岩手県奥州市前沢地区にある岩手県交通のバス停である。前回来たのは2016年のことで、早いものであれから6年近くが経過している。当時の小学1年生は、もう中学生になっている。もしや老朽化から解体なんてこともと危惧したが、バス停はそのままの姿でそこにあった。このバス停を初めて見た時の衝撃は忘れられない。ちなみに初めて見たのは実物ではなく、上原稔師匠の写真だった。待合室の中の広告、その主の殆どは既に存在しないだろう。それでも改めて見ると、昭和のある時期まで地域の経済は、地域の中で循環していたことが分かる。不便なことや不合理なことも沢山あったとは思う。それでも所得と消費のバランスが取れるのであれば(難しいのは承知)、すでに持続可能な社会、SDGsを実現していたと言えるのではないか。バス停自体の価値も当然だけど、小さな町の商店街の広告群。これは社会のあり方を記録した証拠物件でもあると思う。
X-PRO2 / XF14mm F2.8R , CALMAN 8mm F3
「おっ!?」という感じで、少し驚きながら写真を拝見しました。凄く面白いと思いました。
<塔ケ崎>というバス停で在る旨が判り易い1枚目の画で解るように、然程大きくないバス停の待合所ですが、中の様子を少し大胆に広角で撮った訳ですね。
「最近?こういう書体や文字は使わない??」というような広告が溢れていて圧倒されます。
こういうのを視ると、嘗ては「小さな町に必要と見受けられる各種のサービスが人揃え整って…」が在り、何時の間にか「大きな町に吸い取られて廃れる」が折り重なっているということなのかと思わないでもありません。
単純に、画として面白いのですが、同時に色々と考えさせられます。このバスの待合所も「いよいよ老朽化が甚だしく…」となれば真新しいモノに更新されるか、単純に取り壊されるかしてしまうのかもしれませんが、或る意味では「史跡」ですよね…
興味深い画に感謝!!
タイムマシンに入ったように、昔の自分の町の商店たちのことを思い出します。本当に脳内トリップをしたような気分になります。
>嘗ては「小さな町に必要と見受けられる各種のサービスが人揃え整って…」
同感です。便利さを享受してしまっている僕に言う資格はないかもしれませんが、その仕事と利益はどこに行ったのかと何ともいえない気分になります。