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映画「ダンケルク」を観る

2023年03月14日 | 映画

Netflixで「ダンケルク」(2017年、英・仏・米、クリストファー・ノーラン監督)を観た。昨年、中西輝政教授の「大英帝国衰亡史」を読んで、このダンケルク撤退作戦のことが書いてあり、印象に残っていたのでその具体的なイメージをつかむのも有意義だと思って選んでみた。

ダンケルク撤退は第2次大戦のヨーロッパ大陸での戦闘でドイツ軍の攻撃に連合国軍が敗退を続けてついにフランス沿岸のダンケルクの砂浜に追い詰められた時、チャーチルのイギリスが決死の撤退作戦をたて見事に成功した大撤退劇だ。これにより英軍や英国民の士気が大いに上がり勝利に結びついた。脱出した兵士の数は30万人と言われているが信じられない数だ。奇跡的な成功といわれる。中西先生の本では、あまりに成功があざやかだったので、ヒトラーが和平への道と閉ざさないためにわざと見逃したのではないかという説がある、と解説しているが、そんな気もする。

映画は実際のダンケルクでも行われたので非常にイメージがわきやすい、映画の冒頭のダンケルクの砂浜に撤退する兵士たちが列をなして船の到着を待っているシーンは本当にこんな感じだったのだろうな、と思わざるを得ないようなよくできたものだ。6000人ものエキストラを動員して撮影したそうだ。

ストーリーはこの脱出劇を陸・海・空の3つの立場から同時進行で描いたもので、せりふがほとんどなく、場面の描写のリアルさで勝負している。この作戦では民間の商業目的の船も徴用して、これらの小型船たちがダンケルクの海岸に大挙して押し寄せ、救出に当るという本当に信じられないことが行われ、成功した。そのうちの1つの船に焦点を当てて映画は作られていた。ドーバー海峡は狭く、距離が短かったことなどの要因があり成功したのだろうが、ドイツ側もこんなことをやるわけないと油断があったのか。

この小型船がドイツ戦闘機に襲われる危機的な状況の描写が少ないことや、ドイツ機の攻撃から守る役割のスピット・ファイヤー英空軍機のたった3機に焦点を当てたこと、そのうちの最後の1機が最後エンジンが止まっていてもダンケルクの海岸でドイツ戦闘機を打ち落とし砂浜に着陸すところなど、非現実的なところもあるけど、娯楽映画と割切って、本で読むだけでなく、映像で具体的な戦闘のイメージをつかむという今回の目的は十分に達成できたと思った。



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