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今、現在の社会の状況を見れば、明らかにベトナムよりは日本の方が整備され
ています。交通状況も、家も、通信環境も、水道・光熱などの状況も、日本は
良く、本当に豊かな国だと実感できます。ただ、そこで働く人はどうか。
豊かになった日本では、「これからどうしたらいいのかわからない」、「どう
いう自己実現を果たしたらいいのかわからない」、「充実感や幸せが実感でき
ない」など、自分探しのような状況になっている人が多いです。
平均年齢が高く、老後が心配で、会社には社員のうつ病チェックまで義務として
課される(社員50人以上の会社)ような状況。これは、あまりいい状況だとは
思えません。
国も企業も、政策は「長所伸展」であるべきで、そうしないと、成長戦略が
描けなくなります。悪いところを是正するのは、本当にたいへんで、労力が
必要で、疲弊します。そのワリに効果は上がらない。いいところを伸ばす方が
ハッキリ言って楽しく、成果があがりやすい。
「悪いところを是正する」ということも必要ですが、割合として、日本はもっと
「いいところを伸ばす」という方向にシフトするべきで、そうしないと全業種、
全企業が、みな同じように世界での競争に負けていく、というようなことに
なってしまうと感じます。閉塞感を打ち破っていくためには、「長所伸展」の
考え方にシフトしていくべきだと思います。
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ベトナムでは、ストレートに、「もっとビジネスを伸ばしたい」と思っている人が
多く、「熱心に仕事に取り組む」ことが、「もっと豊かになれる」、「もっと
幸せになれる」ということに、直結していると感じます。
あまり深く考えるまでもなく、ライフスタイル、ビジネススタイル自体が「長所伸展」
になっていて、日々充実感を感じながら生活できているように思えます。
もちろん全員ではないでしょう。ぼくがお会いする人は、そういう人が多い。
そういう人を引き寄せているのかもしれないけど、今回のホーチミン出張でも、
お会いする人たちはみんなひたすら前向きな人でした。
「仕事に打ち込む」ことは「自己成長」、「社会貢献」に直結している。
もう一度、こういう考え方に立ち返ってはどうか。
社会貢献の形はいろいろあっていいと思うけど、事業を伸ばし、その地域に雇用を
生み続けること、若い人たちから「あの会社で働きたい」と思われるような会社で
あり続け、学生たちをその地域に呼び寄せること、実際にそこで働く人が、イキイキ
と充実感を感じながら成長していけるように経営すること。
これは立派な社会貢献で、そういう経営を実現していくためのベースとなる考え方が
長所伸展だと思います。
今の日本では、いろいろな意見が多すぎて、こういうシンプルな真理が見えにくく
なっていますね。ホーチミンに行ってきて再確認できた気がします。
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