関西アーバン銀行頭取の伊藤忠彦さんが書かれた本。焼津のK社のAちゃん(← 男です、念のため)が推薦してくれので、すぐに買って読んでみる。手に取ったときの第一印象は「壮大なタイトルだなぁ」。日経ビジネス誌の最後に「ビジネス書の売れ筋ランキング」みたいな記事があるけど、確か前号のランキングで東京でも大阪でも1位だった。
正直、自分はこの本のことは知らなかった。でも読み終わってみると本当に心洗われて、前向きにがんばろうと思える素晴らしい内容。「こういう本が東京でも大阪でも1位になるなんて、日本のビジネスマンはすてたモンじゃない」って思った次第。
「最新の経営理論を知っていても、先端の技術を導入しても、それだけでは成功することはできません。そうした知識や技術に、確固たる理念という目に見えない裏づけがプラスされることで初めて、私たちは大きな力を得ることができるのです。」
その言葉通り、大半は「目に見えない部分」について語られている。現代は物質中心でどんどん目に見えないものが信じられなくなっているけど、では物質とは何か と考えてみるともとはエネルギーだと考えられているらしい。エネルギーが物質化するためには、ひとつの設計図みたいなものが必要で、それが意志、想念だとおっしゃられる。
「私たちの目の前にある現実は結果の世界となります。まず想念の世界があって、そして結果の世界が現実の世界です。そしてまたその先には新たな想念の世界があるでしょう。因果応報というのは、これを表しています。いい結果をもたらすためにはいい理念がまず大事です。想いの方向が間違っていたら、間違った結果が出てしまうのです。実はこの想念の世界は原因の世界とも呼ばれています。(中略)私はいつも、ものごとを現実化しようと思ったら、まず自分の目的は何かということを考えます。(中略)想念の世界と現実の世界というのはなんら因果関係はないように見えますが、実は目的の世界があって、原因の世界があって、結果の世界があるのです。我々は結果の世界に生きているのですが、結果がでるためには、最初に何かをしようという目的があり、そして、それを達成するための想念、つまりどういうやり方をしようかと考える原因があり、そしてそれを実行した結果が今の現実ということなのです。」
引用が長くなったけど、この部分はそうした方がいちばん伝わるかと思って。すごく説得力があるよね。最初の目的のところで「自分さえよければいい」というような目的をもった場合には宇宙が味方しない とおっしゃっておられる。目にみえないことだけど、すごく納得した。
日頃激しい競争に身をさらしている自分たちはつい競争に勝つことが目的になってしまう。資本主義経済の発展の原動力となるこの競争が行き過ぎるとどんどん欲望レベルに堕落してしまう。「競争に勝つために相手を蹴落とそう」などと考えるようになるともう完全に危険信号。
お金を儲けることを目的にしてしまうのも同じで、あくまでも結果であるべきはずなのに、それを目的にするから粉飾決算をしたりする。「儲かりさえすれば地球環境を汚してもいい」などと考えたらもう最悪だ。危険物を違法投棄するなどの事件はまさしくこのレベルだろう。
これからの社会を正しく生き抜くための確固たる視点をいただける本。ぼくらはそろそろこのことに気づかないと地球そのものの存続さえも危うくなっていることを知らなければいけないと思う。
世の中は電気がマイナスからプラスに転化するように一気に変わったりするらしい。オセロの駒がひっくり返るように一気に変わるのだ。
「歴史というのは、段階的に変化していると思われがちですが、実は意外に革命的な出来事を通じて変化しているのです。(中略)地球上で一番悪い時代かもしれない今の時代ですが、もしかすると、これが相転移して、はるかに素晴らしい時代が訪れるかもしれません。」
この文章にますます希望とやる気が湧いてきた。
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目に見えない事を「あるかも知れない」と思うのか「全く信じない」かは個人の自由ですが、僕は「あるかも知れない」と考えています。
そのほうが視野が広がりますね。
全ての事を「自然体」で対応していきたいと考えているこの頃です。(笑)
この本は是非購入します。
出張前の自宅より・・・・
ですよね。ぼくも「その方がつじつまが合う」と思いました。
否定する根拠もないし、「科学的に証明されていない」と言ってみても、科学的に証明されていないことは山のようにありますよね。
とてもいい本だと思います。ぜひご一読を~。