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映画「タイムリミット見知らぬ影」を観る

2024年09月19日 | 映画

映画「タイムリミット見知らぬ影」をアマゾンプライムで観た、2018年、109分、ドイツ、監督クリスチャン・アルバート、原題Steig. Nicht. Aus!(外に出るな!)

久しぶりにドイツ映画を観てみようと思ってアマゾンプライムで探したら、いくつか興味が持てそうな映画があり、そのうちの一つを選択した、アクション・サスペンス・ドラマとなっている

ベルリンの不動産会社で大規模な建築プロジェクトに携わるやり手のカール(ボータン・ビルケ・メーリング、1967年)は、仕事熱心なあまり、妻ジモーネとうまくいっていない、実は妻は浮気をしていた、ある月曜日の朝、父親に関心を示そうとしない娘と息子を車に乗せて学校に送り届けようとしている最中に、正体不明の男からの脅迫電話を受ける

男はカールたちが座席を離れると爆発する爆弾を座席下に仕掛けたと言い、巨額の金を支払うよう要求してくる。同じ犯人に脅迫された上司夫妻が男の指示に従わずに車を降りて車が爆発して殺されるところを見たカールは、やむを得ず要求に従おうとする

爆発の際に破片を浴びて息子が重傷を負い、病院に運ぶために必死に車を運転していると、妻の浮気相手から、「貯金を全部降ろせ」などのカールのおかしな言動を警察に通報され、警察に追跡される羽目に、そして、ついにカールが上司への不満のため車を爆破して殺害し、不仲の妻への復讐のため子どもたちを人質にとり、破れかぶれの行動に走っていると決め付けられ、パトカー包囲されてしまうと・・・

映画を観た感想を述べよう

  • 最初のうちは、朝、子供を乗せて学校まで運転してるとき、突然、爆弾が仕掛けられていると知り、それを信じて必死に犯人が要求する金を調達すべく奮闘するという、あまり現実には有り得ない設定で面白くないな、と思っていたが、だんだんと物語が進んでいくにしたがって面白くなってきて、最後の最後までハラハラするうまい映画だと思った
  • カールは、巨額の金を払えと爆弾で脅迫される言わば被害者なのに会社の上司に逆恨みして爆殺した犯人にされるという逆転が生じ、話が面白くなってくる

  • カールは仕事熱心なあまり家族を顧みず、妻や息子と不和となるが、車の中に長い時間座ったまま犯人の要求に答えなければならないカールと子供二人が、息子のけが、父の必死の犯人との交渉と息子を助けるべく奮闘する姿を見た子供たちの心の変化、そして警察が父を犯人と誤解し、射殺さえしかねない状況を理解した時に娘が取った行動、だんだんと家族愛が復活していく様子がうまく描かれていたと思った
  • 警察の通常の捜査官たちと指揮命令系統が別の爆発物処理班との確執、主導権争いが物語を面白くしている、ドラッヘ警部がカールを犯人と決めつけ、抵抗すれば射殺しかねない勢いのところ、爆弾処理班のツァッハが冷静に事態を把握して、もしかしたらカールは脅迫されているかもしれないと判断したところあたりが、「そうだ」と応援したくなる筋書きのうまさがあった
  • 最後にカールと共に死ぬ覚悟をした犯人が車に乗り込んできて、爆発までの間の束の間の会話があるが、そこでカールは自分の強引な仕事の進め方を詫び、犯人に同情を寄せる、そして爆発の間一髪で彼が取った行動が・・・、とてもとっさには思いつかない通常は有り得えない方法だが映画だからそこは許されるでしょう

  • この映画は強引な地上げによる大規模不動産開発を批判する意味もあるのだろう、犯人はその犠牲者だ、犠牲者が復讐のため開発担当者であったカールの家族に同じ苦しみを味わせるための犯行だ、カールも最後は犯人に謝罪する
  • 事件がすべて終わった後、警察の取り調べが終わってカールが建物から出てくるところに家族3人が出迎えに行く、そこでまずは子供2人と抱き合い、最後に妻と無言で抱き合う、その姿を子供二人が嬉しそうに眺めている・・・この終わり方に少し違和感を抱いた、妻の浮気は自分のせいで自分が悪かった、だから浮気も許す、ということでしょうが、カールからも妻から何も言葉がなかったのが何かしっくりと行かなかった、私だったら妻を許せるかな・・・

楽しめたドイツ映画でした

 



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