木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

264.ベンチを作る

2023-09-01 14:22:45 | ウッドデッキ
神社からベンチ製作の依頼がきました。
通常このようなベンチは、公園施設メーカーが出しているカタログから選ばれることが多いのですが、官公庁向けは価格が高い上に、どうも神社の雰囲気に合わない。
と言うことで弊社に注文がきたのですが・・・ご希望の台数が2台。



製作台数が5台ぐらいあれば、金属で構造を作る方が組み立ても楽なのですが、
数量が1台や2台であれば、木で作る方が融通がききます。

神社の中で設置するのであれば、耐久年数は30年~50年は必要です。
価格も施設メーカーの既製品以下にしなければならないと言うことになると、
ここはウリン(アンアンウッド)で作るのがベストと言うことになりました。

しかしウリンで作ると欠点があります。
このベンチの重量を計算すると70kgぐらいあります。
設置場所にクレーン付きのユニック車で運ぶことができるかどうか確認しましたが、設置場所は池の前のパーゴラの下で、クレーンで降ろすことはできない。
かくて2分割にして、現地で最終組み立てをする構造にしました。



手荒な扱いをされても壊れないヘビーデューティな構造にしています。
ネットで販売すれば売れるかもしれませんが、
これだけ重いと宅配便では送ることができません。

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263.液体ガラス

2023-09-01 12:57:03 | ウッドデッキ
木材を不燃や難燃にするには、ホウ酸を加圧注入する方法がありますが、
欠点もあり、あまり使われていないのが実状です。

それが、「液体ガラス」と言う特別な液体を塗布したり浸漬したりすると、木材が燃えない、腐らないようになる画期的な商品ができた。
・・・とテレビ番組で何度も取り上げられたことがあります。

私も、これが使えるものであるかどうかを確認するために、何年か前にその講習会に参加したことがありますが、
言葉巧みに、燃えない・腐らないと説明はされるものの、法的に不燃であるとか難燃であるとかは言わないようにされていて、
耐久性の一番の目安であるJISの腐朽促進試験もされたことはなく、講習会の内容ははなはだ怪しげなものでしたので、会社としてその「液体ガラス」は使えないと言う判断となりました。

しかし2年前に、この液体ガラスの代理店になったと言う会社が売込みにきました。
私は、この液体ガラスは怪しい商品としか思えないが、屋外用の塗料としてならテストをしてみる値打ちはあるかもしれない。
と説明をしたら、その代理店は、こちらで渡したサンプルに液体ガラスで塗装してきてくれましたので、それを屋外暴露試験をしてみました。
液体ガラスを塗装した状態・無処理のままの状態・屋外用の木材保護塗料を塗布した状態と言うことが試験をしましたが、
結果は、液体ガラスは屋外用木材保護塗料としては有効とは全く思えないと言うのがその結論でした。
その結論が出た頃に、塗装サンプルを作った代理店がまたやってきて、このように私に言いました。

「おっしゃっておられたこの液体ガラスと言うのは怪しい商品ではないかと言うことについて、その後色々試験をしましたが、弊社でも同じ結論となりました。
そのためこの液体ガラスの代理店をやめることにしました。試験までして頂いたので、お詫びかたがたそのご報告に参りました。」

しかし、マスコミもこのような法的な裏付けのない商品をよく本気で取り上げたなぁと感心します。

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