東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




一人旅に出たのは30年ぶりくらいだと思う。もともと旅好きだし、鉄道好きだから、「旅に出る」と決めたときにはそれなりの「高ぶり」や「期待」があった。でも「夏旅」というドラマが進行すればするほど「こうじゃないんだよなぁ」みたいな「軽い失望」っぽい気持ちがわいてきてしまう。



青春18きっぷの旅。そう、今回の旅は基本 各駅停車の旅です。もちろん快速は乗りますが、特急とか指定席とは無縁の旅です。この時期特急の指定席をとるのは大変だけど、各駅停車は時間がかかるから利用されない。通勤・通学客はいない時期だから空いている。そう思っていたんだけど、これがそうじゃなかった。



東海道本線と北陸本線の分岐駅 米原。普通、こういうターミナル駅は大きい都市がなるはずなんだけど、米原の場合は駅こそ新幹線まで停車するけど 街としてはまったくイケてない。そのギャップが好きです。

で、さっきの話の続きだけど、基本的にどの車両も混み過ぎている。今、もうじき今日の宿泊地 金沢に着くくらいのところにいて車中でiPadからこの文を書いているけど、まだ立っている人も数人いるのだ。この時刻(20:00過ぎ)の北陸本線の各駅停車なら たとえば4人がけのボックスシートは対角線状に2人座っているだけとか、ボックスによっては1人だけとか、そのくらいがちょうどいい。さすがに車両に自分だけ というのは寂しすぎるけど、そのくらいの混み具合が一番旅情が高まるような気がする。



北陸本線 余呉駅付近ののどかな風景。

ここまで混むと周囲の客の会話が聞こえてしまい、「それはこうした方がいいだろう」とか「それはちがうだろう」とか、こちらもあらぬことを考えてしまう。カップルの女の子が妙に話が長くて「アタシ、乗り鉄だから こういうの(各駅停車の旅)好き~」とか 言っておきながら駅や路線の知識がいい加減だったり、男の方もそれをとがめられないというか、ようするに「鉄」として甘い。こういう輩が大勢いて、自分が思い描いたドラマのステージとはぜんぜん違う、普通の日常の延長みたいな世界に「各駅停車の旅」を変質させてしまっていた。



近江塩津駅にて。

ま、いいか。30年くらい前に敢行した山陰本線各駅停車の旅のような風情が今あると思う方が方がおかしいのだ。鉄道ファンの裾野が広がるのはいいことだよね。

今日のベストポイントは、北陸本線 敦賀駅から福井駅あたりまでの日没の風景かな。空がとにかく大きくて、赤く染まって、劇的だった。線路の近くには家とか視界を遮るものが少なくて、田んぼのはるか向こうに低い山が連なっている。そこに太陽が沈んでいく様をバッチリ見られる。この時期の敦賀発 17:52の電車の左側の車窓はオススメ。雲と山のシルエットとそれを染め上げる夕陽が創り出す作品。ずっと見ていたい風景でした。


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