先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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治安維持法④ ー検束につぐ検束ー治安維持法案反対の闘い (読書メモ)

2022年09月20日 08時01分00秒 | 1925年治安維持法

写真・大根河岸を行く悪法案反対大会のデモ行列(1925.02)

治安維持法④ ー検束につぐ検束ー治安維持法案反対の闘い (読書メモ)
参照 「日本労働年鑑第7集」1926年版 大原社研編
   「社会・労働運動大年表」大原社研編  労働旬報社  
   「協調会史料(治安維持法)」 

 1925年に入り加藤高明内閣は治安維持法案の成立に向けて動きだします。法案の内容が明らかになるや労働組合など各地の人々が大規模な治安維持法案反対運動に立ち上がります。労働総同盟中央委員会と関東地方評議会は反対決議をし、同法案と労働争議調停法に反対する「悪法案反対同盟」が約35団体で結成されます。2月11日から全国各地で反対集会と抗議のデモが繰り広げられますが、当局は、検束につぐ検束の大量検束で弾圧を加えてきました。労働者は果敢に闘い続けます。新聞報道記者も「治安維持法反対記者同盟」を結成し、反対決議をだします。しかし、4月22日、歴史的悪法、天下の弾圧法=治安維持法はついに公布されてしまいます。

ー検束につぐ検束ー治安維持法案反対の闘い
 1月30日、約35労働組合、団体が『悪法案反対同盟』を組織。

 1月31日、天王寺公会堂において治安維持法案と労働調停法案に反対する「二大悪法案反対演説会」を約千名の結集で開催。

 2月3日、日本労働組合聯合主催で天王寺公会堂で同上演説会を約千名で開催。

 2月5日、悪法案反対同盟主催で東京の協調会館において、約千名の参加で抗議演説会を開き、労働組合と水平社などが発言した。演説の途中朝鮮労働の李憲氏を「言辞過激」を理由に会場の臨席警官が検束したことで、聴衆は怒り警官隊と衝突した。

 2月11日、悪法案反対同盟35労組、労働者約3千人は、芝区の赤羽町有馬ヶ原に集合し、28の労働組合から演説があり、満場一致で悪法案反対の決議『我らは堅き結束の威力をもって悪法案の徹底的撲滅を期す』をし、その後上野公園まで抗議デモ行い、途中妨害する警官隊と何度も衝突し、60人もの組合員が不当にも検束された。同日横浜、名古屋、千葉の野田においても反対集会が行われた。

 2月12日、政治研究会(布施辰治など)主催の『悪法案反対演説会』が、東京本所松倉町で開催されたが、不当にも途中臨席警官から解散を命じられた。

 2月14日、京都で約700人が抗議集会。

 2月15日、中之島公会堂で、労働総同盟大阪聯合会主催による抗議集会とデモが行われた。約2千人が集まり、天王寺公園までの抗議デモでは労働者20人が不当にも検束された。

 2月16日、大阪各労働団体、水平社、農民組合が連合して約1200人が参加した『悪法案反対労働者大会および演説会』が開催された。同日尼ヶ崎においても同じ目的の労働者大会が開かれた。

 2月19日、『治安維持法案反対民衆大会』が約千人の参加で東京協調会館にて開催され、『日本無産階級は支配階級の挑戦たる治安維持法案の徹底的排撃を期す』と反対決議を行い、全員で議会に向かって押し寄せたが、途中警官隊の妨害で29人が不当にも検束された。同日京都聯合は京都出身の国会議員の家庭を訪問し『治安維持法に反対せよ』の電文の発信への同意を求めた。同日、大阪弁護士団有志による反対演説会が開かれた。

 2月22日、神戸聯合約300人が湊川公園から大倉山までの抗議デモを行った。

 2月24日、京都聯合会、京都煙草労働組合、京都陶器工組合が反対労働者集会を開催。同日名古屋14組合が上京し、同市選出の代議士の家庭を訪問し要請した。同日大阪天王寺公会堂で悪法反対演説会開催。

 3月4日、官業労働主催治安維持法案反対並に失業問題演説会が都内で開かれ、約450人が参加した。

 3月7日、治安維持法反対民衆大会が東京で開催された。都内の労働組合だけでなく全国各地の代表者が参集して気勢をあげ、いざ国会議事堂に向かって、全員で殺到したとたんに、行くてを阻止しようとする警官隊が妨害し、抗議する労働者16人がたちまち検束された。かろうじて実行委員のみが議会に行き決議文を手渡した。

(次回予定)
資料・治安維持法全文(口語訳)



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