20150809
オーストラリア旅行4日目。
この日は今回の旅行中最も辛い一日になった。
前半は絶好調だったのに、後半はきつかったな…
まあ、今となっては普通にブログ書いてる余裕があるんだけどね。
朝は相当早起きをした。
正確な時間は忘れてしまったが、多分5時くらいだったと思う。
辺りはまだ真っ暗である。
何でこんなに早いかはわかるだろう。
昨日はサンセットに染まるウルルを見た。
今日はサンライズに染まるウルルを見るのである。
昨日とは別の場所に来た。
日の照らす角度が違うんだから当たり前か。
サンライズビューイングエリア。
その名もタリングル・ニャクンチャク。何とも覚えにくい名前であるが、こういう響きは現地独特の響きがあってよい。
ってか寒い。
ここは真冬だからね。普通に冬の服装である。
真っ暗の中朝飯のパンをかじる。
今回はエアーズロックリゾートで何回行ったか分からないほどお世話になったスーパーで買ったチーズパン。
このパンしか食べてない気がするな。
徐々に白んできて、あの独特のオレンジの紫の中間の色。
これくらいの空が一番きれいだ。
イエモンのパールの歌詞みたいだな。
展望デッキまであり、ウルルとの距離は昨日よりも近かった。
やはりこの場所は地平線が見えそうな何もない大平原の中にただ一つだけどーん!とウルルが見えるから本当に存在感が強調される。
荘厳な感じ。
地球のへそというのも納得できる。
ウルルのサンライズを堪能した後は、いよいよ、ウルルに登ることになる。
俺は最後まで迷った。
登るか、登らざるか…
当然、ウルルに上ることは推奨されていない。
別に危険とか、体力的な理由はどうでもいい。
何より、現地の人の宗教的な理由だ。
現地の人たちにとってはここウルルが神聖な場所であり、観光客がずかずかと踏み込んできる場所ではないのは簡単に理解できる。
結論から言うと、俺はここまで来てウルルを実際に踏みしめ、頂上からの景色を見たいという誘惑に負けてしまったのだけれど。
旅人失格かな…
今でも正しいことしたとは全く思っていない。
今回のウルル登山も当然、AAT Kingsのツアーである。
昨日に引き続き、ウルル登山の可否を何度も聞かされた。
①風、
②雨
③気温
④宗教的儀式等が行われている
これらの条件によっては登山口は閉鎖される。
そして今回は何とも運がよく、登山口は空いているとの連絡がバスの中に入った。
幾つかコースが用意されており、
①2時間でウルル登山に集中する、というもの
②1時間でウルルの半分くらいまでいって、その後はカルチャーセンターの見学。
③最初から登山をせず、下の麓道を散策し、その後はカルチャーセンターの見学。
たしか、こんな感じだったと思う。
俺は登山に行くので、①だ。
奥さんは今思えばあまり乗り気ではなかった。無理やり連れてきてしまった感がぬぐえない。
バスで登山口に到着。
で、近くでウルルを見下ろすと、圧倒的な存在感がより際立って、畏怖すら感じる。
そして斜面が思ってたより、すごい急なんだよ。
一瞬、これ本当に登れんのかなって思った。
ゲートには注意書き等の看板があり、中にはメモリアルボードも。
過去には転落して死亡事故も発生している。
いざ。
最初の10くらいは普通に登れるんだけど、そっから一気に急になる。
普通に立っていることができない位急。
確かにあれは怖いわ。
ここで登山客の半分くらいが脱落していた。
一番急な所には鎖があるんだけど、そこまでの斜面がすごいんだよ。
二足では無理なレベル。
這いつくばっていった。
それでもすべりおちそうになる。
ここで奥さんはやめることにした。
とても申し訳ないことをしてしまった。
俺は最後まで登ってみようと思い、登山を継続。
後から聞くと、その後下の麓道の散策コースに行ったらしい。写真を見せてもらった。
俺は鎖をたくりよせながら、全力で登った。
登り始めたときには最後の方だったのに、鎖場が終わるころには、先頭から2番目になっていた。
みんなが息を切らせて休憩している中、ずんずんと登る。
体調も芳しくなかったので、息が切れてくらくらしてきたが、なぜかひたすら登り続けた。
そしたら周りに誰もいなくなった。
これがすごく気持ちいい。
ホントに誰もいないんだよ。周りに。
俺だけがウルルを登っているような感じ。
途中で上から写真をとったんだけど、俺の影以外何もない。
鎖場が終わると、白いペンキに沿っての登山。
アップダウンを繰り返す。
この辺りから風が半端じゃなくなってくる。
それくらいすごいかって、普通に立ってられない位。
ふっとばされてもおかしくないよ、アレ。
台風並み。
普通に立ってると、持ってかれそうになる。
風に飛ばされて転落したのもうなずけた。
帽子なんてひもがなかったら、一瞬でふっとばされている。
誰もいないのでひたすら無言で上り続ける。
風の音がうるさ過ぎで耳がおかしくなりそう。
ごうごうという音しか聞こえない。
なんとか頂上に到着。
頂上にはたるのようなものの上に方角を示すプレートがおいておった。
俺が1位かと思ったけど、二位だった。
けど、記念撮影してもらえたから逆に良かった。
頂上からの景色はすごかった。
地平線が見えるんだけど、なんと、地球の形が見えるんだよ。
地平線が丸く、見える。
この地球の丸さを肉眼で確認できる地平線なんて初めて見た。
この景色は感動した。
そして遠くにカタ・ジュタが見える。
いよいよ復路。途中で奥さんから電話がかかってくる。
私はこれからカルチャーセンターに行くけど、くれぐれもゆっくり帰ってきてね、とのこと。
ふと時計を見ると…
あと15分で戻れば間に合う!
全く持って間に合わない時間だったら諦めてたんだけど、何とも微妙な時間であった。
気が狂ったようにダッシュで降りる。
最後の急斜面なんか転げ落ちるように下って行った。
先に頂上にゴールしていたあのチームも抜き、あの急斜面を駆け下りていく。
奥さん曰く、下から見ていて、頭おかしいほどの速さで下っている奴いるけど、まさかあれじゃないよな…って思っていたら案の定俺だったとのこと。
今思うとよく怪我しなかった…
なんと、下りは15分そこらで下ってしまった。
登山コースは①を選んだのに、カルチャーセンターに間に合ってしまった。
両方行けたのは俺だけ。最後のバスまでは全力で走った。
やろうとすれば往復1時間で行けるけど、おすすめはしません。
その後はカルチャーセンターを見学。ここでウルルのお土産も購入。
ステッカーとキーホルダーを購入。
クニヤウォークという散策道を歩く。ついさっきまであのてっぺんにいたのかと感じる。
その後はシドニーへ向かうため、エアーズロック空港へ。
昼ご飯を食べながら飛行機を待つ。
しかし、待てども待てども飛行機は来ない…
とうにフライト時間は過ぎている。ゲート前で待っている客もざわざわしだし、立ち上がり始める。
そして先ほどのAAT Kingsのスタッフが来て、なんと機体故障により、今日の便は飛ばない。さらに代わりの便はこない。さらに明日の代わりの便も何時になるか分からないという衝撃の事実を聞かされる。
今ではもうオレンジ色を見るだけでもあの時のショックを思い出す。
一度ぎゅうぎゅうのバスに押し込まれ、エアーズロックリゾートに戻る。
客全てに一泊分の宿が割り当てられるが、当然こちらにどの宿に行くかという選択権は一切ない。
一番遅く乗った我々は一番下のランクの、バックパッカーの4人部屋に割り当てられてしまった。
そういう体験を期待して旅行しているのならそれは覚悟できる。
しかし、こんな不足な事態で何も知らない外国人と一緒の部屋で一晩過ごすには、ショックが強すぎて耐えられなかった。。
体調不良が一気に加速する。吐き気が止まらない…
いてもたってもいられず、エアーズロックリゾートのスーパーでとりあえず食料を購入しに行く。
歩いている最中も吐き気が収まらない。
夕飯はひたすらブドウを食べ続けた。奥さんはヌードル食べてたけど。
帰ってきてからはすぐにシャワーを浴びて寝た。
この日を耐えられれば、耐えられれば…とずっと考えながら寝た。
本当に辛かった。この日は。
オーストラリア旅行4日目。
この日は今回の旅行中最も辛い一日になった。
前半は絶好調だったのに、後半はきつかったな…
まあ、今となっては普通にブログ書いてる余裕があるんだけどね。
朝は相当早起きをした。
正確な時間は忘れてしまったが、多分5時くらいだったと思う。
辺りはまだ真っ暗である。
何でこんなに早いかはわかるだろう。
昨日はサンセットに染まるウルルを見た。
今日はサンライズに染まるウルルを見るのである。
昨日とは別の場所に来た。
日の照らす角度が違うんだから当たり前か。
サンライズビューイングエリア。
その名もタリングル・ニャクンチャク。何とも覚えにくい名前であるが、こういう響きは現地独特の響きがあってよい。
ってか寒い。
ここは真冬だからね。普通に冬の服装である。
真っ暗の中朝飯のパンをかじる。
今回はエアーズロックリゾートで何回行ったか分からないほどお世話になったスーパーで買ったチーズパン。
このパンしか食べてない気がするな。
徐々に白んできて、あの独特のオレンジの紫の中間の色。
これくらいの空が一番きれいだ。
イエモンのパールの歌詞みたいだな。
展望デッキまであり、ウルルとの距離は昨日よりも近かった。
やはりこの場所は地平線が見えそうな何もない大平原の中にただ一つだけどーん!とウルルが見えるから本当に存在感が強調される。
荘厳な感じ。
地球のへそというのも納得できる。
ウルルのサンライズを堪能した後は、いよいよ、ウルルに登ることになる。
俺は最後まで迷った。
登るか、登らざるか…
当然、ウルルに上ることは推奨されていない。
別に危険とか、体力的な理由はどうでもいい。
何より、現地の人の宗教的な理由だ。
現地の人たちにとってはここウルルが神聖な場所であり、観光客がずかずかと踏み込んできる場所ではないのは簡単に理解できる。
結論から言うと、俺はここまで来てウルルを実際に踏みしめ、頂上からの景色を見たいという誘惑に負けてしまったのだけれど。
旅人失格かな…
今でも正しいことしたとは全く思っていない。
今回のウルル登山も当然、AAT Kingsのツアーである。
昨日に引き続き、ウルル登山の可否を何度も聞かされた。
①風、
②雨
③気温
④宗教的儀式等が行われている
これらの条件によっては登山口は閉鎖される。
そして今回は何とも運がよく、登山口は空いているとの連絡がバスの中に入った。
幾つかコースが用意されており、
①2時間でウルル登山に集中する、というもの
②1時間でウルルの半分くらいまでいって、その後はカルチャーセンターの見学。
③最初から登山をせず、下の麓道を散策し、その後はカルチャーセンターの見学。
たしか、こんな感じだったと思う。
俺は登山に行くので、①だ。
奥さんは今思えばあまり乗り気ではなかった。無理やり連れてきてしまった感がぬぐえない。
バスで登山口に到着。
で、近くでウルルを見下ろすと、圧倒的な存在感がより際立って、畏怖すら感じる。
そして斜面が思ってたより、すごい急なんだよ。
一瞬、これ本当に登れんのかなって思った。
ゲートには注意書き等の看板があり、中にはメモリアルボードも。
過去には転落して死亡事故も発生している。
いざ。
最初の10くらいは普通に登れるんだけど、そっから一気に急になる。
普通に立っていることができない位急。
確かにあれは怖いわ。
ここで登山客の半分くらいが脱落していた。
一番急な所には鎖があるんだけど、そこまでの斜面がすごいんだよ。
二足では無理なレベル。
這いつくばっていった。
それでもすべりおちそうになる。
ここで奥さんはやめることにした。
とても申し訳ないことをしてしまった。
俺は最後まで登ってみようと思い、登山を継続。
後から聞くと、その後下の麓道の散策コースに行ったらしい。写真を見せてもらった。
俺は鎖をたくりよせながら、全力で登った。
登り始めたときには最後の方だったのに、鎖場が終わるころには、先頭から2番目になっていた。
みんなが息を切らせて休憩している中、ずんずんと登る。
体調も芳しくなかったので、息が切れてくらくらしてきたが、なぜかひたすら登り続けた。
そしたら周りに誰もいなくなった。
これがすごく気持ちいい。
ホントに誰もいないんだよ。周りに。
俺だけがウルルを登っているような感じ。
途中で上から写真をとったんだけど、俺の影以外何もない。
鎖場が終わると、白いペンキに沿っての登山。
アップダウンを繰り返す。
この辺りから風が半端じゃなくなってくる。
それくらいすごいかって、普通に立ってられない位。
ふっとばされてもおかしくないよ、アレ。
台風並み。
普通に立ってると、持ってかれそうになる。
風に飛ばされて転落したのもうなずけた。
帽子なんてひもがなかったら、一瞬でふっとばされている。
誰もいないのでひたすら無言で上り続ける。
風の音がうるさ過ぎで耳がおかしくなりそう。
ごうごうという音しか聞こえない。
なんとか頂上に到着。
頂上にはたるのようなものの上に方角を示すプレートがおいておった。
俺が1位かと思ったけど、二位だった。
けど、記念撮影してもらえたから逆に良かった。
頂上からの景色はすごかった。
地平線が見えるんだけど、なんと、地球の形が見えるんだよ。
地平線が丸く、見える。
この地球の丸さを肉眼で確認できる地平線なんて初めて見た。
この景色は感動した。
そして遠くにカタ・ジュタが見える。
いよいよ復路。途中で奥さんから電話がかかってくる。
私はこれからカルチャーセンターに行くけど、くれぐれもゆっくり帰ってきてね、とのこと。
ふと時計を見ると…
あと15分で戻れば間に合う!
全く持って間に合わない時間だったら諦めてたんだけど、何とも微妙な時間であった。
気が狂ったようにダッシュで降りる。
最後の急斜面なんか転げ落ちるように下って行った。
先に頂上にゴールしていたあのチームも抜き、あの急斜面を駆け下りていく。
奥さん曰く、下から見ていて、頭おかしいほどの速さで下っている奴いるけど、まさかあれじゃないよな…って思っていたら案の定俺だったとのこと。
今思うとよく怪我しなかった…
なんと、下りは15分そこらで下ってしまった。
登山コースは①を選んだのに、カルチャーセンターに間に合ってしまった。
両方行けたのは俺だけ。最後のバスまでは全力で走った。
やろうとすれば往復1時間で行けるけど、おすすめはしません。
その後はカルチャーセンターを見学。ここでウルルのお土産も購入。
ステッカーとキーホルダーを購入。
クニヤウォークという散策道を歩く。ついさっきまであのてっぺんにいたのかと感じる。
その後はシドニーへ向かうため、エアーズロック空港へ。
昼ご飯を食べながら飛行機を待つ。
しかし、待てども待てども飛行機は来ない…
とうにフライト時間は過ぎている。ゲート前で待っている客もざわざわしだし、立ち上がり始める。
そして先ほどのAAT Kingsのスタッフが来て、なんと機体故障により、今日の便は飛ばない。さらに代わりの便はこない。さらに明日の代わりの便も何時になるか分からないという衝撃の事実を聞かされる。
今ではもうオレンジ色を見るだけでもあの時のショックを思い出す。
一度ぎゅうぎゅうのバスに押し込まれ、エアーズロックリゾートに戻る。
客全てに一泊分の宿が割り当てられるが、当然こちらにどの宿に行くかという選択権は一切ない。
一番遅く乗った我々は一番下のランクの、バックパッカーの4人部屋に割り当てられてしまった。
そういう体験を期待して旅行しているのならそれは覚悟できる。
しかし、こんな不足な事態で何も知らない外国人と一緒の部屋で一晩過ごすには、ショックが強すぎて耐えられなかった。。
体調不良が一気に加速する。吐き気が止まらない…
いてもたってもいられず、エアーズロックリゾートのスーパーでとりあえず食料を購入しに行く。
歩いている最中も吐き気が収まらない。
夕飯はひたすらブドウを食べ続けた。奥さんはヌードル食べてたけど。
帰ってきてからはすぐにシャワーを浴びて寝た。
この日を耐えられれば、耐えられれば…とずっと考えながら寝た。
本当に辛かった。この日は。