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2023年ミュンヘン旅行(その7)

2023年10月30日 | 2023年ミュンヘン旅行

さて、今日は5日目、旅も終盤の2日となった。この2日ともミュンヘン市内を中心に興味のある場所を見て回りたいと思う。

今日の午前中はミュンヘンから1時間弱で行けるダッハウ強制収容所の記念施設を見に行った。ニュルンベルクでナチス党大会会場やニュルンベルク裁判記念館などの歴史的施設に行く余裕がなかったので、ダッハウは絶対外せないと思った。

ダッハウへ行くにはミュンヘン中央駅から電車でダッハウ駅まで行き、そこからバスで収容所前まで行く。中央駅で一日券(ダッハウはゾーン1)8.5ユーロを買い、8時15分発の電車に乗り、発車を待つと、定刻になっても発車しない。グーグル音声翻訳で車内放送を聞くと、最近修理した路線が不完全で不具合が出て今修理している、最大1時間遅れる、などと説明している。


(車窓の景色、窓ガラスに室内の光が映って見にくいけど)

結局35分遅れで出発したが、今度はダッハウに到着したのに気付かず乗り過ごしてしまった。これにはあせった、時間のロスもあるが、ダッハウから先はゾーン2になり無賃乗車になるからだ。車内検札で見つかると1人60ユーロの罰金を取られるとガイドブックに書いてあるのが頭によぎる。検札に来ないでくれと祈りながら次の駅で降りた。そこでダッハウまでの片道切符を買い、やっとの思いでダッハウ駅に到着した。

ダッハウ駅に到着してみると、下車する人が多いのに驚いた。ほとんど人などいないと思っていたが、やはり歴史的施設として訪問する価値があると考える人が多いのだろう。

ダッハウ駅からグーグルマップに示された番号のバスに乗り、住宅街の中を通って15分くらいで強制収容所の前に着いた、このバスもゾーン1の切符でOK。入口を入って直ぐに案内所があるが、入場料が無料なのに驚いた。外国語ガイドのレシーバーだけが有料だったが日本語はなかった。施設に入るとまるで森林公園のような雰囲気だ。


(建物はインフォメーションセンターとレストラン)


(収容所への入口)

ダッハウ収容所記念施設はドイツの政治犯、戦争捕虜などを収容する施設。広大な敷地であったが、戦後直ぐに宅地開発などで使われ、現在の記念施設はかつての面積から大幅に削減された広さだ。建屋がいくつか残っており、その中を見ることができる。


(これでも収容所のごく一部を残しただけ)

寝台車並の狭さの寝室、風呂とはとても言えない風呂場、隣との仕切りも何もないトイレなどなど。展示されている説明書きを読むと収容者はドイツ人、ポーランド人が圧倒的の多く(多分これらはユダヤ人)、待遇はひどく、さらに時間とともにどんどん悪くなり、多くの人が亡くなったとある。そして入り口には戦後、アメリカ軍がここを解放したと書いてあった。帰国してからウィキで調べると人体実験なども行われていたようだ。


(風呂場跡)

旅行というとどうしても遊び気分になるが、このような歴史的に意味のあるものを見学するのも有意義だ。ドイツの映画にはナチスものがいまだに多くあるが、その映画の中でよく出てくる収容所を実際に見れたことは良い勉強になった。アウシュビッツ収容所が有名だが、これはポーランド南部にありドイツからはかなり離れているし、ポーランド旅行も当面予定はないので、今回のダッハウ訪問は良かった。

見学後はこの施設内にあるレストランで食事をしたがおいしかった。

さて、午後からはミュンヘン中心部に戻り、アルテ(古い)・ピナコテーク美術館と隣接のモダン・ピナコテーク美術館に行った。この地域にはもう一つ、ノイエ(新しい)・ピナテコーク美術館があるが改修工事で閉館中で、その主な作品はアルテの方で展示されているとのこと。

両美術館ともその圧倒的な作品数に驚かされた。この二つの美術館をゆっくり見ると1日ではきかないだろう。そんなことはできないので、片っ端からざっと見て回ったが、それでも疲れた。

ニュルンベルクのデューラーハウスで見たデューラーの絵の模写、本物が確かにあった。アルテでは16世紀くらいまでの絵画にはあまり興味が持てないので、やはり印象派以降の絵を中心にじっくり見た。一番の目玉はなんと言ってもゴッホのひまわりだろう。

モダン・ピナコテークでは日本人の作品が一つ展示してあったのに驚いた。On Kawaraとなっていた。帰国してから調べると河原温という作家でニューヨークで活躍し、2014年に亡くなっている方だった。

この二つの美術館の訪問の詳細は別投稿でアップする予定。

さて、本日のメイン・イベントは夜8時からのバレエ鑑賞だが、その前に食事を済ませる必要がある。美術館から疲れて帰り、ホテルでしばらく休み、駅地下でアジア料理を食べることにした。ドイツ料理に飽きてきたからだ。

さて、本日のメイン・イベント、バイエルン国立歌劇場。詳しくは別投稿の予定。海外ではだいたい夜8時からと言うのが一般的だ。終演後、ホテルまでは直ぐなので日本で観るときより気持ちは楽だ。

現地滞在中にそもそも公演の予定があるかどうかが大事だが、今回は大丈夫だった、次に、観たい演目があるかどうかが大事になるが、今回は残念ながら興味の持てるプログラムはなかった。嫁さんが一緒なのでわかりにくいオペラは苦痛になるため、今回はセリフがないバレエにした。演目は「チャイコフスキーの序曲」という全く初めて観るバレエだ。休憩も入れて2時間半なので嫁さんと一緒の演目としては良い感じだ。ただ、時差ぼけと昼間の観光で歩き疲れているので寝ないかが心配だ。

ガイドツアーで一回来たとは言ってもやはり観客として正面玄関から客席に入るのは全然雰囲気が違う。その雰囲気を十分味わえたのは良かった。東洋人と思われる人はほとんど見かけななった。座席は平土間(Parkett)の後ろの方だが、よく見えた。費用は1人60ユーロ、オペラよりは安いと思うし、日本より安いだろう。平土間の座席は満席に見えた。


(上の2枚は自分の座席から撮ったもの)

十分満足して歌劇場近くの駅からトラムに乗ってホテルに帰った。


(トラムの後ろに見える建築現場のクレーンのライトアップがカラフルだった)



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