「アキハバラ@DEEP」。直木賞作家、石田衣良さんの長編娯楽小説。DEEPな話しですが、おもしろいです。世間ではオタクというひと言で片づけられてしまうような青年たちがビッグビジネスを起こすまでの痛快なストーリー。あきらかに「2ちゃんねる」のことを指しているサイトが登場したり、「これってYahoo!BBのこと?」みたいな感じで楽しめる。
中の登場人物の言葉を拾ってみると、
初の国産OS開発者 半沢教授の言葉
「(秋葉原について)私が素直に評価することはできない。しかし若い君たちだけでなく、外国からきた客人の注目まで集めているということは、ここになにかがあるのは確かなのだろう」
中卒の若き天才プログラマー イズム君の発言
「世界中に名前を知られているようなプログラムは、たいていアイディアを考える人とプログラマーの合作です。この世界はラリーみたいなものなんです。ドライバーとナビゲーター、どちらも優秀じゃなきゃ絶対ゴールはできません。実際には優秀なプログラマーはたくさんいますが、素晴らしいアイディアをもった人はめったにいません」
百科事典のような知識をファイルしているページ君の発言
「最初はぼくたちのホームページに人を集めたかっただけなんです。なにかみんながつかえる便利なツールがあるといいなって。(AI型サーチエンジン)クルークがあれほど成功するなんて思わなかったし、期待してもいませんでした。すごくいいアイディアが浮かんで、どんどんプログラムしただけです。ぼくたちがおもしろいと思ったもので、みんなが楽しんでくれたらいいな。動機なんてそれくらいのものです」
秋葉原の路地裏の一室で、コスプレ喫茶の常連の若きオタクたちが意気投合し、不眠不休で作り上げたAI型サーチエンジン「クルーク」を巡り、大事件勃発。最後は痛快なアクションシーンも。楽しめます。
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