東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




「才能とは努力を継続できる力」。プロ将棋棋士 羽生善治さんの言葉だ。羽生さんは20代で「名人」「竜王」など将棋界の7大タイトルを独占したこともある類い希な才能をもった棋士。35歳の今もタイトル3冠を保持し、将棋界のTOPを走り続ける天才棋士だ。

先週、NHKの番組「プロフェッショナル」で羽生さんの特集がありますと友人のりつさんに聞いていたので(情報ありがとうございます)、ヨメさんにHDに録画を頼んでおいた。日曜の今日はそれをみた。1回目はじっくりとみて、2回目はメモを取りながら、書きそびれたところは巻き戻したりしながらみた。

いつも感じることだけど、どの分野でもTOPを走っている人たちの話はいいものだ。それが野球でも、サッカーでも、将棋でも、経営でも、デザインでも、プランニングでも、料理でも。それが自分の仕事に直接関係はなかったとしても、本当に参考になるのだ。

一流の人たちには共通の世界観とプロとしての誇りがある。自分たちはテレビを通じてでも、本を通じてでもいいけど、そういう一流の人たちの世界観にふれることで、感動するし、啓蒙されるし、気持ちが高められる。一流の人たちはそういう力をもっていると思う。

10代、20代のころは「記憶力と反射神経」と羽生さんはおっしゃっていた。集められるだけ対局データを集め、駒を動かし、とにかく考える。「1手指すのに1000手読む」と言われるほど考える。経験もないし、恐いもの知らずだから がむしゃらに進む。その頃羽生さんは

才能はひらめき

と思っておられたようだ。

20代で7冠を独占し、全盛を極めた。しかしそんな天才棋士 羽生さんも30代になると不調に陥る。保持したタイトルは1つだけ、無冠のピンチにたたされた。いいことも悪いことも経験を積む中で、迷い、ためらいが生じる。30代になると確かに読むスピードということでは10代20代の聡明な棋士たちの頭脳にはかなわなくなる。ひらめきにも陰りがみえてくる。
無謀なことをやらなくなる一方で、決断力は鈍る。紙一重の天才たちが競い合う世界ではこれが勝敗に直結してしまう。

そんな羽生さんを立ち直らせたのは60代になって還暦を過ぎてもなお、自分の将棋を追求し続けるベテラン棋士たちの姿だったという。

生涯をかけて 自分の将棋を極めよう

その姿勢を得て、羽生さんは復活する。しかしそれは20代の頃とは強さの源泉があきらかに違っているという。

10代、20代の頃は「大局観」は使えなかったという。言葉としては知っていたし、概念としては理解していたつもりでも使えなかった。
「大局観」は「いかに考えることを省略するか」というような性質のもので、指し手を読むのではなく、「勝負の流れを読む」ようなもの。30代の今はこれが使えると言う。

「直感を信じる」ということもおっしゃられていた。もちろん「直感」と言っても単なる考えなしのことではなくて、「直感とは経験で磨く」もので、「長く積み重ねたものの中から 迷いなく浮かびかがる集大成のような感覚」とおっしゃっておられた。

今、羽生さんは「リスクなくして成長なし」そして冒頭の「才能とは努力を継続できる力」とおっしゃっておられる。新しい戦型にも果敢に挑み、かつては当たり前だと思っていた「情熱をもつ」というたいへんなことを たんたんと続けておられる。勝つか負けるか、ギリギリの選択を続けるプレッシャーに耐えながら、最善を尽くしている充実感があるとおっしゃっておられた。

本当に励まされた。自分も仕事への情熱を失わず、粛々と努力し続けよう。このブログにしてもそうだ。続けていこう。自分の直感を信じられる人間になろう。様々なプレッシャーを充実感に変えながらチャレンジしていこう。そのようなことを思った。

司会者の質問に応えて、羽生さんがカバンの中をみせてくれたとき、詰め将棋の本がでてきたのには驚いた。あの羽生3冠にして、さらに日々詰め将棋を解いておられるとは。
司会者の「(詰め将棋が)お好きなんですか」という質問に「これは習慣なんです。スポーツ選手が準備体操をするようなものです」と羽生3冠。プロ中のプロの極意を垣間見たような気がした。


コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
ズンッと (にゃんみー)
2006-07-17 00:56:34
心に響きました

私もがんばります
 
 
 
考えさせられますね。 (はんどこ)
2006-07-17 13:20:10
うーん。僕もがんばろう。

 
 
 
松井選手も (りつ)
2006-07-17 14:19:58
「才能とは努力を継続できる力」



確か野球の松井選手も同じことをおっしゃっていました。分野が違っても一流の人は、共通したことを話しますね。



カーデザイナーの再放送は27日AM1:10~です。この回もおすすめです!
 
 
 
私も見ました (H君)
2006-07-17 17:41:48
天才が努力するとあ~なるんだと、本当に納得してしまいました。

昨日女子プロのスタンレーレディーストーナメントで優勝した古閑美保選手も、1年間に2勝してトッププロの仲間入りしたと思った時から勝てなくなったそうで、昨オフは初心に帰って猛練習を積んだそうです。

そして涙の復活優勝!

『練習は裏切らない』と語った言葉が物凄く印象的でした。

羽生さんの上ずった声と、対局中の夕食休みにサンドイッチをかき込む姿も印象的でしたが・・・
 
 
 
私も見ました! (ワイドー!)
2006-07-17 20:42:08
タイトルの言葉、私も大変印象に残りました。

閃きがチャンスを生み出すと思いがちですが、「直感とは経験で磨く」もので、「長く積み重ねたものの中から 迷いなく浮かびかがる集大成のような感覚」という言葉もガツンって感じで心に響きましたね。



この番組、見逃せませんね。
 
 
 
感動・共感 (としたか)
2006-07-17 23:30:43
皆さま、コメント どうもありがとうございます。



にゃんみーさん、久しぶり~。元気に復活されました?ブログの復活も楽しみにしてます。お互いこれからも頑張りましょうね~。



はんどこさん、久しぶり~。試験勉強、がんばって下さいね~。



りつさん、一流の人たちの言うことって共通してますよね。少しでも近づきたいですね。カーデザイナーの再放送の情報もどうもありがとうございます。見ます。社員にも見るように強く奨めます。



H君、やっぱりみてましたか。羽生さん、よかったですよね。「練習は裏切らない」もいい言葉ですね。うん、ぼくらもがんばろうね。



ワイドー!さん、羽生さんの言葉、印象的でした。将棋だけじゃなくて、いろいろな物事の本質が見える人なのでしょうね。やっぱり天才ですよね。感動しました。
 
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