝わってくる。
テレビで注目を浴びているのも刑事件を担当する弁護士さんである。
冤罪とかだと、「正義」がかっこよく映える。
だが、先日図書館で借りた『刑罰』を読み、早くも刑法や関連法の勉強自体に気が進まなくなってしまった。
作者のフェルディナント・フォン・シーラッハはベルリンで刑事事件弁護士として活躍している。かかわった事件は700件以上。作家デビューは2009年。
『刑罰』は短編で、刑罰が科せられなかった罪の真相が描かれている。
児童虐待で無罪放免となった男が帰宅するなり2歳の息子を洗濯機に入れてスイッチを押す。
赤ん坊を壁に叩きつけて殺害した夫の罪をかぶって服役する妻。出所後、バルコニーでテレビのアンテナを修理している夫を足掛けを蹴って転落させ殺害するが、検察官は証拠を出せず、妻は無罪となる。
妻への度重なる暴力で捕まりながらも夫は釈放され、妻はその半年後にハンマーで殴り殺される。
日常茶飯事なのかもしれない。
でも真相など神様と当人以外にどうやってわかるのだろうか。
犯行を確信しているが証明はできない。
刑事訴訟法の教科書の中の、次の記述を読み、自分はとんでもないカン違いをしていたのだと知った。

弁護人は、被告人に不利益な主張をしたり、不利益な証拠を提出することは、たとえそれが真実を発見するためであるとしても許されない。弁護人は、被告人の利益を害してまでも真実発見に努める義務はない。

依頼人の利益がまず先にあり、真実発見はそのあとに来る。
ここのところが今ひとつはっきりしていなかった。
思えばどの仕事においても、こういった部分が曖昧だったように思う。

正義とは、酔いしれるものや憧れるものではなく、探究するものなのかもしれない。



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ZOZOのつけ払いとアルバイトの時給1300円

2019年07月17日 | 社労士
ある月刊誌で藤田孝典さんが、賃上げの重要性を訴えていた。藤田さんはベストセラーとなった『下流老人』の著者であり、非正規雇用やワーキングプアといった問題に詳しい。
月刊誌の記事タイトルは「賃上げこそ、日本社会の活力を引き出す源泉」である。
コンビニのファミリーマートが始めたこども食堂に対しても、コンビニの低賃金が貧困やワーキングプアを生み出している、こども食堂を名乗る前に誰が貧困を生み出しているのかを考えて欲しいと批判している。
今回の記事で藤田さんが評価しているのは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営する株式会社ZOZOが行った時給1300円のアルバイト募集です。3日間で募集人員の2000人に達したそうです。
ZOZOと言えば、つけ払いです。支払いを2か月先に延ばせるっていうやつです。決済上限は54000円。お金のない若者向けのサービスであり、親を当てにできる金額の上限とも言えます。このつけ払いの問題点は、決済が2か月を超えないため、割賦販売法の適用を受けず、支払い能力の判定なし、未成年が親の同意なしで購入できるということです。手数料が324円というのも。
労働者の低賃金がサービスや商品の低価格を可能にしているという面がありますが、ZOZOの場合は、その逆でしょうか。未成年など若年層から(実質親世代)脱法で得た利益をもとにアルバイトの時給を上げている。
藤田さんはこの辺をどう思っているのでしょうか。
人間であれ、企業であれ、いいところもあれば悪いところもある。
並べてみて総合判断すべきですが、「いいこと」で胸がキュンとなってしまい、思考停止になる場合が多いようです。貧困層からの搾取で低価格の商品を作っていても、環境・エコなどへの取り組みが見られると、もうそれだけで優良企業のようなかんじがしてしまうみたいです。なので日本の企業はこういうことをせっせとやります。残業代は絶対払うつもりはないと豪語する企業が、海外への援助で表彰されたりなんかしています。
雇用関係の助成金を申請するとき、要件チェックのところに、労働法規違反をしていないとか、労働保険料を滞納していないとかがあります。あとは風俗とか暴力団とか。自分の管轄さえよければそれでいいってやつです。電通もくるみんマークもらってたしね…均等部署においてはなんの矛盾もないわけです。
賃上げに夢中な人はそこを一生懸命やってる。奨学金問題を追いかけてる人はそれはそれでいっしょうけんめいやってる。ブラック企業、外国人労働者、介護問題…みんなそれぞれがんばってる。てんでばらばらに。
悪は連帯しやすいが、善はそうではない。でも善の連帯なくして悪に打ち勝つことはできないからもう一歩踏み込んだ視点で考えて欲しい。
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「第一線労働基準監督官の回顧録」この本をお持ちの方いますか?

2019年07月16日 | 社労士
第一線労働基準監督官の回顧録 戦後労使の新時代粉擾の間に立って (日本回顧録叢書)
加藤卓雄
地方・小出版流通センター

どなたか、この本をお持ちの方いらしゃいますか?

労働行政機関で臨時採用されていたとき、ヒマでヒマでしょうがなくて本をよく読んでいました。
どんな本でも読んでていいってわけじゃもちろんなくて、労働基準法コンメンタールとか、そんなようなやつ。どれも古臭いかび臭い本ばっかしなんだけど、ドクラシックで輝いていたのがこの本です。
生産性アップ!とか言っちゃって、この本処分されてると思う…
ネットではでてくるけど、在庫切れ。
図書館とかで借りることはできるんだろうけど、欲しい。

宝の持ち腐れしてる人、ください。
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社労士のニーズがなくなれば社労士は不要なのか

2019年07月16日 | 社労士
社会保険労務士が何をする仕事なのか知らない人は多いと思う。(自分もそうだったし、今もってあやふや)
司法書士も同じではないかと思う。
人はどうか知らないが、私は実のところ、不動産登記にかかわることをする人という以外には知らなかった。
でも成年後見をしてる人も多いし…
先日の成年後見研修のときに講師の司法書士さんの話を聞き、少しふーん、なるほどと思った。
以前中型書店で、ある年配の司法書士さんの『志は大きく、まなざしは優しく』という本をみつけ、立ち読みしたらとまらなくなり購入した。
しょっぱなから耳に痛いことが書いてあった。しかし、それで司法書士の仕事もぼやーっとわかった。

不動産ブームにわいた時代は登記手続き代理の仕事に走り、不景気の時代がくると破産・破民事調停などの裁判事務に打ち込む、高齢社会が到来したといって成年後見制度に関わり合う。急増する簡易裁判所事件の支援のため訴訟代理人になるという塩梅。

ああ、こういう仕事をするのが司法書士なんだ。

著者の大崎晴由(おおさきせいゆう)さんの毒舌は続きます。

多様化する社会のニーズに即応するためにウイングを広げる必要がある、このように開き直るが、時代に生き残るためには、ニーズの変化論は便利な理屈である。そこには社会の変化に対応しなければ敗者になるという恐怖観念が漂う。誰だって敗者になりたくない。だが、そういう変化するニーズばかりを追いかけていれば最後には破局が来る。それはニーズが無くなる日である。
「実存は本質に優る」の名言を残したドイツの哲学者ハイデガーではないが、自分が選んだ職業哲学の探究は差し置いて、ニーズの変化に踊ることにさほど後ろめたさを感じないとすれば、その変節的な行動は専門家の名にふさわしいかどうか。時代を超越するその職業の普遍的な特性を弁えることを自らが軽くみてはいけない。

以前別のブログでも大崎さんのことを書いたが、社労士にはそこまで弁えている人はいないと思われる。
たとえ相手が弁護士といえども、この分野において自分は負けないという自負心のある社労士はどれほどいるだろうか。こまごまとした詳細については弁護士先生に教えられる、この程度ではないのか。
大学の法学部、あるいは法科大学院で教えるだけの技量があると自認する社労士はいるのだろうか。

大崎さんによると、「士」のつく資格は1000以上あるそうです。
社労士も1000の中の一つである。

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高卒でも社労士になる方法だって。ふーん。先に行政書士にならなくてもいいんだ。

2019年07月15日 | 社労士
高卒でも社労士試験に合格する最短方法を教えます!
高卒社労士.com

こんなんみつけました~!
おもしろい!

「なんで社労士になったんですか?」
社労士を取ってから、後輩に良く聞かれます。
いつも適当な理由をつけて体裁を整えていますが、本音を言うと「高卒だからってバカにされたくなかった」というのが大きな理由です。

だって。

おもしろい!!

正直、仕事と学校(通信制短大)と受験勉強の3足の草鞋は、体に堪えました。
睡眠を削らないことには、時間を捻出できなかったので、友達は眠眠打破(笑)
余談ですが、眠眠打破は個人的にものすごーく効くと思っています。(プラシーボ効果かもしれませんが)

社労士試験に大切なのは、正しい勉強法と努力です。
努力無くして試験に受かることはまずありません。
私は”努力は報われる”という言葉が好きです。

私の場合は、運も味方してくれたおかげで1年で無事に合格することができました。
2年目も同じ努力を続けなくてはならない状況になっていたら、心は折れていたと思います。

だって。

すごい!!

高卒ガンバレ!フレーフレー高卒。

でもさ。社労士試験って、司法試験とちがって、3回までとか5年までとかケチ臭いこと言わないじゃない。高卒ダメとか偉そうなわりに。
なのに、2年目は心折れてたかもってどうよ!
3足の草鞋だししょうがないけど。
たしかに、3べんも4へんも5へんも6へんも受けてるやつはタラタラして趣味みたいなもんだろうけど。かつての職場にそんなおっさんいたな。

この高卒さん(短大卒になったけど)気合いはわかるけど、価値観っていろいろだから、張り切り過ぎて壊れなきゃいいけど…
無理せずがんばれよ。
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