日曜の朝。普段なら「サンデーモーニング」の大沢親分と張さんの「渇っだ!、これ、渇っ!」とか言うのを聞きながらゲラゲラ笑って朝食を食べているところだけど、ちょっとパターンを変えてみた。
最近のマイブームはクラッシック ♪ ドヴォルザークのバイオリン協奏曲をBGMにインターネットでIT系のニュースをじっくり読み込んだ。諏訪内晶子さんが奏でるバイオリンの音色をバックに、朝食はコーヒーと焼きたてのパン だったらカッコいいんだけど、そこは 日本人なので緑茶、あと菓子パン (^ ^;) 。でもこのパターンはいい。ニュースが浸み込むように頭に入ってくるし、「じゃ、自分たちはこれから こうしよう」ということがひらめいてくる。休日の朝はこのパターンにしようかな。
最初に読んだニュースは「ニコニコとヤフーが今、手を組んだ理由」。この記事は「ネットビジネスのひとつの立ち上げ方」を示している。ネットビジネスのリーディングカンパニーで王者ヤフーはサイト内が「なんでもありのカオス状態」になることは望まない。一方でニコニコの方は著作権の問題も、コメントの品位の問題も「なんでもあり」。こういう取り組みは当然社会的に「いかがなものか」という扱いを受けるわけだけど、時代をさきがけるマニア(若い男性中心)からは「おもしろい」ということで評価されブレイクしていく。
この「おもしろさ」を失わずに、「社会性」を備えるべく努力していくと、その姿勢が評価され大手企業から提携の声がかかる。グーグルがユーチューブを買収したときのニュースを思い出した。著作権ではユーチューブもさんざん言われたけど、最近は商品プロモーションの場に使われだしたり、社会性も帯びてきている。
普通、マニア層からさらに多数の一般ユーザーに拡大するためには、キャズム(溝)があり、ここを超えるのが難しいんだけど、動画の場合はそれが低かった気がする。これはこれからのネットビジネスを展開するときに参考になる。
今後は、ヤフーとニコニコはID連携、オークション、ウォレットなどの連携を行っていく とのこと。これではっきりビジネスとしての指針が見えた気がする。
それから ヤフー 井上社長に聞く:「『健全な場が最後に勝つ』」「ケータイはPC超える」「Androidはうさんくさい」 は読み応えがある。時代のとらえ方が適切で、ヤフー・ジャパンがここまで伸びたのもうなづける。
王者であるが故にさきがけて取り組めない新しいネットサービスがある。新興企業がブレイクしていくのを悠然と見ながら、でも確実に対策をうち、自社サイトの方向を徐々に変えながら、新興企業を取り込んでいくスタイルは余裕たっぷりだ。
特に示唆に富んでいるのは「インターネット広告」に対する考え方。
テレビや新聞が長い時間をかけて、新聞社と広告主と読者・視聴者との間で「折り合い」をつけてきた スペースと料金。「30分番組ならCMは何回流せる」とか「15秒広告、30秒広告」というのは、確かに長い歴史の中で確立した「折り合い」だ。これがネットでも確立すればビジネスはもっとやりやすくなるし、伸びるというのは納得。まだまだネットに対する認知は、特に地方では上がっていないし、ほとんどの広告主は広告費用について適切かどうかの判断ができないまま懐疑的になっている。全国的に確立した「折り合い」が出来上がるとぜんぜん違ったものなっていくと思う。
それから「検索連動広告は、どう考えてもブランディング広告費を取っていっているという感じではない。どちらかというと販促費や営業経費に分類される費用」。 この発想がすごい。なるほどっ!って感じ。
考えてみれば テレビや新聞は圧倒的に「ブランディング広告」。一方ネットでは「ブランディング広告」であるはずの「バナー広告」が「効果がない」ということですたれてしまって、検索連動広告に傾倒していった。もちろん検索連動広告は有効なものだけど、どちらかというとその費用は広告費というよりは 販促費や営業経費に近いというのは自分も同感。だからすぐに効果が出る場合もあるけど、同業他社もその効果に気づいて「検索キーワードの相場」が高騰してくると、販促費の高騰に悩むことになる。この値付けが「サイトの力」で決まるのではなく、利用者の「せり」で決まるところが逆に悩ましくなってくる。
ネットでのブランディング広告の方が広告主がイニシアチブを取りやすい。こちらの広告費用はあくまでも「サイトの力」で決まるはずだし、「どのサイトに広告を出すか」という主導権は広告主にある。バナーのスペースや価格の「折り合い」が全国レベルでついてくると 費用的にも読みやすくなるし、味もそっけもない検索連動広告の表示よりは、ブランディング広告の方がはるかにクリエイティブな訴求ができるようになる。こうなると検索連動広告よりはブランディング広告の方が、広告主にとって親身な媒体であるという考え方が今後生まれてくると思う。
ネット広告はまだまだ伸びていくけど、そのとき自分たちたちが取るべき方向がかなり見えてくる。
ふーっ、なんだかだいぶ長くなってしまったけど、有意義なモーニングタイムになった。
さてと、深層水のプールでリフレッシュしてこようかな (^ ^;) 。
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