先日、NHKの「東北未来塾」という番組を観ていました。
人工林は自然にやさしいというテーマだったので、関心がありました。
宮城県南三陸町の林業を取材していました。
南三陸町は漁業が基幹産業のようですが、林業も負けておらず、南三陸町は杉材で有名だそうです。
山から切り出された南三陸町産だけの杉材が並んだ製材所は圧巻でした。「これだけ揃うものか。」という量でしたね。
その杉材を製材し、人工乾燥機で低温乾燥させます。人間がサウナに入るのと同じように、低温でじっくり時間をかけて
乾燥されるほうが、木材本来の精油成分が出て表面に馴染むようになるそうです。
平均的に1本の木からビールの大瓶2本分の水分が出ます。木自体が吸い上げて含んでいる水分ですから驚きです。
その後、出来上がった製品を観て、製材所の社長さんと林業家の方が話をしていました。
「今は一等(節の有るもの)のほうが売れますね。」「無節より、木材っぽさがあっていいというニーズが多いらしいね。」
やっぱりそうなのかな、と思いました。銘木業界の視点から言えば、全く逆で、節がないほうが良い銘木というのは定説です。
でも時代だなぁと思いました。
南三陸町は山と製材所の距離が近いので、林業家が製材所に行けば、市場のニーズをすぐに把握できるので、今後の方針が
立てやすいのだそうです。そこは他の産業にも同じように言えることなので、特に納得させられるところでした。
そんな中で南三陸町の仮設住宅は全て町内産の杉材で作られているそうです。
そして、少しずつ新築の住宅も建設されているようで、そこでも南三陸町の杉材が多く使われています。
鴨居などには、「源平」といわれる杉の赤い部分と白い部分を半分ずつ使ったものが好まれるそうです。
源平とは、源氏と平家が赤と白だった由縁からそう呼ばれるそうです。
早く住宅を作るメーカーなどとも連携して、林業家から製材所、工務店、施主、また他の業種といった流通ルートを確立して
一環した業態にしていきたいと話しておられました。
明日で東日本大震災から4年目を迎えます。
こういう現地の方々の熱い話を聞いていると、こちらも頑張ろうという気持ちにさせられます。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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