昨日、日経平均が4万円を超えた。1989年の高値を超えた勢いは続いているようだ。本年から導入された新NISAもあり、書店には株式投資の本が多く並んでおり、家庭の主婦でも投資しなければ損だというムードになっている。
日経平均は今後も長期的に上昇するのか、投資経験5年以下の初心者の私が、浅学非才を顧みず、考えてみた。
私の見方
日経平均の上昇は長期的には続かない、従って今のままでは長期投資の対象にしない
理由
昨年来の日経平均の上昇の理由として言われているのは日本企業の収益力の向上、株主還元姿勢の改善であり、今後も継続することが期待されているからである。その背景として以下の説明がなされている。
- 企業のガバナンスの向上(社外役員の導入、政策保有株の解消など)
- 東証の指導によるPBR1倍未満の会社に対する改善要請への対応
- 値上によりデフレ脱却が見えてきた、賃上げにより好循環が生まれつつある
- 先進国で唯一金融緩和を継続してることによる円安、低金利
- 中国の景気減速、地政学的リスクの増大に伴う工場や投資マネーの脱中国の向かう先が日本である
以上の背景について私の評価
- ガバナンス改善、PBR1倍未満解消、賃上げのいずれも企業自らの判断でやり始めたことではなく、国や政治家、東証などから尻を叩かれて実施しているものである。経営者は恥ずかしくないのか。
- 最近の値上げには、みんなで渡れば怖くない、という便乗値上げもかなりあるのではないか、値上げをした会社が多額の利益を計上している例もある。公取委がなぜ調査しないのか。
- 企業業績の改善は円安、低金利による「追い風参考記録」だ、それでもまだ日米のROEの差は大きい
- 長期の金融緩和は企業を過保護にし、新陳代謝を妨げている
- 日本にも大きな地政学的リスクがある
これ以外にも日本市場の問題として日銀による日本株取得がある。これは他国では実施していない。この面でも日本企業は甘やかされいるし、資本市場がゆがめられている
いずれ外国人投資家は売り逃げるだろう、そして最後にババをつかむのが新NISA導入による株式投資ブームに浮かれた日本人とならないことを祈る
日本企業が同業の欧米企業並みのROEの達成と、賃上げ毎年3%以上などのチャレンジングな計画を立案し、達成できなければ役員は退陣すると公約し、目標に向かって着実に前進するところを見せたとき、日本株の持続的な上昇が始まるでしょう