東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




元々歴史も地理も好きだし、だから最近「地政学」って言葉にちょっと興味が
あった。あまり聞きなれない言葉だけど、国家間の対立を地理的条件から説明する
もので、古くからある学問らしい。

歴史観には大きく2つあって、「正義を実現していく過程」と見る理想主義と、
「各国が生存競争を繰り返す過程」と見る現実主義がある。地政学は現実主義に
立脚する学問だけど、第二次大戦後、日本では地政学自体の研究が禁止されてしまった
ため、学校の教科書などは、理想主義史観が幅をきかせることになる。

日本が第二次大戦に負けたのは、戦略や戦術の間違いではなく、倫理的に間違った
戦争をしたからで、日本が深く反省し、謝罪を行えば戦争はなくなり、だから憲法
9条を守らなければならない、という脳内お花畑歴史観。確かに教科書にも、新聞
なんかでも相当幅をきかせていると思う。

でも、本当に日本が間違っていて、連合国が正義だったとすれば、第二次大戦後の
現代は、もっと平和な、理想的な社会になっているはずだよね。現実は、日本が謝罪を
すればするほど、周辺諸国は居丈高になり、平和が遠のいている。「なんか違うんじゃ
ないか」って思っている人は 実は多いと思う。でも、学校で習ってきたことや新聞に
書いてあることと違っていたりするとなんかそういう意見って言いにくいんだよね。

アメリカ、ロシア、中国、EU・・・その他世界各国の指導者たちは現実主義で考え、
行動している

まず、この大前提を知ることが重要だよね。これが世界のルールであり、思考法。
そのことを知り、そこに地理的条件を織り交ぜていくと、様々な国が「なぜそういう
行動をとるのか」「この戦争はなぜ起きたのか」ということが、それこそ目からウロコ
みたいに 実によくわかるようになる。

地政学とは、地理的条件が国際政治に与える影響を考える学問。
地政学的視点で見ると、新聞ではわからない世界の歴史と国際情勢がスッキリと見えてきます。

「アメリカの覇権はいつまで続くのか?」とか「中華帝国と化した中国が目指す先は?」
など、「これから先」のことも、かなりの納得感をもって読むことができます。

あと、エピローグとして書かれている「2050年の世界と日本」という数ページが圧巻。
ここははっきり、地政学的視点による未来予測が書かれているわけだけど、ここに書かれて
いる 日本が進むべき方向は、自分が日頃なんとなく「そうするべきだよなぁ」みたいに
思っていることと かなりたぶっていて、裏づけられたというか、理論武装できた感じがして、
ちょっとうれしかったです。

歴史好き、地理好きにはストレートにおもしろい本だけど、そこよりもやっぱり
ビジネスリーダーとビジネスリーダーを目指す人には、現実的な視点を得るために、一読を
お薦めします。

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