東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




25日の株主総会の後 発表されることになっていたソフトバンクの新30年ビジョン。ライブで聴きたくてずっと前から予定していたんだけど、ありがたいいくつかのアポイントを入れていただいたので、参加は断念。26日の今日、パソコンで、1日遅れで 聴いた。インターネットはありがたい。

内容はもう、びっくりというか、本当の事業家って、こういう人なんだなぁ と。事業、事業家っていうのは、本気でやれば こんなに素晴らしいものなんだなぁ と思った。「30年ビジョン」と言いながら300年先まで繁栄し続ける組織体制を作るんだと力説する孫社長は、まず300年前の歴史を振り返る。1700年代、まさしく産業革命の時代だ。1705年 蒸気機関が発明され、1709年に製鉄法が考案される。ここで人類は強固な鉄と蒸気による巨大なパワーを手に入れる。1807年 蒸気船進水。1825年鉄道敷設。同じ産業革命といっても 初期と中期では内容が違っている。以来20世紀までは工業時代が続く。ただ、その時に機械も鉄道も、すんなり受け入れられたワケではないことに注目する。というより強烈な反対運動にあっている。機械はパワフルで、このままではモノを作る人間が失業してしまうという危機感をもったモノ作り職人たちが機械の破壊運動を行っている(ラッダイト運動)。鉄道にしても「そんなものを通されては困る」と反対され、当時の街中は走れなかった。しかし今、人間と機械は共存し、機械は重労働と危険から人間を解放し、平均寿命が伸びるのにも貢献したのではないか。

21世紀は情報革命の時代。工業は人間の筋肉の部分を機械が圧倒的なパワーで肩代わりしていく革命だったが、情報革命ではコンピューターが人間の脳の代わりを果たしていく。コンピューターの進化はすさまじく、2018年にはワンチップのコンピューターの能力が人間の脳を越える。これが2,3年前後にぶれても、それは誤差でしかない。要するに50年とか、100年というレベルではなく、コンピューターが人間の能力を超えていく。これはどういうことかと言うと、人間の脳と同様に、コンピューターが自ら知識(=データ)を吸収し、知恵(=アルゴリズム、プログラム)を自動生成する。そして脳のもっとも重要な部分、感情を持ちえるということだ。ここでも、かつてのモノ作り職人たちがそうだったように、コンピューターの進化を恐ろしいものとして、反対運動を展開する人たちはいるはずだ。コンピューターがもつ感情は、欲望レベルのものしか手に入れられないとすれば それは野蛮なことになるけど、知識・知恵、自己実現、愛というレベルの感情さえもコンピューターが獲得していけば、それは人間と共存し、人間を助けることになるだろう。孫社長は、地球上の生命体の種類以上の知的なロボットが出現すると予言する。

今から30年後、1チップのコンピューターの能力は人間の脳の10万倍の能力を有し、しかも高速で通信できる。実質的に無限大のストレージ、実質的に無限大のクラウド、超高速ネットワークは、ライフスタイルを劇的に変える。今、iPhone4だとすれば、その頃はiPhone34。曲なら5000億曲入る、新聞なら3億5000万年分入る。ダウンロードスピードも激変し、曲なら1秒間に300万曲がリフレッシュできる。教育も医療も劇的に変わる。その頃に紙でカルテを書いて、保存しているなど、ありえない。これまで「デジタル情報革命」と呼んできたが、そこから「デジタル」の文字をとったのは、情報はデジタルなのが当たり前で、アナログな、紙の情報などあり得ないということで、デジタルの文字をとった。そしてクラウドは人類最大の資産になる。

100年前の世界の企業の時価総額ランキングをみれば鉄道会社と製鉄会社がズラッと並んでいる。30年前をみればIBM、AT&T、日本の銀行が並んでいる。今現在はアップルやマイクロソフト、中国の企業が並んでいる。その時代にもっとも必要とされていたものを提供している企業が並んでいるのだ。ソフトバンクはこの時価総額で世界のTOP10入りを目指し、となれば時価総額は200兆円くらいになっているのではないか(これは大ボラだからブログに書かないでくれという発言もあったけど (笑))。事業領域は「情報革命一本」。他のことはやらない。特定のテクノロジー、特定のビジネスモデルにはこだわらず、世界中の最もすぐれたテクノロジー、ビジネスモデルの企業とパートナーシップを組んで、ライフスタイルを革新し続ける。

20世紀のような大量生産による安さ、技術、ピラミッド型の組織、株式による支配(51%以上)などにはこだわらず、21世紀的な、多品種少量生産で、Web型、自律・協調型で、株式の所有も20~40%くらいで、同志的に結合する、戦略的なシナジーグループを目指す。

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その他にもソフトバンクアカデミアの発表など、様々なことが発表された。時間は2時間を超えるけど、もちろん聴く価値があるし、ぜひおススメしたい。
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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
全盛期のアントニオ猪木氏のようですね。 (七氏井)
2010-06-27 21:32:44
>曲なら5000億曲入る、新聞なら3億5000万年分入る。
問題は人間の脳みそと感性はどれぐらいの情報量を受け入れ・必要とするかですね。
なんか、懐かしの「エイトマン」に出て来た「超人類」を思い出してしまいました(^^:)

今後の産業社会の進展には情報関連の更なる爆発的な伸びに加えて、関連するキーテ
クノロジーの解決が要になってくるような気がします。携帯電話だってあの極薄の
電池ケースが開発されなければ小型化自体が不可能だったわけですし(当然孫氏の戦
略自体も頓挫していたはず)、燃料電池も触媒にレアメタル(白金)が必要という
(大衆化に)致命的な弱点が解決されず、核融合発電に至っては水爆開発時に可能性
が指摘されつついまだ光が見えない・・・・・こうした分野でとてつもないことをぶ
ち上げる人がいないか実は期待しているのですが(^^:)
 
 
 
想像を超えて (としたか)
2010-06-28 23:03:58
七氏井さん、コメント どうもありがとうございます。

コンピューターは一人の人間が必要とする以上の記憶容量を個人レベルで提供できるところまで進化してしまったのかもしれません。問題は人間がそのありあまるスペースをどうつかうか? ですよね。きっと有効に、有意義につかってほしい。少なくとも自分たちは、そのために、「テクノロジーを親しみやすく。」(当社の行動指針なのです)提供していくために努力していきます。

情報以外のキーテクノロジーも登場してくると思います。電源はその最たるものですが、できれば超ミニソーラーパネルで、「アンプラグド」なモバイル端末になっていったりするとカッコイイし、エコですよね。様々な技術に夢が広がりますね。
 
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