前から読みたかった一冊。旅行ガイドでもなく、歴史の学術書でもない。
筆者があとがきで書かれているように、学問的な水準は決して落とさないで、
もしドイツやオーストリアを旅するのであれば、「この程度のことは是非知って
おいてほしい」ということが、読みやすく書かれています。
かつて歴史の授業で習ったことを思い出しながら、地図で場所や位置関係を
確認しながら、風景を思い浮かべながら、楽しく、旅するように読むことが
できました。
これまで海外には、アメリカに5回、中国とベトナムと台湾に3回、香港と
シンガポールとマレーシアとタイに1回行っているけど、まだヨーロッパには
行ったことがない。
「そろそろヨーロッパにも行ってみたいなぁ」という気持ちがあって、その時は
イギリス、ドイツ、オーストリアあたりが、特に強く心惹かれる国だったけど、
この本を読んでますますその気持ちが強くなりました。
特に印象に残ったことは
・ライン川、エルベ川、ドナウ川という大河が果たす地理的な役割
・ゲルマン民族による「ドイツ」という共有意識はありながらも、長い間、
諸侯が割拠し、「ドイツ」という国ができなかったこと
・しいていえば神聖ローマ帝国が広義のドイツ(オーストリアも含む)で
あり、長く、緩く、存在した国家だったこと
・アルプス山脈にさえぎられることなく、特にオーストリアはイタリアとの
文化的なつながりがあったこと
・現代のような国境とか、首都とか、そういう概念は当時はなかったこと
・同じドイツ民族なのに、ドイツとオーストリアという2つの国に分かれ、
自然に共存するようになるまでの歴史的変遷
・ローマ教皇の影響力
・ルターの宗教改革が広まった理由とそのもたらしたもの
・鉄血宰相ビスマルクの外交手腕
などが特に印象に残っています。
楽しい時間を過ごすことができて感謝。いやぁ〜、読書って本当にいいものですね ( ´ ▽ ` )ノ 。
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