3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

厳戒態勢の冬の旅 6 ―帰りのフライトキャンセル編―

2016-01-30 20:21:44 | 


20151231

飛行機に搭乗。すでに深夜だ。
帰りも同じく、ベルギーの空港からトルコのアテャトゥルク空港でトランジット。

この飛行機が少し遅れ、空港では走った。それくらいギリギリ。
何とか搭乗時間までに間に合った。

あの寒い風が入ってくるあのゲートのことを多分これから先ずっと忘れない。

飛行機は沖停めだったため、バスに乗り込む。

外は大雪で真っ白。滑走路も雪で真っ白。

この時は帰れなくなるなんて微塵も思っていなかった。


飛行機に乗り込む。眠気と疲れがピークを迎えていた。

飛行機が飛び立つのは1時10分

そして日本の成田空港着は19:55分。

あと8時間ほどのフライトで日本の成田空港に到着しているはずだ。

そう思ってウトウトして浅い眠りについた。




どれくらい時間が経過しただろうか。


今何時なのか。はっきりとした時間は分からない。

しかし自分の皮膚感覚からすると、だいぶ長いこと眠りについてしまったようだ。

あの飛行機の寝苦しい空間で目を覚ました時特有の不快感とともに、時計を見る。



二時間も寝かしている。



どう考えてもおかしい。


だって飛行機は滑走路の上をピクリとも動いていないんだから。



そして…



英語でこのフライトがキャンセルされたアナウンスを知る。

雪で飛べない。そしてもう成田空港のゲートが閉まってしまった。といった内容。

そして飛行機から空港へと戻された。

この時の絶望感と言ったら。
いや、言葉で言い表すのはとても難しい。

けど今でもあの雰囲気だけは鮮明に覚えている。精神的にだいぶやられた。

時間はまだ4時とかそこら。


そしてここから悪夢の時間が始まった。



空港に戻ってからは乗客たちが一斉にキャリアのスタッフに駆け寄り、質問をする。

当然、“何時に飛行機は飛ぶのか?”である。

そして今回の一番の絶望感とストレスの原因が以下のことだった。

“時間は分からない。時間が分かり次第連絡する。”


ひたすらこの対応であった。

これが一番のストレスの原因。

時間が分かっている飛行機であれば、何時間でも精神的に待てる。

しかしいつ飛ぶのか分からない飛行機をひたすら待ち続けるという行為の絶望感と言ったらなかった。

いつまで待っていればよいのか答えがないものを待ち続けることほどつらいものはない。

加えて風呂にも入っていない、殆ど寝ていない徹夜明けの体。しかもホテル等の施設に行くわけにもいかない。
なぜなら飛行機はいつ飛ぶか分からないからだ。
ゆっくりとくつろげる場所なんてない。何とか確保したのは空港のフードコートの二つの席のみ。この二つの席が命綱になった。
しかも出発の直前でトルコの空港がテロで爆破されているのだ。
ここには一秒でも長く居たくはない。



どんどん不安な考えが押し寄せ、マイナスなことばかり考える。


もしかして、日本に帰れないんじゃないか…


海外旅行はこれが本当に怖いと感じた。

国内ならどうにかして帰れる。他に手段がある。しかし海外はどうしようもない。

案内するといっても放送でするのであろうか…
こんな喧騒の中にあるフードコート内で、しかも英語をしっかりと聞き取れるだろうか。

そしてひたすら電光掲示板の“TK52 DELAY”の文字を見続ける時間が始まった。

この作業がこんなにも精神的にきつい作業だとは思わなかった。

ひたすら変わらないものを見続けるのは人間3分が限界だ。

何時間見続けたんだろう… 思い出すと気が遠くなる。

途中、何度もそのキャリアのインフォメーションセンターに行った。
30分毎くらいに行った。そして何度も尋ねた。

しかし答えは全て同じ。

時間は分からない。フライトの時間は電光掲示板に出す。これ。

航空会社からはスプライトの缶と固く冷たく凍った小さいパンをもらった。
15分の時間つぶしにもならなかった。

途中、奥さんと交代で仮眠をとった。
機中泊はあるが、空港で夜を明かしたのは初めての経験であった。

途中、トルコアイス食べてちょっと元気になった。
TURCUISINEというレストランが近くにあったので、昼ご飯を食べた。

既に何時間待ったのか忘れた。

これが本当に涙が出るほどうまかった。


当時のこの食事を食べた俺のフェイスブックの記事は…

今まで食べた料理の中で一番おいしかった、と書いてあった。

そうとう精神をやられてしまっていたようだ。



食べた後もひたすら待った。

待って、待って、待ち続けた。


今回、唯一の救いは、喫煙所があったこと。

これは神の救いの如く。これがなかったら精神的にやられて発狂していたと思う。

あの大雪が降る寒すぎる屋外の喫煙所。何度行ったか分からない。
たばこに救われた。本当にあの時はたばこに救われたとしか言いようがない。
あの景色も今でも鮮明に覚えている。

しかしたばこの本数も底をつきそうになってきた。

近くにいた日本人の女性の旅行者が話しかけてきた。彼女は一人で旅行していた。
多分、不安で不安でたまらなかったのであろう。

本当にいつ帰れるのか…

何回思ったか分からないこの疑問を抱き、また裏切られることの繰り返し。




そして、その時はあまりに突然、唐突に、あっけなくやってきた。


電光掲示板を見ると、TK52 ⇒ GATE○


奥さんと叫んだ。

あるッ!!

この時の喜びはどう表現したらよいのだろうか。
先ほどの飛行機から空港に押し戻された時の絶望感を表現するのと同じくらい難しい。

先ほどの日本人の一に伝える。
ありましたよ!!

狂喜して今度は走る。全力疾走である。これで遅れたらもう完璧にジエンド。

というか放送も何もなかった。あれ気づかない人も多くいると思うが、来れなかったらどうするのであろうか。
しかし、人の心配をしている余裕など微塵もなかった。
あ、あの日本人女性には伝えたけど。


そして、飛行機に乗り込み、席に着く。
昨日の搭乗の時に隣に座った人がまた隣に座った。なんか絆が生まれたような気がする。

そして飛行機が飛んだ。

この離陸の瞬間には機内で大喝采と拍手が起こった。

どれだけ皆が同じで気持ちでこの時を待ち続けていたのかが分かる。


結果的に、20時間待った。


12月31日の19時に日本に帰るはずだった飛行機は、20時間遅れ、1月1日の14時に到着した。

なんととっくに新年を迎えてしまっていた。
けど最早そんなことは至ってどうでもよくなっていた。

無事に日本に帰ってこれた。


これに替えるものはない。


20時間空港で待ち続け、夜を明かしたのは当然、この時は初めて。

もう二度と経験したくはないが、だいぶ経験値はアップした気がする。

あの喫煙所ありがとう。



あのフライトの半券は今でも記念に手帳に挟んである。





厳戒態勢の冬の旅 5 ―ブリュッセル&帰国編―

2016-01-24 00:10:46 | 
2015年12月30日

ヨーロッパ紀行4日目。
このヨーロッパ紀行もいよいよ最終日を迎えた。

昨日と全く同じのメニューで朝食を。
やはり温かい朝食は本当にうまい。
このホテルにも本当にお世話になった。ホテルの前で記念写真を一枚。

この日はまず昨日行くことができなかったマグリット美術館へ。
と言いたいところだが、ホテルの近くにあるマニアックなブリュッセル名所があるのだ。

ブリュッセルと言えば、ジュリアン君こと、小便小僧は超有名である。
しかし、ここには小便少女も存在することはご存じだろうか。

その小便少女は泊まったホテルから徒歩一分の場所。
ここに本当に名所が存在するのかというような小さな裏路地にそれはあった。

その少女は座って放尿していた。

なんて言うか…
リアルというか、生々しいというか…
複雑な感情を抱かずにはいられない。


そして通り道なので、中央駅へ。
まずは空港までの切符を購入する。
今日の4時にはブリュッセルを去るために空港に行かなければならない。
迷彩柄の銃を持った警官たちがいるなか、切符売り場に並び、無事購入することができた。
空港行きの列車はここから15分おきに出ていることはすでに確認済みである。

次にRelayという店で最後のインターナショナル用の切手を購入、その中にあったポストに投函した。
これで何とか無事に日本にポストカードが届くだろう。

用事を済ませ、いよいよマグリットの美術館へ。
中央駅のからくり時計が鐘の音を鳴らしていた。

ここマグリット美術館は実は古典美術館というとても大きな美術館の一つなのである。
古典派美術館のほかに、世紀末美術館、現代美術館といくつかの美術館が一つの大きな美術館の中に入っている。
チケットを購入し、中へ。厳重なセキュリティーチェックであった。

中はとても大きく、現代美術館も少し見てみたかったな。

マグリット美術館だけあり、数多くのマグリット作品を鑑賞することができた。
やっぱり彼はかっこいい。スーツにネクタイ、ハットという恰好がやはりツボだ。
ショップも充実の品ぞろえであった。
大好きなマグリットの作品を見ることができたため、目録を買ってしまった。

マグリット美術館を後にし、一服。
まだだいぶ時間がある。

この旅初めてブリュッセルでトラムに乗る。
地球の歩き方で路線を調べる。
美術館のすぐそばにトラム乗り場があり、Palais Paleizenという乗り場。

目的の停車駅はJansonという駅。これは流石に歩ける距離ではない。

目的のトラムは92番か93番だ。

駅の電光掲示板を見るとすぐに92番のトラムが来た。
乗り込んで車掌から一日券を購入。
ブリュッセルのトラムはこの一日券を検札器に挿入し、時間を印字する。

10分そこらで到着。

地球の歩き方の生き方に沿ってオルタ美術館へ。
ここも世界遺産にに登録されている。
中には入らず、外観だけ眺める。建築様式の独特な建物がずらりと並ぶ。
しばし辺りを散歩し、帰りのトラムに。先ほどの広場前に帰ってきた。

中央駅を抜け、いよいよこの旅も終わりに近づいてきた。

最後のグラン・プラス。
これでここともお別れか。

そして最後の最後、ベルキーに来たんだからということで、食べました、ベルギーワッフル。
グラン・プラス付近のワッフル屋でチョコレートとイチゴのワッフルを頼む。
これでもかってくらいの生クリームの量にびっくりした。

ホテルに戻り、バゲッジルームに預けていたスーツケースをもって中央駅へ。

既に切符は購入してある。

スムーズに列車に乗り込むことができた。予定よりも一本早く。
せっかく北駅方面に行くので、上からあの飾り窓地域を車窓から撮影しようと思ったのだが、車線が違いできず…

空港にはかなり早めに到着し、スーツケースもスムーズに預け身軽に。
空港内で日本へのお土産もばっちり購入。もう思い残すことはない。

出発前、最後のビール、レフをいただく。

これで本当に思い残すことはもうない。

これで心置きなく日本に帰れる。

日本に帰れる…

そのはずだった…





厳戒態勢の冬の旅 4 ―アントワープ&ブリュッセル編―

2016-01-16 19:11:16 | 
2015年12月29日

ヨーロッパ紀行3日目。

この日はベルギーで最も行きたかった場所、そして今までずっと行きたいと思いを馳せていた場所へ行く日。

出発は急ぐわけでもなかったので、このたび初めてホテルで朝飯を食べることができた。
せっかく全部朝食ついてたのに…

ホテルの7階のビュッフェ。

チョコレートのクロワッサン、サラダ、ベーコン、スクランブルエッグ、ハム、チーズ…
ヨーロッパによくありがちな普通の朝食。
しかし、温かい食事がやっぱり美味しい。こんなに食べていいのかってくらい食べた。

何度も訪れたブリュッセル中央駅へ。

窓口に行き、切符を注文する。

アントワープまでのリターンを。

11ユーロを払い、列車へ。
アントワープまでは1時間かからない位。

北駅を通過するときに、かの有名な“飾り窓”地域を車窓から見る。
本当にそのまんまの飾り窓の光景。
本当にあんなかっこでショーウインドウに立っているんだな。

アントワープに到着し、すぐにその駅舎の荘厳さにびっくりした。
まさに歴史あるヨーロッパの駅舎という感じ。
ブリュッセル中央駅なんて比べ物にならない位立派な駅であった。

そして向かうのは俺がこのたびで最も楽しみにしていた場所。

アントワープ大聖堂(聖母マリア大聖堂)。


中央駅からは結構歩く。30分以上は歩いた。迷った分を含めれば1時間くらい歩いたかも。

尖塔が見えてきた。
外観を見たときには感動した。とうとう来たよ。ここが俺がずっと来たいと思っていた場所か…


入り口の前は少し広場になっており、写真を撮ろうと試みるが、何せデカすぎて全体が入らない。

入場料を払って聖堂内へ。

真っ先に俺が一番楽しみにしていた場所へと向かう。

それは過ぎに見つけることができた。

ルーベンスの祭壇画、『キリスト降架』


なぜ俺がこんなにもアントワープを訪れたかったのかというと、このルーベンスのこの絵を見たいがためであった。

この『キリスト降架』はある少年も見たいと思いを馳せていた祭壇画なのである。

フランダースの犬のネロとパトラッシュが死の直前に見た絵画。
それこそがこのアントワープ大聖堂の『キリスト降架』なのである。

「やっと見れたよパトラッシュ…」

アニメの中でネロはそういったが、俺もとうとうこの絵をこの目で見ることができた。

この絵を見るためにベルギーまで来たといっても過言ではない。
この目に焼き付けるため、その絵画の前でしばし立ちつくし、見入っていた。


ここアントワープ大聖堂は上記の『キリスト降架』だけではなく、ルーベンスの様々な見事な祭壇画を見ることができる。

『キリスト降架』の対をなす『キリスト昇架』等のネロ少年が見たかった祭壇画を見ることができる。

そしてネロとパトラッシュが永遠の眠りに着いた場所である祭壇は神聖な雰囲気が漂っていた。




聖堂を後にし、地球の歩き方を見ると、“フランダースの犬祈念碑”なるものが近くにあるとのこと。
探してみてみたが、ちょっと小さかった。

帰り道は大いに迷い、相当の時間がかかってしまった。
昼ごはんは帰り道にあったマック。
やはりマックは世界各国はずれがない。おなじみの味である。
奥さんの足が痛くなってしまい、靴を購入するため、駅近くのナイキショップへ。
アントワープでスニーカーを購入するってのもレアな体験である。


午前中が終わり、帰路へ。
再度ブリュッセル中央駅を目指す。
奥さんは車内でスニーカーに履き替え、生き返っていた。

北駅付近ではまた飾り窓を車窓から眺めた。
交渉しているところや、実際に中に入っていくところまで見ることができた。


午後はブリュッセルの観光。
ブリュッセル滞在三日目にしてようやくブリュッセルの観光である。

街中には中世の町のように馬車が闊歩していた。


まずは2回目のグラン・プラスへ。

何度来ようが素晴らしいものは素晴らしい。
夜のグラン・プラスしか見たことがなかったので、明るい時間帯のグラン・プラスは新鮮に映る。
この空間で周りを眺めているだけで幸せである。

セルクラースの黄金の像にもしっかりタッチした。

その後はブリュッセルのマスコットキャラクター、ジュリアン君に会いに行く。
そう、小便小僧ね。
ここブリュッセルの小便小僧は世界各国の小便小僧の本家本元。
なんとこのジュリアン君はかつて国を小便で救った英雄なのである。

タンタンの壁画を抜けて見つけた。

流石、世界三大がっかりスポットと言われているだけのことはある。
注意してみないと見逃してしまうほどの大きさ。
ただ、あの小さな小便小僧の前に人だかりができており、人の数はすごかった。

駅に戻り、中央駅でいたるところの切手を買い占める。
明日には帰国のため、必ず明日には投函しなければならない。
しかし、なんとあと三枚ほど足りず。

その後は俺が大好きなシュールレアリスムの芸術家、マグリットの美術館に向かう。
しかし、時間がぎりぎりになってしまい、入場することができなかった。
時間は4時半。これで帰ってしまうには惜しい時間だ。


そして大急ぎである場所へ向かう。

EU本部。

ヨーロッパ連合、略してEU。
このEUの本部はここブリュッセルにあるのだ。世界史を学ぶものとしてぜひとも訪れてみたい場所である。

中央駅からひたすら歩いた。
多分歩く距離ではないと思う。暗くなりかけていたので、早歩きで浸すら40分くらい競歩のように歩き続けた。

ようやく到着。
中に入ることはできないが、その外観を眺めるだけでも十分だ。
加えて苦労して到着した場所だったため、喜びも一入だ。青い旗がいくつも風になびいていた。

帰り道はまた同じ道をひたすら歩き続ける。中央駅に着いた頃にはすっかり暗くなっていた。

中央駅の裏側(グラン・プラス側ではなく、美術館がある側)はちょっとした公園のような広場になっており、ここから見るグラン・プラスの市庁舎はライトアップされとても綺麗。

中央駅では気軽に一杯飲めそうなバーを見つけたので、お気に入りのレフをひっかける。
ここで飲んだビールが一番うまかった。


そして夕飯。

この日はベルギーの名物料理であるマッスルを食べようと決めていた。
マッスルとは、ムール貝のこと。
これを白ワインで蒸した料理が有名なのである。ブリュッセルの夕食時はいたるところからマッスルの白ワイン蒸しのにおいが漂っている。

ホテルからすぐ近くのレストランでマッスルを注文。
付け合せはこれまた定番、フリット。これはフライドポテトのこと。
やはりマッスルは美味しい。中に一緒に入っているセロリもいい味出している。


そして一度ホテルに戻るが、まだまだ終わらない。
夜の楽しみが待っている。

グラン・プラスの音と光のショー。

またあの感動を味わいたくてしょうがないのだ。何度行けば気が済むのかって言われそうだが構わない。
1日目は偶然行って始まっていたが、今回は8時からの時間に合わせ、始めから最後までしっかりと見ようと決めた。
そして写真を撮らず、肉眼で見続けようと決めた。

ショーが始まる…

やはりこの荘厳な建物が色とりどりの光に照らされて、壮大なBGMがかかると本当に素晴らしいとしか言いようがない。
今回はi-phoneを封印し、ずっとひたすら最後まで見入っていた。

本当にこの音楽が知りたい。なんていう曲なのか。もしかしたらオリジナルなのかもしれないけど。

感動冷めやらぬまま、ホテルへ戻る。

部屋でポストカードを書く。枚数は多かったが、今回は1日目のルクセンブルク、2日目のオランダと列車を使った旅であったことに加え、その移動時間も長かったため、列車の中でポストカードを書くという、何とも時間を有効に使うことができていたのだ。
残りのポストカードをすべて書き上げ、インターナショナル用の切手を張り、準備万端で最終日に備えた。


ヨーロッパ紀行3日目、アントワープ&ブリュッセル終了。


厳戒態勢の冬の旅 3 ―オランダ編―

2016-01-14 22:40:34 | 
2015年12月28日

ヨーロッパ紀行2日目。
この日は昨日にもまして早起き。
なんせこの日は6時38分発の列車に乗らなければらなかった。
しかもこの日使うのはタリスだ。昨日と違い、遅刻は許されない。

昨日はICを予約していたが、タリスはいわばヨーロッパ版新幹線。
のる列車はもちろん、座席まですべて指定である。

駅の勝手は昨日の旅である程度分かっていたため、ちょっとだけゆっくりとホテルを後にする。

20分前くらいに中央駅に到着。
昨日と全く同じスタバで昨日と全く同じサンドイッチを購入。そのスタバは6時30分に開くらしかったが開けてくれた。

まずはICでブリュッセル北駅まで。
今回は乗り換えが必要で、残念ながら中央駅からはタリスが出ていないのである。

昨日の旅でICはどの列車に乗ってもOKということを学習していたため、一本早い列車に乗る。
日本のネットで予約したタリスはトランスファーの時間が10分しかなく、勝手のわからない北駅での乗り換えが不安だったからである。

5分で北駅には到着。
タリスの発着するホームはすぐに見つけることができたが、20分前に到着することができて精神的にも余裕があった。

車掌に確認し、自分のコーチと座席を確認する。
ここからアムステルダムまでは約2時間の列車の旅。

タリスの中は昨日のICよりさらに快適な車内であった。
まさに新幹線。
とてもきれいで紫とピンクを基調とした内装はスタイリッシュであった。
座席の前の折り畳み式テーブルも新幹線っぽい。

さっそく中央駅で購入したスタバのサンドイッチをむさぼる。

昨日の三時間を経験していたせいか、2時間はあっという間に感じた。
終点ではないため、停車駅には常に注意していた。

そして2時間後、アムステルダムに到着。

第2国目、オランダ。
正式にはネーデルラント王国。

早速アムステルダム中央駅の外観を眺めるために外へ。

これが有名なアムステルダム中央駅駅舎か。
本当に東京駅にそっくりである。
朝早かったので、人もまばら。ゆっくりと写真を撮ることができた。

再度駅の中へ。
アムステルダムの散策ではなく、オランダではまず最初に行きたい場所があった。

ザーンセスカンス。

この名前を知っている人はどれくらいいるのだろう…

世界の果てまでイッテQという番組で、ベッキーが24時間で何か国回れるの?という企画で、オランダの際に訪れた場所である。

オランダと言えば風車である。

そのオランダの原風景とも言うべき風車群が、そこザーンセスカンスでは見ることができる。
オランダではアムステルダムよりもまずそこに行こうと初めから決めていた。

駅のインフォメーションで確認すると、10分後くらいにザーンセスカンスに行くことができるUitgeest行きの列車が発車するとの情報。
加えてこの窓口ではチケットは購入できないとのこと。あの青い券売機で買えと言われる。

即行で券売機に。しかし。

紙幣が使えない…
クレジットカードは使用できたが、どうやっても何度通しても読み込まなく、チケットが買えない…

無情にも乗ろうとしていた列車は行ってしまった。

肩を落としてうなだれる。インフォメーションボードを見ると、先ほどのUitgeest行きはずっと表示されていない。
何分後、下手したら何時間後になるのかわからない。
午前中にザーンセスカンスに行く予定だったが、これは予定を変更してアムステルダムの散策を先に持ってこなければならないのではないか…

そうして途方に暮れているところ、奥さんが先ほどのインフォメーションの窓口のパソコンの中をのぞき見る。
すると!

20分後にまた同じ行先の列車が来ることを見つける。
でかした!

近くのコーヒーショップで上手に買い物し、コインを作る。
何とか6.20ユーロ用意することができ、切符も無事に購入。

大幅なロスはなく、30分程度の遅れで列車に乗り込むことができた。

ザーンセスカンスにはKoog-Zaandijkという駅で下車する。
アムステルダム中央駅からは各駅停車で10ほどで到着。

Koog-Zaandijkからは看板が出ており、駅を出てまっすぐ歩き、左に曲がると大きな橋が見えてくる。
ここの交差点はまさにイッテQで見た景色と全く同じ。

橋からは風車が見える。
まさにDVDで見た光景である。

緑を基調としたかわいらしい建物が立ち並び、とてもきれいな場所であった。
午前中だったため、人も多くなく、朝の冷たさが非常に心地よい。
天気も申し分なく、真っ青な空にゆっくりと回転する風車がきれいに映える。

中に入ることもでき、実際に風車小屋の中で大きな歯車が回っているのを間近で見ることができた。

ここは木靴が有名らしい。木靴屋があり、中に入ってみると所狭しと、壁一面カラフルな木靴が。
購入はしなかったが、記念に履いてみた。
しかもその店で木靴を掘っているのを実演していた。いいもの見れた。

加えてもう一つここで有名なもの。
チーズである。

色々な種類のチーズが置かれており、試食品も多数。いろいろなチーズを味見する。
美味しい。濃厚な味わい。

昼飯はチーズワッフルと、ポテトに大量のチーズをかけたもの。おいしかった。

まさにオランダを表すような原風景と出会えて大満足でザーンセスカンスを後にする。
ちなみに、お土産を上手に購入し、コインを作っていたことは抜かりない。

駅に着くと、なんとアムステルダム中央駅行きの列車発まで5分前。
もうダッシュで券売機にコインを入れまくる。
が、間に合わず…


またかよ…っと思っていたらまたすぐに15分後くらいに来た。


10分後、アムステルダムに戻ってきた。

ここでの移動の足にトラムの一日券を購入しようと試みるが、建物内には人、人、人…
購入はトラム内でもできるということなので、諦めてトラム内の車掌さんから直接購入しようと決めた。

地球の歩き方を開き、トラムの路線図をチェック。

次に行きたいのは超有名な国立美術館。やはりアムステルダムに来たのだ。オランダの最高級の芸術作品を見ておかなければ。

国立美術館の目の前に停車駅があり、中央駅の乗り場からは、2番のトラムで行けることが発覚。
ほどなくして青い車体をしたトラムが来た。
頭を見ると…2番だ。

乗り込む。人が多く、ぎゅうぎゅう詰だ。何とか車掌さんのところまで行き、一日券を購入する。

停車駅を入念に確信しながら国立美術館の前で下車。
すぐ目の前に見えた。

国立美術館ではまずレンブラントの夜警。
その大きさは想像していたよりもずっと大きく、迫力があり圧倒された。

そしてゴッホの自画像やフェルメールの牛乳を注ぐ女など、オランダ出身の画家たちの超有名作品をこの目で見ることができた。

入り口にはロッカーもあり、バックパックやコート類はすべて預け、身軽に見れたのもいいね。
お土産も購入し、次はすぐ隣にあるゴッホ美術館へ。

よし、美術館を梯子だ、と思ったら…

とんでもない人の列。
一気に並ぶ気がなくなるレベル…

国立美術館に比べ、小さなためか並んでいる人の数がすごかった。
これに並んでいては、6時のタリスに間に合わない可能性もある。諦めるしかなかった。
ああ、見たかったなぁ… ゴッホ美術館。
タダでは帰れないと思い、お土産やでタダのパンフレットを持って帰った。

先ほどの乗り場から再度トラムへ乗り込む。

途中急停車し、トラムとトラムが正面でお見合いになってしまった。こんなことってあるのか…


アムステルダムの残り時間は2時間。

最後はアンネフランクの家に最後の時間をかけた。

Damという停車駅でトラムを降りる。

途中運河を何度も渡ったが、このアムステルダムの運河は世界遺産に登録されている。

そして20分ほど歩き、アンネフランクの家に到着。

最後の残り時間をすべてここにかける予定だったが…

ゴッホ美術館とは比べ物にならない位の人の列。
この時の絶望感と言ったら…

アムステルダムではここを一番訪れたいと思っていたため、ショックは大きかった…

けど並んでる人の数おかしいだよ。先が見えないんだもん。2時間待ちは当たり前みたいな。

泣く泣くあきらめる。
もしまたオランダのアムステルダムに来る機会があったら…
アンネフランクの家は午前中の早い時間に来て、ネットで予約しておこう。

近くのお土産やでオランダグッズを購入し、時間があったので歩いて帰ろうとしたが、
奥さんの足が痛くなってしまったので再度トラムに。一日券だから乗り放題だしな。
1時間半前位に中央駅に戻ってきてしまった。

朝、コインを作るために入ったカフェでまったり、疲れを取った。相当長居してしまったな。チョコレートがとてもおいしかった。

時間を持て余し、時間の潰し方に苦労しながら、駅内を三往復ぐらいしてしまった。
何も買わなかったけど。

帰りのトラムの行先はなんとパリ…
これは要注意である。うっかり寝過ごしたりなんかしたら、ベルギーすっ飛ばしてフランスまで行ってしまう。
停車駅に注意しながら何事もなく、無事にブリュッセル北駅に到着。
途中タリスの中の女性用トイレに隠れてるやつがいて、まさかテロか爆弾でも仕掛けてるんじゃないか…ってテロを疑ったりもしたけど。

北駅までくれば何となく安心。無事に中央駅まで戻ってきた。
この位には中央駅に戻ってくるとほっとしている自分がいた。初日はあんなにビビってたのに。

ベルギーに戻ってきて、夕飯はグラン・プラスの近くの中華料理屋。
早くも米や日本食に飢えてしまっていたのか、とても魅力的に映った。

Fish Bll Noodlesというのがあったので、つみれのような魚のすり身が入ったラーメンなのかと思い、注文してみた。

実際に運ばれてきたのは、うどんであった。おいしかったけどね。出しがきいてる薄味で優しい味付けだった。中華ではなかったけど。
ちなみに、Fish Ballはかまぼこであった。
一緒に頼んだ、ベルギーの地ビール、Duvelは美味しかった。
ちなみにグラスはワイングラスのような感じ。


ヨーロッパの旅2日目、オランダ終了。


厳戒態勢の冬の旅 2 ―ルクセンブルクの街並みとブリュッセル、グラン・プラス編―

2016-01-11 18:48:16 | 
2015年12月27日


この日は6時に起きた。
準備を手早く済ませ外に出る。

ホテルから駅へと向かう。

ホテルからの最寄駅はブリュッセル中央駅で、10分ほどで到着する場所にある。

辺りはまだ真っ暗。人もほとんど通っていない。
そしてその誰もいない真っ暗な町が怖い。

いきなり話しかけられたのは酔っぱらっていると思しき若者二人組。
ライターを貸してくれとのこと。向こうは何語か分からなかったが、なぜか通じ合った。
びくびくしながら中央駅に向かう。

この日はルクセンブルクに行く予定であった。
スターターとしては申し分ない場所である。

日本であらかじめ列車を予約していた。
ICという列車。InterCity、つまり、都市と都市を結ぶ急行列車である。

出発は7:37分。そして到着予定は10:50分。
つまり3時間13分も列車に乗りっぱなしなのである。

俺が予約した列車は乗り換えなしでルクセンブルクに行くことができるようだ。

ネットで予約したということに加え、初めて列車に乗るため、かなり早く到着しておいた。
7時くらいに中央駅に到着。

まずはこのプリントアウトしたチケットが有効なのか確かめるために窓口へ。

俺の予想ではこのプリントと引き換えに切符が貰えるのかと思っていたが、そうではなく、この紙がすでに切符になるとのこと。

窓口のオッチャンは優しく、丁寧に教えてくれた。
電光掲示板を見ると例の7:37分発の列車はBassel行きのICという列車。

発車まではずいぶん時間があったので、駅構内にあったスタバで朝食。
サンドイッチとカフェモカ。明日もこの駅で早朝に列車に乗るので、この時点で明日の朝食も決定した。

10分ほど前になりいよいよホームに降り立つ。今回幾度となく利用した中央駅。
終盤にはここに帰ってくると安心したものだが、初回は無事にたどり着けるものかと緊張した。

定刻で列車は到着、2等車に乗り込む。

列車内はほとんど俺ら以外に客はいなく、快適そのもの。しーんとしており、列車の音が響く。
辺りは真っ暗。

ここから3時間は乗りっぱなしである。

ブリュッセルの都会から20分もすると、ヨーロッパの原風景へと景色は変わる。
移ろいゆく景色。
しばし“世界の車窓から”を楽しむ。
9時前くらいにようやく明るくなってきた。

天気も良く、車窓化や見える田舎風景はとてもきれいだった。

路線図がなかったので、地球の歩き方に乗っていたアバウトなものを確認しつつ、停車駅を確認する。
アナウンスもないので、停車するたびに駅名を確認。

そして3時間の長旅の末、電車はようやくルクセンブルクに到着。

今回の旅行第一か国目、ルクセンブルク。

正式には広域行政都市という区分らしいが、国である。

駅は小ざっぱりしていて綺麗だった。
地球の歩き方に、駅構内にあるパン屋のクロワッサンが絶品ということだったので、おやつ代わりに頬張る。

まずルクセンブルクで向かうは旧市街。ここは世界遺産登録されている。

地球の歩き方を見ても、数パージしかない。
見るべきところは限られており、一日目には本当にうってつけの場所だ。

旧市街までは10分ほど歩く。街並みはパリのように洗練されていて綺麗だった。汚れてないし。

途中のアドルフ橋が工事中だったのが残念…

しかし、何より朝早く(といってももう11時だけど)出発したので、朝日がまぶしく、朝もやの中歩いているだけで本当に気持ちがいい。
やはりヨーロッパはツアーなんかではなく、個人旅行に限る。こうやって街歩きとその空気をゆっくりと感じながら歩けるのは大きな醍醐味である。

ここの旧市街は高台と低地(グルントと呼ぶ)になっており、高台から見下ろす景色は美しい。
旧市街に着いたらまずは地図を求めてインフォメーションセンターへ。

その周りは広場になっており、ここはギョーム広場という広場で、スケートリンクがあり、お祭りのように屋台が多数軒を連ねていた。
その中のソーセージを売っている屋台がうまそうでうまそうで…
肉が焼けるいい匂いと種類豊富なソーセージ… 昼飯は決定した。

固めのフランスパンに30センチはあろうかというごときこんがり焼けたソーセージを挟んだだけのシンプルなホットドック。
これが馬鹿みたいにうまい。

昼飯後はダルム広場⇒憲法広場⇒ノートルダム寺院と旧市街の定番どころを歩き、いよいよここルクセンブルクで一番楽しみにしていたハイライト、ボックの砲台へ。

ここからの眺めはまさにルクセンブルクを象徴するような眺めで絶景であった。

断崖絶壁にたつ砲台とその下のグルント。
ここルクセンブルクはかつて堅固な城塞都市であった。城砦は城壁に囲まれ、難攻不落だったという。
その名残がまさに見て取れる景色。
その名の通り、この街並みは“ルクセンブルクの古い街並みと要塞群”としてユネスコに世界遺産登録されている。

コンビニでジュースとお土産を購入したり、歴史博物館を訪れたりして、次は低地、グルントへ。
グルントを一時間ばかり散歩した。工事が行われており、鉄骨やクレーンが景観を害しているのが少し残念だったが、高架橋のアーチは見事だった。


そんなこんなで帰路へ。

しかし、時間はまだ3時前である。

日本で予約した列車のルクセンブルク発車時刻は18時9分…
漫画喫茶で予約していたときは、ルクセンブルクだし、6時間くらいあれば回れるだろ…と踏んでいたのだが、3時間以上余ってしまった。

もしかしたら一つ早い列車に乗れるかもしれない…と期待して駅へと向かう。

3時過ぎに駅に到着。

窓口で確認すると、今持っているチケットで4時代の列車に乗ることができるとのこと。
確かに、俺が持っていたICのチケットは座席番号も時間も書いていなかった。
逆に明日のタリスは車両番号、座席番号、発車時刻まで書いてある。
つまり、タリスは海外版新幹線なので、すべて指定だが、ICは列車の乗車券だけで、あとは自由に乗れるのである。
本当に良かった。流石にあの後3時間潰すのは辛い。だって6時に帰ったら着くの9時過ぎだし。

1時間くらい待ったが、それでも4時過ぎの列車に乗れ、3時間後7時半くらいにはブリュッセル中央駅に到着することができた。

8時前にホテルに着いたので、せっかくだから夜のグラン・プラスでも見に行くか、ということになる。
まだちょっと早かったし、位の軽いノリでグラン・プラスに向かった。







全部持ってかれた。




グラン・プラスに。


感動どころじゃない。本当に素晴らしすぎる空間に言葉を無くした。

衝撃的だった。
俺らが行ったときに偶然、グラン・プラス冬の名物の音と光のショーがちょうど始まったところだったのだ。

この音と光のショー。壮大で荘厳で美しくて、さまざまな言葉で形容しようともし切れない位。とにかく衝撃的で感動した。

夢心地で無言で立ちつくし、見入ってしまう。

そんな20分間。

世界で一番美しいといわれている広場…
ベルギーに来たものがまず第一に目指す場所…

そんな噂は聞いていたが、ここまでのものとは思っていなかった…

世界で一番美しい広場は伊達じゃなかった。

ここまできれいなもの見て感動したのは久しぶりだ。

音楽も素晴らしいんだよ。コールドプレイみたいな、美しく、荘厳な曲。光とグラン・プラスの雰囲気にぴったりと合っていた。
あの流れていた曲名を猛烈に知りたいと思っている。



そんな夢心地の感動も冷めやらぬ中、ディナー。

テンションが上がってしまっていたためか、結果から言うと、夕飯に90?も使ってしまった。

まずはベルギーの名物料理である、シーフード。
特にムール貝が有名で、酒蒸しはいたるところで見かけた。

50ユーロもするシーフードパエリアを注文。
量が多くて米はすべて食べれなかったが、シーフードだけはすべて平らげた。ロブスターを初めて食べた。
ハサミの部分がカニのような味で美味。

そしてベルギーと言えばビールだ。
ここベルギーにはこのビールを楽しみにしていたところもある。

地元のブラウンビールを注文。
ここベルギーではビールを一番おいしく飲むために、そのビールごとにグラスがすべて違うのだ。
そのグラスが、そのビールをもっともおいしく飲んでもらえる形をしているらしい。
意外と度数が強く、一本で回ってしまった… 疲れもあったのかな…

余計なガーリックトースト(10?)まで注文してしまい、初日のディナーは相当高くついた。
明日から節約生活だ。


ルクセンブルクの重厚な街並みと、ブリュッセルのグラン・プラスに大いに感動した1日目、終了。




厳戒態勢の冬の旅 1 ―準備と出発編―

2016-01-10 17:30:12 | 
2015年12月26日


今年も懲りずに向かった。

今回は本当に直前まで迷いに迷った。
目的地ではなく、行くかどうかをだ。

先に目的地を言ってしまうと、今回はベルギー。

俺はずっと昔からベルギーのある場所へ行きたいと思っていた。
念願の場所があった。

アントワープ大聖堂。

その理由は後述。



ずっとヨーロッパから離れていたため、あの西洋の街並みに飢えていた。
ヨーロッパが呼んでいた。

地球の歩き方を早々に購入し、詳細にチェックした。

味わいにより変わる種類豊富なビール、
多数の美術館と多くの芸術作品、
そしてグランプラスを中心としたあの街並み…

そしてベルギーからはオランダ、そしてルクセンブルクに電車で行ける距離である。
オランダはもとより、ルクセンブルクなんていう魅力的な響き…

速攻で漫画喫茶にこもり、ICやタリスといった電車を予約する。
ドイツ語っぽいよくわからない言語だったが、何とか英語に翻訳し予約することができた。
なんかレベルが上がっているのを実感。クレジットで引き落とし、予約券をプリントアウト。
この列車の予約をしている辺りが一番楽しかったな。

楽しみすぎた。
地球の歩き方を見ているだけで日々の日常を忘れられるくらい楽しみであった。



しかし…


パリで同時テロが発生。
犯人の出身地はブリュッセル。あのテロの主犯格はベルギーから流入していたのだ。
隣の国である。

心配な中、ベルギーにも犯行予告が届く。
学校や地下鉄は全面閉鎖。写真を見ると街には銃をもっや迷彩柄の警官たちが犇めいている。


はたしてこの状態で言っていいものか…

旅行会社に問い合わせたら当然のごとく、そこは自己判断で…とのこと。当然である。

ただその中では今回はヨーロッパだったので、ツアーではなく、すべて完全フリープランの個人旅行にしていた。
そのため、ホテルと航空券のみ予約していた状態であったのでキャンセル料は、もう前日まで変わらないという。
それならば前日まで悩むだけ悩む。

クリスマスイブ、クリスマス当日(出発の前日)には何もなかった。
しかし、なんという因果か、出発の2日前にトルコのイスタンブールの空港で爆破があった。

今回は個人的に予約した航空券であった。
そして、キャリアはターキッシュエアライン。そう、トルコ航空。
トランジットはイスタンブール…
現に爆破された空港ではなくとも、すぐ隣の空港である。

そんなニュースを見て本当に悩んだ。

結果的に行ったのだが、最終的に決め手となったのは、クリスマスとカウントダウンを外してある。
そして何より、一年間ずっと仕事を頑張ってきて、今回の旅を本当に楽しみにしていた。

それだけである。
本当にこの2か月は国際ニュースに敏感になった。


前日まで普通に仕事。

ちょっとだけ早めに帰って準備。

翌日は5時起き。
真っ暗な中池袋駅へと向かう。そう、あの超便利バスね。
バスの中では爆睡。気づいたらあの到着の音楽が流れていた。

バスは順調に進んだので、比較的時間はあった。早めにターキッシュエアラインでチェックイン。
身軽になって空港内を散策。

いやー、やっぱり成田のターミナルは第一に限る。(第二もいいけど)

前回の第三はやっぱり好きになれない。うどんは美味しいけど、あの仮設感はだめだ。

やっぱり第一ターミナルのアナウンスが響き渡るあの高い天井と大きなアルファベットにこれから始まる旅のワクワク感が喚起されることは間違いない。
今回は直前にスマホを機種変更し、初めてのi-phoneデビューしたこともあり、海外設定にして海外でもネット環境を使用できるようにした。

今回も出発前に最後のそばを食べようと思ったのだが、あまりにも高いものしかなくて、マックのハッシュドポテトを食らいついた。


いざ出発フライト時間を勘違いしていたが、約12時間。

飛行機の中ではイニシエーションラブという映画を見た。結構面白かった。

あとはひたすらイエモンの音楽を聞き続ける。

そして緊張しつつ、トルコのイスタンブール、アタテュルク空港に到着。

飛行機がちょっと遅れたので不安なことこの上ない。まさか、って思っちゃうんだよね。

そしてまっている時間が非常に長く感じる。

ゲートから飛行機まではバスに入れられ、連れて行かれる。
タラップを登っているときも、爆発すんじゃないかという不安が…


まあ、何事もなく、ベルギーのブリュッセル空港に到着。
行きだけホテルまでの送迎を申し込んでおいた。これは本当に良かった。もう夜も11時だったし。


30分後、ホテルに到着。

お気に入りのi-phoneを海外設定して寝た。