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映画「ビリーブ 未来への大逆転」を観た

2024年07月26日 | 映画

アマゾンで映画「ビリーブ 未来への大逆転」を観た、追加料金なし。2018年、120分、アメリカ、監督ミミ・レダー、原題On the Basis of Sex

映画の冒頭、この映画は実話に基づくと出る、ルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、貧しいユダヤ人家庭に生まれ、努力の末に名門ハーバード法科大学院に入学する。当時(1956年)のハーバードは500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった、同じハーバードの学生である夫のマーティンが家事も育児も分担し、彼女は大学院を首席で卒業、弁護士になりたかったが女性であることを理由に雇い入れる法律事務所はどこにもなかった。

やっとのことで大学教授になったギンズバーグは、男女平等の講義に力を入れながらも、弁護士への夢を捨てきれずにいた。ある時、マーティンがある訴訟の記録を見せる。ギンズバーグはその訴訟が、男女平等に関する歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが・・・

この映画の主役、ギンズバーグは1993年にクリントン大統領に指名されてから2020年9月に病気で死去するまで27年間にわたって連邦最高裁判事の座にあり、特に性差別の撤廃などを求めるリベラル派判事の代表的存在として大きな影響力を持った人であった。

このことに関連して、彼女が亡くなるまで最高裁判事の職にあったのは、2017年にトランプ政権になってから最高裁判事に任命された2人がいずれも保守派であったため、彼女が病気で辞任すれば保守派優位の状況が続いてしまうからと言われている、そして彼女亡き後、11月に保守派と言われるエイミー・コニー・バレットが判事に任命された。

トランプが判事に指名したエイミー・バレットとブレッド・キャバノの任命時の民主党代議士、メディアの醜いばかりの候補者いじめはひどかった、嘘をでっちあげても批判していた、まるでどこかの国の左派新聞と同じだ、こういった対応をギンズバーグは苦々しく見ていたのではないか、と思いたいが・・・

映画を観た感想を述べてみたい

  • この映画の劇場公開日は2019年3月22日であり彼女がまだ存命の時だ、その段階でこのような映画が制作されるというのはまれであろう、それだけすごい人だったと言えるのでしょうが、映画が政治的な宣伝に使われた面はないのか、映画界は民主党支持なので
  • 日本ではいま、朝ドラ「虎に翼」でまさに日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子さんをモデルにしたドラマが放映されていることの偶然に驚いた、そして、朝ドラの寅子とこの映画のギンズバーグの性格がそっくりなことにまた驚いた、そうでなければ男優位の社会ではやっていけなかったのでしょうが
  • ギンズバーグの父親はオデッサ出身のユダヤ系ウクライナ人移民である、ギンズバーグはロシアのウクライナ侵略が起こる少し前に亡くなったが、父親の故郷が侵略されたのを天国で見てさぞかし嘆き、ロシアに対して怒りを感じていることでしょう、ただ、彼女の母親は彼女に「自分の感情をコントロールし、怒り、悔恨、ねたみに流されるな、こういった感情は徐々に力を奪うものでしかない」と教えていたそうだ

  • この映画で印象に残ったのは、ギンズバーグが思春期の娘と口論になり、娘が自室の閉じこもった際、夫のマーティンが娘のところに行き、「おばあちゃんはママがお前くらいの年に亡くなったが、亡くなる直前までママと本を読んで討論していた、すべてに疑問を持てと、ママは意地悪じゃない、お前に自信を持たせないのだ」と諭すところだ。
  • 父親が思春期の娘にこんな対応ができるなんて、という驚きと、「すべてに疑問を持て」というおばあちゃんの言葉に「然り」と思った。メディアがトランプ批判ばかり、などは寅子のように「はて?」と思わないといけないでしょう
  • ギンズバーグの夫マーティンは優秀な法律家であると同時に、結婚してまだ子供が小さいころ、精巣ガンになり医者から助かる確率は10%だと言われ、新しい治療法を試そうと言われた、それほど絶望的な状況から治癒したというのがすごいし、家事への協力というのがまたすごい、こんなことができる男はいまのアメリカでもまだ少ないのではないか

世の中の常識を変えるというのは大変なことだ



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