遥かなり「暁の寺」、旅人の聖地 カオサン通り

チャオプラヤー川の対岸に ワットアルンの塔が見えたときの感動は忘れられないものになるだろう。別名「暁の寺」 三島由紀夫の小説の舞台にもなったこの美しい風景を心に刻んでいた。それがぼったくりのボートの上からだったとしても・・・ (^_^;) 。

バイキングの朝食を済ませたあと、ホテルのフロントに日本人スタッフはいるか聞いてみたら「今日は休みだ」と言う。バンコク市内を巡る前に、日本人スタッフからいろいろな情報を聞きたいと思ったのだが、それもかなわず。タイ語バージョンの市内地図をもらい、「タクシーに乗ったら行き先を指で示せばいい」と言われる。確かにタクシーが安いので、これをうまく使いこなすしかない。かくして、タイ語はまったく話せず、英語も超片言の自分がバンコク市内を１人で巡ることになった。ホテルを出発する前に、自分に言い聞かせたことは、

「確かに自分は、ぼったくられるかもしれない。でも、それもすべてバンコクの調査・研究の一環だ」

ということ。そうすれば 何があっても落ち込むこともないだろう。明日の打ち合わせと客先訪問を前に、できるだけバンコクを体感し、自分なりに実態を知っておきたかった。そもそも観光パックツアーに参加しようにも、

３大寺院の中では、唯一 ワットアルンだけを訪れ、ワットプラケオ、ワットポーには見向きもしないで、旅人の聖地 カオサン通りに移動して、バックパッカー気分を楽しみ、その後 バンコク最大のショッピングセンター街 サイアムでデジタルサイネージの調査

などという観光パックツアーがあるわけがない。



「バンコクへ行ったら、とりあえずカオサンを目指すべし」　　バックパッカーと呼ばれる旅人のあいだでは、こんな言葉さえあるほどに有名な安宿街がカオサンだ。アジアを、いや世界を旅する旅行者たちがカオサンにやってくる（吉田友和さん著「週末バンコク」という本より。すっごく参考になるし、読んで楽しいです。貴重な情報をありがとうございました♪）。そんな旅行者に優しい街、カオサン通りに行って旅人気分にしたってみたかった。



こちらも出店や屋台が圧倒的に充実している。みんな木陰に座ったり、歩きながら食べている。自分もオレンジジュースを買って飲みながら歩いていたけど、旅人気分が盛り上がったなぁ。



バンコク市内にはマッサージ屋さんがたくさんある。歩きつかれたとき、気楽にフットマッサージにかかれるのはありがたい。この日も気温は３０度以上だったと思うし、歩いていると汗が吹き出してくる。カオサン通りから路地を抜けてランブドリ通りに出たところにあるマッサージ屋さんで、フットマッサージをお願いしてみたんだけど、超親切で感激。名前を聞けばよかった。

ウッディーな、高い天井のスペースで、教授（坂本龍一さんのことです）が作りそうなとらえどころのない癒し系の曲が流れていて、落ち着ける。彼女はマッサージを始める前にはちゃんと両手をあわせてしばし祈っていた。途中、自分がちょっと咳をしたら、スッといなくなったなぁ と思っていたら、あたたかいお茶を入れてきてくれた。お互い片言の英語だけど話しもはずみ楽しかった。最後に「またカオサンにきてください」という意味だと思うけど、彼女が言ったので、「そうなるように祈ってて」答えたのは、自分がとっさに言ったにしては気が利いてるとわれながら思ったりしているのでした (^_^;) 。会話と言えば、英語の単語を怒鳴るだけの３大寺院周辺の観光地ズレした連中とはえらい違いで、癒された。

タクシーの運転手さんとの道中も楽しかったし、よく歩いたし、ＢＴＳ（スカイトレイン）も乗ったし、充実した１日だった。ショッピングセンター街のサイアムの発展振りも目覚しく、巨大なショッピングセンターの内外で、大小様々なデジタルサイネージが設置されているのがわかった。本屋さんでパソコン雑誌をみたら、Ｔｗｉｔｔｅｒ（ツイッター）が特集されているのはまいったなぁ。



今日の経験を頭にＩＮＰＵＴして、再度整理し直して、明日の打ち合わせと客先訪問を有意義なものにしたい。