こやつ、なかなか手ごわい。
かなり、有名な名前。まず以て、タンポポという名を知らない人はいないであろう。
小さな子供から、年老いた人まで、いや、世界中にまで知られている。
ふわふわ飛んだ種は、着地点でしっかりと根を下ろす。
一度根を下ろすと、こりゃ、参った抜けないほど強い。まるで綱引き状態になる。
あろうことか、抜けそうか?と思いきや、自らの根を残したまま、ちょん切れる。
通常、葉は地面を抱え込むかのように、中央からペッタリ四方八方に広げている。
そこの中央部からまっすぐに深く深く根を下ろしている。
地上では、ニョキッ!細長くストローのような茎。 このストロー茎が、水分や栄養を吸い上げている。
ストロー茎の周りには、必ずや予備軍か?蕾が今か今かと順番待ち。
1ニョッキ!2ニョッキ!・・・・
その先のテッペンは、黄色いタテガミ振りかざす。花。
だから、黄色いポンポンは、絶え間なく常に咲いていることになる。
こやつ、なかなか手ごわい。
広げた葉は、地面を覆い根を隠し、強い根は、深く深く浸透し、
ストローのような茎は、強風にも柔軟な動きができるので滅多なことでは折れることがない。
その先には、象徴のような黄色いポンポンの花が凛々しくも立ち誇る。
まるで、百獣の王ライオンのようなタテガミを振りかざす。あまりに堂々と。
多少の崖や岩盤、アスファルト、環境なんかに屈することなく・・・
こやつ、なかなか手ごわい。
あまりに知られすぎて、あまりに珍しくもなさすぎて感心も寄せられず。
あろう事か、踏みつけられてもなんのその・・・
この忍耐力、増幅力はどこからくるのであろうか?
負けない。ここ最近そんなことをこやつから教わってる気がしてならない。
こやつ、植物であるが、動物ならライオンだ。
だから、ダンディライオン。
こやつ、なかなか手ごわい。
冬が来たら、眠り続け・・・春になったら、また目を覚まし。
子たちは、新たな地上を求め自由に飛び交う。
すごい、リピート哲学を全うしているような気がする。いや、学ではないが遺伝子?
このしくみ・・・妙に強く感心してしまう今日この頃・・・
初めて、弱点をみつけた。 光合成を終えたのか、朝露なのか・・・
雨上がりや、早朝に タンポポの葉も随分と湿気を帯びている。
なぜか、地面に広げ張り付いた葉が立ち上がるのだ。 スカートめくりか朝立ちか?
朝が狙い目・・・・葉が起き上がると、こりゃ、人間様が握り締めやすい、
土も湿気で柔らかく、そこを引っこ抜く。 そうか、そうか、朝が弱いのか。
根刮ぎってやつだな。おそらく、絶滅することはないだろうが・・・
少なくとも、我が家では黄色いポンポン立髪は咲かなくて良い。
こやつ、なかなか手ごわい。
超有名なのに、目にもとまらない平凡すぎで、けれど、すごい根性と忍耐力は、
凄すぎて気になるのであった。