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コラム 東京新聞Web

2013年07月18日 21時09分47秒 | Impressions(雑感)
筆洗
2013年7月18日

 あの日の夜、避難所になっていた体育館を出た

岩手県立釜石高校の国語教師照井葉子さん(50)は、

降ってきそうな満天の星を見上げていた。

世界の辺境を旅した時も見たことがない。

怖いぐらい澄み切った空だった

▼津波に奪われた人たちの魂が、星になって昇ったように思えた。

<春の星こんなに人が死んだのか><三・一一神はゐないかとても小さい>。

照井翠(みどり)の俳名で詠んだ句である

▼親や家を失った生徒たちとの避難生活は一カ月。

外では多くの遺体が引き揚げられるのを見た

木に刺さって折れ曲がった亡骸(なきがら)、がれきから

はい出ようとしてもがいている遺体が泥人形のように運ばれていく

▼遺体安置所を何カ所も回り、戻ってきた被災者は精も根も尽き果てていた。

<つばくらめ日に日に死臭濃くなりぬ><方舟(はこぶね)の善民は

みな呑(の)まれけり><朧夜(おぼろよ)の泥の封ぜし黒ピアノ>

<双子なら同じ死顔桃の花><なぜ生きるこれだけ神に叱られて>

▼季語のない句もある。

目に焼き付いた光景や避難所で聞いた話を表現した句は読む人の心を揺さぶる

▼二百を超える震災句を収めた照井さんの『龍宮(りゅうぐう)』が、

優れた句集に贈られる俳句四季大賞を受賞した。

「震災から二年たっても、何も終わっていないし、始まってもいない」と照井さん。

<三・一一民は国家に見捨てらる>とも詠んだ。

そうではない、と言い切る自信はない。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013071802000168.html

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